The Channel®システムはUNION、NOW、FLUX、K2、RIDEのビンディングも装着可能!

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文:飯田房貴 [email protected]

先日、友人から、
「まだ多くのスノーボーダーたちは、The Channel®システムにはバートンのバインしか対応できないと思っている」
と伝えられました。

目次

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The Channel®システムは主要のビンディング・メーカーに装着が可能

たしかに、バートンのバインは世界でも屈指のトップレベルのギアなので、バートンのボードを購入し、The Channel®(ザ・チャンネル)システムを使用したら、バートンのバインを使わないという手はないでしょう。

しかし、中にはバイン・メーカーにこだわりがあり、UNION、NOW、FLUXなどをThe Channel®システムで使ってみたい、という人もいると思います。
もし、あなたが、そうしたことでお気に入りのビンディング・メーカーを諦めていたとしたら、もったいない!
The Channel®システムは、ほぼ主要のビンディング・メーカーに装着が可能です。
マルチディスクを利用して、UNION、NOW、FLUX、あるいはK2、RIDEのバインも付けることができます。

実際のところショップでは、どんな対応になるのか。気になったので、カナダ・ウィスラーにある国内で最もバートンを売っているという実績があるショーケース(Showcase Snowboards)に取材に行って来ました。
店員さんに確認したところ、「ウチで売っているすべてのビンディング、UNION、NOW、FLUX、K2、RIDEのビンディングも装着可能」とのことでした。古いバインはともかく、これからビンディングを買おうとしている人は、問題ないと言われました。
また、もしもチャンネルシステムに対応できないディスクのビンディングがあった場合には、必ずショップでディスクを見つけて来て対応するとも言ってました。

日本でまったく同じような対応かどうかはわからないのですが、おそらくは似たような対応をしていただけると思います。
なので、バートンの板でもユニオンやフラックスのバインを付けることはできます。

The Channel®システムの利点

今更言うまでもないかもしれませんが、The Channel®システムの利点を改めて説明すると、スタンス幅と角度調整が自由で簡単なこと。また、2点で留めるので、装着も脱着も簡単という、この2点が挙げられます。

4×4(フォーバイフォー)システムで4つのネジも使用するのに、2点留めにすることで、本当にしっかりと留まるのか?あるいは、このスライダーのような部分が外れたりしないのか?
これまで The Channel®システムを利用したことがない人は、そのへんが不安に思う思うかもしれません。
しかし、安心してください。The Channel®システムのボードには、3年間もの保証が付いています。以下、バートンのサイトから抜粋した内容になります。

Burtonは、製造上の欠陥が弊社により認められた2014シーズン以降のThe Channel®ボードに対し、購入日から3年間、修理または交換の保証対応を行います。使用上の誤り、改造、乱用などによる破損は保証対象外となります。なお、その製品が保証の対象であるかどうかは、弊社の判断になります。


FORUMの遺伝子を引き継ぐThe Channel®システム

そもそもバートンは、かつて3Dという独自のシステムを使っていました。これはこれで、スタンス幅、角度の調整ができていたもので優れていたのですが、現在のThe Channel®システムよりはその調整幅が少なかったものです。まさに文字通り3つのネジで留める方式ものでした。

チャンネルになったのは、たしか2009年頃だったと思います。

1つのきっかけは、バートンが買収したフォーラム(FORUM)のスライダーシステムです。スライダーシステムというのは、現在のバートンのチャンネルシステムのように、スライドする穴から自由にスタンス幅を調整できました。ただ現在のチャンネルシステムと違う点は、2つの溝があり、その長さも短かったことです。
おそらくは、フォーラムを持っていた独自の特許技術だったのでしょう。

しかし、難点は壊れてしまったことです。特に当時フォーラムに熱狂していたスノーボーダーは、過激なフリースタイラーという面もあったので、激しくボードを扱う彼らによって、スライダー部分は破損してしまうことがあったのです。

かつて、フォーラムに在籍していた看板ライダー、ジェレミー・ジョーンズは、そのチャンネルシステムの利点と欠点も熟知していたようです。ジャレミーはバートンチームに移籍し、チャンネルシステムに開発に加わり、現在の発展したボード作りに献立したのです。

実際に使用したThe Channel®システムの感想

すでに世界中で何万人というスノーボーダーが、The Channel®システムを利用して来ているので、何を今更感はあるわけですが、自分なりの使用して来た素直な感想も最後にお伝えしましょう。

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チャネル専用に開発されたEST(イーエスティ)ビンディングとの相性

最初に自分がバートンのチャンネルシステムを使った時には、バートン独自で開発したビンディング、 EST(イーエスティ)の方を使いました。
このバインの外側に留める部分があります。


使った感想は、凄く自由で簡単にアジャストできるということでした。
そもそも「ボードとブーツの一体化を目指したビンディングで、ボードの反応もよくなる」という宣伝文句も聞きましたが、ぶっちゃげそのへんはあまり感じれませんでした。ともかく、使った感想としては「調整便利じゃん!」ということです。

しかしながら欠点もありました。使っている内に角度がおもいっきり変わっていることがあるのです。そもそもの2点留めの弱さで、ネジがしだいに緩んで来てしまい、ある日、突然にビンディングの幅や角度がズレてしまうのです。

もっともマメにネジ締めの点検をしない自分も悪いわけなので、小まめに締めればいいわけですが。どんなバインもネジの点検は必要ですが、 EST(イーエスティ) は、もっともネジ点検が必要なバインだと思います。

ちなみに、僕はウィスラーでスノーボード・イントラをしているので、よーくこのESTを使っている生徒さんのバインが動いちゃったのを見ています。イントラのポケットには、携帯用のドライバーが欠かせません。

2点留めのディスクを使用した時

次にディスクで2点留めした時の状況です。これは、バートン以外のバインを使用した時の状況です。またバートンにも『Re:Flex』というタイプのバインを使用した時には、そうなります。

この場合のケースも1シーズン以上使ってみたのですが、「すこぶる良かった!」です。というのも、ESTを使っていた時のように、「滑っている間にバインが動いちゃった」という事件が起きなかったので。
先に伝えたように、2点留めに不安を抱く方もいるかもしれませんが、まったく問題なかったです。先シーズンも80日以上、山に上がりましたが、一度も問題は起きませんでした。
ということで、個人的にはバートンのバインを買うなら、ESTを買うよりRe:Flexの方がいいのでは?と思います。

●関連記事
スノーボード初心者 ビンディングの選び方
https://dmksnowboard.com/howto-choose-snowboard-binding/

コラムニスト・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox、Endeavor Snowboards等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。最新執筆書『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』。また2020年には英語版のサイトSNOWBOARDTIPS.COMも立ち上げて、世界中のスノーボーダーにハウツーを配信中。
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は36年。

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