オーストリアのクラーゲンフルトで開催されたスノーボードW杯ビッグエア第3戦の決勝において、男子では開幕戦を制した19歳の長谷川帝勝が179.75点の高得点を叩き出し、堂々の優勝を果たした。これにより今季2勝目を達成し、ランキングトップの座に輝いた。
女子では、開幕戦で1位、続く第2戦で2位と安定した成績を収めている18歳の深田茉莉が、今回も182.25点を獲得して2位に入賞する快挙を達成。優勝はイギリスのミア・ブルックスが果たした。
目次
長谷川帝勝が2つの大技で今季トップに立つ!
決勝で長谷川帝勝は、大胆に2つの大技を披露。1本目はキャブ1800ウェドルを見事に決めて89.25点というハイスコアを叩き出し、観客を沸かせた。続く2本目では、優勝を決定付けるフロントサイド1800インディを成功させ、後続者を寄せ付けない179.75点という圧倒的な合計スコアを記録した。ラスト3本目は、すでに優勝が決まっていたため、会場であるヴェルター湖スタジアムでキャブ540の舞いで有終の美を飾った。
2位にはイタリアのイアン・マッテオリが175.25点で入賞。
3位はノルウェーのオイビンド・カークハスが172.00点を獲得し、初のワールドカップ表彰台に立った。前大会では、わずかに表彰台を逃して4位だったが、今回は遂に栄光の台に上がった。カークハスは1本目にスイッチバックダブルロデオ1260ノーズグラブを決め、男子ではこの日最高得点となる92.00点を記録したものの、合計スコアでは帝勝には及ばなかった。
今回の勝利により、長谷川帝勝は今季3戦を終えた時点でFISスノーボードビッグエアワールドカップランキングのトップをキープ。シーズンは残り2戦を予定しており、さらなる活躍が期待される。
その他、日本勢男子では木俣椋真が決勝へ進み、6位に終わった。最後に狙ったバックサイド1800が決まっていれば、さらに上位に行けただけに悔しい結果となった。
W杯オーストリア/クラーゲンフルト大会 男子ビッグエア3戦目結果
1位 長谷川帝勝(日本)
2位 イアン・マッテオリ(イタリア)
3位 オイヴィンド・カークス (ノルウェー)
4位 ヤコブ・フロネシュ(チェコ共和国)
5位 クレメンス・ミラウアー(オーストリア)
6位 木俣椋真(日本)
7位 レオン・フォッケンスパーガー(イギリス)
8位 リヨン・ファレル(ニュージーランド)
9位 チェマ・マゼット・ブラウン(イギリス)
10位 「オリバー・マーティン(アメリカ)
— 以上、決勝進出 —
34位 木村葵来(日本)
42位 宮村結斗(日本)
深田茉莉、再び2位!悔しさ残る逆転劇
ビッグエア女子では、18歳の深田茉莉が素晴らしい滑りを見せ、1本目にスイッチバックサイド1260ドランクドライバーを成功させて93.50点を獲得し、トップに立った。続く2本目ではバックサイドダブル1080を決めて88.50点をマークし、優位に試合を進めた。
しかし、最後の3本目でイギリスのミア・ブルックス(17歳)がキャブ1440メランコリーを完璧にメイクし、大逆転でトップの座を奪取。深田もバックサイド1440で逆転を狙ったが、惜しくも着地を決められず、合計スコアで2位に甘んじる結果となった。
深田にとって2位という成績は素晴らしいものの、最後のトリックが成功していれば優勝も十分可能だっただけに、悔しさが残る大会となった。
一方、優勝を果たしたミアは1本目にキャブ1080を決めた後、2本目ではバックサイドダブルコーク1260で88.50点を獲得。そして最後の3本目にキャブ1440メランコリーを完璧に成功させ、見事な逆転劇で優勝を掴んだ。この勝利によりミア・ブルックスは2戦連続優勝となった。
また、鈴木萌々(17歳)は合計166.75点を記録し、キャリア初のワールドカップ表彰台を獲得!2本目にフロントサイド1080メランコリーを成功させ、続く3本目にはバックサイド1260メランコリーを決めて堂々の3位に輝いた。オリンピック出場に向けて、大きな成果を挙げた。
表彰台を狙っていた岩渕麗楽は、再び悔しい4位という結果に終わった。2本目にバックサイド・ダブルコーク1080を成功させ、続く3本目にはフロントサイド1080ステールフィッシュを決めたものの、惜しくも表彰台には届かなかった。オリンピックでの4位から続くこの「因縁」を振り切れるか、残り2戦での巻き返しが期待される。
地元オーストリアの期待を背負って挑んだアンナ・ガッサーは、オリンピック2大会連続金メダリストの女王として注目された。しかし、決勝では最後に挑戦したキャブトリプル1260を成功させることができず、5位に終わった。
一方、予選1位通過を果たし、今大会での優勝を狙っていた村瀬心椛は、再び予選1位からの決勝8位という結果に終わった。前大会と同様のデジャヴ展開となり悔しい結果ではあったが、女子トップクラスの実力を持つことに疑いはない。次戦での飛躍に期待。
W杯オーストリア/クラーゲンフルト大会 女子ビッグエア3戦目結果
1位 ミア・ブルックス(イギリス)
2位 深田茉莉(日本)
3位 鈴木萌々(日本)
4位 岩渕麗楽(日本)
5位 アンナ・ガッサー(オーストリア)
6位 アリアーヌ・ブリ(スイス)
7位 リリー・ダウォーンヴェジ(アメリカ)
8位 村瀬心椛(日本)
— 以上、決勝進出 —
2024-25 FIS WORLD CUP ビッグエア&スロープスタイル日程、結果
ビッグエア | 開催日 | 開催場所 | 男女優勝者 |
1戦目 | 10月19日、20日 | スイス(クール) | 長谷川帝勝(日本)/深田茉莉(日本) |
2戦目 | 11月30日~12月1日 | 中国(北京) | 荻原大翔(日本)/ミア・ブルックス(イギリス) |
3戦目 | 1月3日~5日 | オーストリア(クラーゲンフルト) | 長谷川帝勝(日本)/ミア・ブルックス(イギリス) |
4戦目 | 1月9日~11日 | オーストリア(クライシュベルク) | |
5戦目 | 1月30日~2月6日 | アメリカ(アスペン) | |
スロープスタイル | |||
1戦目 | 8月30日~9月1日 | ニュージーランド(カードローナ) | キャメロン・スポルディング(カナダ)/村瀬心椛(日本) |
2戦目 | 1月15日~1月18日 | スイス(ラークス) | |
3戦目 | 1月30日~2月6日 | アメリカ(アスペン) | |
4戦目 | 2月19日~2月23日 | カナダ(カルガリー) | |
5戦目(未定) | 3月12日~14日 | イタリア(リヴィーニョ) |