いぐっちゃんが発案!?最近気になるスノボ用語「ラントリ」とは?

文:飯田房貴 fusaki@dmksnowboard.com

いぐっちゃんが発案したと言われる新しいスノボ用語、ラントリについて解説します。

最近、DMK会員向けに、恒例企画の「あなたの好きなオススメ・ボード」のアンケートを開始しています。(以下、昨年度の記事紹介例)
https://dmksnowboard.com/2019-20-osusume-snowboard-mens/
くわしい内容は、ニュースページでも近日中に告知しますが、いただいたご意見メッセージにちょっと気になる言葉がありました。
以下、ごっさんからいただいた最後のメッセージ内容です。

「今回は当然試乗会に参加もできず。特にオススメと言う物が思い付かずにすみません。
気になっているのがラントリ用に開発されたギアを試したく、また今DMKによく参加される方々はグラトリと言うよりパウダーランやラントリかなぁ~っと勝手に思ってます。
YouTuberのいぐっちゃんが紹介しているRICE28のWRXのラインが20-21でWRX snowboardブランドになって凄く気になっています。」

最初、このメッセ―ジ文を読んだ時、「えっ、ラントリってなんだっけ?」と、頭の中にクエッションマークが浮かび上がりました。
長年、スノーボード雑誌などの執筆をしていた自分ですが、この言葉は聞いたことがありません。
でも、自分の知らないところで、もう一般スノーボーダーの中に浸透しているようなのです。

早速、「ラントリ」をグーグル先生に訪ねてみると、いぐっちゃんの動画がたくさん出て来ました。
メッセージの中でも「YouTuberのいぐっちゃんが紹介しているRICE28のWRXの~」とあるように、やはりこの言葉を発案者はいぐっちゃんのようです。
早速、本人に確認するメール、「この言葉は、いぐっちゃんが考えた言葉ですか?」を送ったところ、以下のように回答をいただきました。

「そんな感じです。ラントリという言葉を4年ほど前から使い広めました」

照れなのか?他にも広めた人がいたのか?そのへんは定かでなく、はっきりと「はい」という返事ではなかったけど、いぐっちゃんが考案した言葉のようです。
くわしい言葉の解説もなかったけど、どうやらこの新しい用語は、フリーランとグラトリを混ぜたところから生まれたようです。

そもそも、単なる「グラトリ」と新しい用語「ラントリ」は、どこが違うのか?

これは僕の勝手な解釈なのですが、グラトリの方がより低速でズラして滑り、鼻っからトリックしまくることが中心な遊び滑りだと思います。
対して、ラントリは力強いカービングターンが主体で、そこから豪快に180してリバースしたり。スピード感が溢れるような、グラトリの進化したバージョンなのかな、と思うのです。

ちなみにラントリもそうですが、グラトリという言葉も海外では通用しません。例えグランド・トリックと言っても、カナダ人には「?」です。
海外では、グラトリのことを「バタートリック」と言うことが多いです。まるでパンにバターを塗るような動きをスノーボーディングでするからです。

また、海外のスノーボードシーンにおいて、こうしたグラトリのようなことがあまり持ち上がるようなことがありません。
特にプロの間では、こうしたお遊びが、メディアのステージに上がるようなことを避ける風潮もあるように感じます。「さりげなく」やろうという気運ですね。

数年前に日本に行って、あるスノーボーダーのグループが懸命にグラトリばかりをやっている姿を見たけど、あれはなかなか衝撃的なシーンでした。若さ溢れんばかりに、ともかくグルグル回りまくる。あの運動量、オジサンにはとてもできない…、と思いました。と同時に「そもそも自分はあのような滑りを欲しているのか?」とも考えました。
だけど、「そうか、日本にはこうしたスノーボーディングがあり、このようなカテゴリーも発展したんだな」と思ったものです。

ところで、海外でグラトリかラントリが受け入れられていないのか?というと、そうでもないです。
実際、僕がスノーボードのレッスンしていても、「さっき、フサキがやっていたあのトリック(グラトリ)、僕にも教えて!」なんて、よく言われます。
僕自身、グラトリをすることで、スノーボードに必要な身体の使い方を覚えるので、強く推奨しています。

ラントリという言葉が、生まれ広がる背景には、日本独特のスノーボード・カルチャーがあるのかな、とも思います。
海外のスノーボード雑誌、メディアとして有名なウェブサイトを見ても、取り上げ方はいわゆる昔からあるコア層向けに作られます。そうした中で、グラトリは、メインステージには上がれないというわけです。

日本でもそうかもしれませんが、いぐっちゃんのようなライダーは異端児的な扱いでしょう。専門誌が取り上げるようなことはないのかもしれません。
でも、おそらくいぐっちゃん自身が感じていると思うのだけど、例え専門誌のようなところからそっぽを向かれたとしても、支持するのは大衆です。
実際、今回DMKの会員さんが、いぐっちゃんの滑りを見て「RICE28を買いたいな」と思わせた影響力、これぞプロなのではないでしょうか?

これからもいぐっちゃんの滑り、そしてラントリという新しいカテゴリーがどんな動きを見せるのか?注視していきたいと思います。
そして、僕自身、ウィスラーで華麗にラントリを決めたいな!という思いで、来るシーズンにはチャレンジするでしょう。

[PR]AmazonのKindleストアで最新書籍『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING絶賛販売中!