ニセコで無許可な「海賊スキースクール」横行、地元スクールに影響

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近年、北海道ニセコの人気スキー場周辺で、無許可のスキーやスノーボード教室を開く外国人インストラクターたちが増加しており、地元の公式スキースクールや関係者の間で問題となっている。その正体不明で神出鬼没な活動から、「海賊スキースクール」と呼ばれ、地域の観光業やスキー場の運営に影響を与えつつあるという。

この問題は、観光業が盛んな地域であるニセコならではの事情が絡んでいる。ニセコのスキー場では、スキーやスノーボードの指導を行うためには、事前にスキー場の許可を得て、所定の条件をクリアしなければならない。しかし、許可を取らずにレッスンを行うこれらの「海賊スクール」は、そのルールを無視し、料金を取って客を集めている。

北海道新聞によると、ニセコのスキー場では、直営スクールに加えて、42の認定スクールが存在し、これらは地域での顧客保護やサービスの品質確保を目的として厳格な基準を設けている。認定を受けるには、インストラクター数が10人以上、商用リフトシーズン券(33万8800円)の購入、そして傷害保険への加入が義務づけられており、これらの条件を満たさなければならない。そのため、認定スクールは信頼性の高い指導を提供し、安全面でも保障されている。

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しかし、無許可でレッスンを行う「海賊スキースクール」は、こうした厳しい規制を無視し、スキー場や地域にとっては大きな問題となっている。ニセコのスキー場では、このような違法な営業行為に対して対応を強化しており、今後はより一層取り締まりが厳しくなる見込みだ。

興味深いことに、記者が住むカナダのウィスラーでも、時折同様の「海賊スキースクール」の問題が取り沙汰されることがある。ウィスラーのスキーヤーやスノーボーダーが集まるSNSのコミュニティでは、「今度、家族がウィスラーに旅行するので、子供のレッスンをしてくれる方がいれば教えてください」といった書き込みを見かけることがある。このような投稿は、一見すると親切心で行うお手伝いのように見えるが、無許可のレッスンを行うことが問題となることを認識することが重要だ。

「海賊スキースクール」は一見すると手軽なビジネスやお小遣い稼ぎに見えるかもしれないが、実際には規則違反であり、トラブルを引き起こす可能性が高い。ウィスラーやニセコなどの有名なスキーリゾート地では、スキー場やインストラクターの安全性と信頼性を守るために、厳格なルールと基準が設けられている。無許可でレッスンを行ってしまうことは、お客様や地域にとっても危険を伴う行為であり、注意が必要だ。

今後、これらの無許可スクールへの対策が強化されることは間違いなく、スキー場やインストラクター業界全体がより信頼性の高い環境作りに努めることが求められるだろう。

●北海道新聞記事
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1129753

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