“シーズンアウトできない者たち”──niseko_downchillが記録した、春の羊蹄山ハードコアツアー

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「スノーボードブーツでのこのハードの登山はリスペクトしかない。スノーボードへの熱い思いが伝わる作品」

2025年5月21日、北海道・羊蹄山。
Instagramアカウント「@niseko_downchill」が投稿した一本の記録が、多くのスノーボーダーの心を揺さぶった。

テーマは、「シーズンアウトできない者たち」。スノーボードブーツのまま挑んだこのツアーは、もはや滑走というより登山とサバイバルに近い。藪漕ぎを小一時間、残雪が散在する石まじりの沢を進み、いくつもの崖をかわしながら急勾配を登っていく。目的は、ウドをはじめとする山菜採取。だが、道中は平坦ではない。

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途中には30メートル級の滑落が2度、ハイマツ帯では腰まで落ちるハプニングも。満身創痍となりながらも山頂に到達。ついにお釜ライドをドロップする瞬間を迎える。雪は思いのほか走り、ギラギラと輝く春雪の中でギリギリのメイクを果たした。

だが、当初の沢に山菜の姿はなかった。ルートを変更し、別沢へとダブルスで滑走。上部の雪は良好だったが、ミドルエリアからは落石が増加し、安全を最優先に山菜採りへとモードを切り替える。やや旬を過ぎた山菜を収穫し、夜の食卓を確保。

さらに標高を下げると、雪よりも“白くない何か”が増えていく。ソールを守りながら滑走を続けたが、交わしようのない状況に直面し、滑ることを断念。そこから再び歩行、藪漕ぎ。最終的に下山地点は登りとは異なる場所となり、@shojikikuta に救助要請。車に戻ったのは午後7時過ぎ、行動時間は10時間を超えていたという。

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