スノーボーダーに捧げるヨガ「3つのポイントと7つのポーズ」

 

 

プロ・スノーボーダーの中でも愛好者の多い、ヨガ。
ヨガは心技体に働きかけるメソッドであり、スノーボーダーの心技体のコンディションを整えるもの。手軽で安全で誰でも続けやすい習慣として、ぜひ生活の一部に!
そこで、自身スノーボーダーであり、現在はスポーツアロママッサージでスポーツ選手をサポートしながら、ヨガにも精通している飯泉 賢さんに、誰でも手軽にできるスノーボーダーに捧げるヨガ「3つのポイントと7つのポーズ」を教えていただいた。ここで紹介する7つのポーズは、滑る前に適したもの。下半身の踏ん張る力、股関節や腰部の柔軟性アップを狙っています。
明日のためのスノーボードのために、ぜひ今日からでも取り入れてコンディションニングしていきましょう!

 

3つのポイント

①心=メンタル 
精神的にリラックスを感じることができる。交感神経と副交感神経のバランスを整えることで体調全般を整える。

②技=テクニック
身体的なバランス感覚を養い、体幹の安定強化を図り、ライディングフィールを向上させる狙いもある(=効果も期待できる)

③体=フィジカル
筋バランスを整え、柔軟性を高め、疲れにくい身体にする。さらに筋力アップも望めと且つケガの予防も役立つ。

 

①太陽礼拝

まずはマウンテンのポーズからスタート。
肩腕の力を抜いて、足の裏の母趾球と小趾球と踵の3点を意識して立ちます。
いつも滑っている大きな山をイメージ。

呼吸を鼻から吸いながら、両手を上げて空を見上げます。
無理に身体を後ろに反らす必要はありません。空に向かって背中が伸び上がる感覚でOKです。

呼吸を鼻から吐きながら(以後の呼吸は全て鼻から吸い鼻から吐きます)、身体を前屈して両手をマット(床)に着きます。

両足を後ろに伸ばし、踵から腰、肩、頭まで一直線のイメージで身体を支えます。
両手の手のひらは開いて、肩の真下の位置に着きグリップします。
この時も鼻で呼吸し続けます。
(四肢のポーズ)

四肢のポーズから、両膝をマットに着いて呼吸を吐きながらお尻を真後ろに引っ張ります。手の位置は動かないように。
呼吸は続けます。3〜5回程度鼻呼吸を続けます。背中全体が伸びているのを感じて。

八肢のポーズです。
尾てい骨を高く空へ向けて引き上げ、両腕脇は締めて、胸を降ろして行きます。顎またはおでこをマットに付けて目線は遠く先へ送ります。
身体の8ヶ所がマット(床)に着くので、八肢のポーズと言われます。
両つま先、両ヒザ、両手、胸、顎(またはおでこ)が、この8ヶ所です。

アップドック 上向きの犬のポーズ。
両足の甲はマットに着けて、両足太もも裏側は上に引き上げます。
両手で体重を支え、肋骨全体を引き上げます。目線は斜め上へ。
鼻呼吸3〜5回

ダウンドック 下向きの犬のポーズ
踵はしっかりとマットを押し、膝は出来る限り伸ばします
首は脱力してリラックス。
両肩は外側に外転させ、親指と人差し指の付け根でマットをしっかりと支えます。
鼻呼吸3〜5回程度

片足を高く上げ、足の重みを利用して手と手の間に向けて着地。

両足着いたら、お尻を上げ上半身前屈した状態から腰から頭にかけてロールアップ。
両手を上げて胸の前で合掌。

上げた両手を胸の前に下ろし合掌します。
これが太陽礼拝の一連の流れです。

身体全体を動かすダイナミックな動きにより血行が促進され筋肉が温まります。
かつ柔軟性もアップするヨーガでは基本となるアーサナです。
呼吸を止めずに行ないましょう。

 

②チャイルドポーズとウサギのポーズ

正座の状態から上半身を前に、頭をマットに着けてリラックスします。
肩甲骨を左右に開き、肘も脱力します。
全身の力を抜いて鼻呼吸を3〜5回行ないます。

力を抜いて鼻呼吸を続けます。
 
ウサギのポーズ
(注:首に不安のある方は辞めてください)
頭のてっぺん頭頂部をマットに着けて、腰の辺りで手を組みます。呼吸吐きながら肘を伸ばしたまま、頭の方向へゆっくりと上げていきます。
止まったポイントで鼻呼吸3〜5回続けます。
上げた手が地面から垂直に伸ばした状態が理想です。
頭頂部から手が一直線のイメージで。

③針の糸通しのポーズ

上げた腕を反対側の手と膝の間を通します。
出来るだけ遠くに。
肩を着けて手のひら空に向けて下ろします。反対側の手は空に向けてまっすぐに伸ばしましょう。
鼻呼吸3〜5回続けます。
左右両方行ないます。

反対側も同様に行います。
目線は上げた手の指先遠くへ。

 

④ガス抜きのポーズ

仰向けに寝た状態から、吐きながら膝を抱えて胸に引きつけます。
左右に少しゆらゆらと揺らし腰全体の筋肉を和らげます。

 

⑤三日月のポーズ

左足を前、右足を後ろへ。
右足の膝とスネの部分はしっかりとマットへ下ろします。
吸いながら両手を上げて、吐きながら深く身体を反らします。
横から見たら三日月のように。
鼻呼吸3〜5回続けます。

 

⑥立木のポーズ

マウンテンのポーズから、ゆっくりと右足を上げます。
股関節、太ももの付け根に置いたら、バランスを取ります。立ち木になったつもりで、足は大地の下へ根を張り、手は空高く伸びて伸びて大きな木に。

自分に集中をして、バランスを取り続けます。呼吸は止めずに続けます。
左右両方行ないます。

 

⑦三角のポーズ

左足つま先は左側へ、右足つま先は正面へ向けます。
足は三角形のイメージでスタンス幅調整してください。

右腰は右へスライド、左手は横に引っ張られるように左へ伸ばします。

手が伸びたところで、腰から曲げて左手がマットへ着くように下ろします。
右手は空へ向けて伸ばし目線も指先遠くへ。
鼻呼吸3〜5回続けます。

 

飯泉 賢さんに聞いてみたい!
スノーボード、ヨガ、コンディショングについて

スノーボーダーの方でも愛好者が多いヨガだが、なんとなく良いことだと思っていても、なかなかヨガの実践を行っていないという方もいる。
だけど、実際には日々行っているようなストレッチングが、ヨガの動きだったということもある。
そもそもヨガとストレッチングの違いってなんだろう?
具体的にスノーボーダーに対して、ヨガはどんなことを与えてくれるのだろうか?
日頃行いたいコンディションングを含め、飯泉さんに質問をぶつけてみました。

--そもそもヨガとストレッチングの違いって何ですか?
なんか同じポーズのものがあって、ストレッチングにしても呼吸を意識したりするし。

飯泉:ヨガとストレッチの違いは、精神的な変化が伴なうのがヨガになります。
ヤマ、ニヤマという概念がありまして、
嘘をつかないとか盗まないとか感情に左右されない、または、満足するなどの道徳的なことも根底にあります。その上でヨガのポーズが成り立っています。
ストレッチには、そのような考え方はありません。
そして、ストレッチにはアクティブストレッチなどのように、身体を動かしながら行うストレッチもあります。サッカー選手などが試合前にアップするときに行う準備運動など。
よりフィジカルに重きを置いています。
この辺が、大きく異なる点でございます。

--ヨガはストレッチングと違い、心をおだやかにするし、精神的なものが根本的にあるような印象があります。 そのための方法として、今回ご紹介していただいた様々なポーズを実践すると良いと思うのですが。結果、筋肉を良好な形に持っていくという意味では、 ストレッチングと似ていると考えてもよろしいでしょうか?

飯泉:はい、おっしゃる通りヨガは筋肉を良好な状態にもっていく、あるいはそれを保持する効果がありストレッチングと似ている部分があります。 僕自身ヨガの時間を3倍に増やしたところ格段に良くなりました。半年前ほどから始めた方たちも柔らかい筋肉になったと感想を述べられています。

--マッサージというのも筋肉をほぐしてくれるわけですが、 ストレッチング同様に大事な役割があるように思います。 飯泉さんは、マッサージに関して、どのようなご感想をお持ちですか?

飯泉:マッサージについて僕の見解をお話しします。 とても専門的になりますがポイントが2つ。
強くグリグリと揉みほぐさない。例えば筋肉が硬いから柔らかくなれ!とばかりに、強く強くグリグリと揉みほぐすと筋肉を痛めてしまう可能性があります。強い方が効果があると言うのは誤った認識です。強いと逆に筋肉はそれに耐えようとして反発し硬くなります。柔らかく筋肉の方向に沿って優しくさするように撫でるように。

 

--そうかあ、あのマッサージを受けて、痛っ気持ちいいってダメなんですね。

飯泉:痛気持ちいいぐらいのちょっと手前が良いかと思います!
次に大切なこととして、全体を意識してリセットする感覚。
筋肉をより良い状態にリセットするイメージで行なっています。起始停止の箇所をポイントとして全体をケアする。 オイルマッサージが得意とするところです。 これもテクニックがありますので、ワークショップなどで実践していただくのがベストだと思います。

--ヨガ、ストレッチング、マッサージなど スノーボーダーのコンディションニングについて大事なもの。 どのようなバランス割合で、僕たちはやっていけばいいのでしょうか?

飯泉:特に滑る時間が多い方は、この3つは意識的に取り入れていかないと体のコンディションは下がる一方になります。
ヨガはストレッチング効果も兼ねていますのでダブっています。なので僕はヨガ50ストレッチング30マッサージ20のような割合です。一般の方にはこのヨガについてはなかなか独学ではとっつきにくいかもしれません。どこかで指導を受けながらやれた方がいいですね。

--ところで、ウィスラーのイントラのロッカールームにはエアロバイクが置いてあり、有酸素運動を薦めているのですが、どうでしょうか?

飯泉:日々のスノーボードの疲れには、確かに、有酸素運動はに良いと思います。
結局のところ疲労物質を除去することで疲れが取れます。
なので、サウナなどで温冷交代浴などもおススメです。
あとは、先のマッサージのところでもちょっとお伝えしましたが、アロマオイルを利用したセルフケアマッサージが効果的です。血流が良くなり新陳代謝も促進されます。
特に寒い日の冷えた身体には効果的ですね。

これらに共通しているのは、体温を上げて血流を良くし疲労物質を早期に排出すること。

2年前にはそのスポーツアロマセルフ講座を実施しレクチャーしたことがあります。ぜひそちらの記事も参考にしていただければ、と思います。
https://satoshiiizumi.com/?p=6543

--子供を見ていると身体が柔軟で、 見たことをすぐに実践できて、 エネルギーに満ち溢れているように見えます。 だから、子供のスノーボーダーを見ると、すぐにうまくなっちゃうんだろうなあ、と思うのですが。 そして、ヨガというのは、精神的にも元気にして 僕たちに活力を与えてくれるような印象。 ヨガというのは、僕たちを若返らしてくれるようなものなのでしょうか?

飯泉:確かに子供たちは体の柔軟性のバランスが大人に比べると良いですね。じゃあなんで大人はバランスが悪いかと言うと、ズバリ生活習慣です。子供は一日朝から晩までパソコンなんてありませんよね。姿勢が悪い状態が続くとそれが筋肉の癖になります。そこに運動不足が重なると悪い姿勢がその形のデフォルトになるので、スポーツしようとしても良いパフォーマンスは得られません。これはフィジカル面ですが、メンタル面でも子供はおおらかで素直に見たままを直感的に受け入れられるからではないかと思っています。大人も仕事はほどほどにして、大自然の中で思いっきり遊んでもらいたいと思います。

--最後に今回のまとめご意見をお願いします。

飯泉:スノーボードをより楽しむために、そのコンディショニングとしてヨガを取り入れてみてはいかがでしょうか?と言うご提案をさせていただきました。
スノーボードで大切な柔軟性、バランス能力、体幹の力などを高め、精神的な安らぎ、リラックス効果も得られるヨガはスノーボーダーにぴったりのアクティビティでしょう。 筋肉がしなやかになることで、疲れにくい更には怪我しにくい身体になると思います。

 

次回は、クールダウンに適したヨガのポーズをご紹介していただきます。
どうぞ、お楽しみに!!

 

飯泉 賢 プロフィール

1968年4月6日茨城県水海道市(現常総市)生まれ
早稲田大学 人間科学部 スポーツ科学科卒、日本スポーツアロマトレーナー協会資格を持ち、整骨院で勤務も。そんな経験を活かして、現在は「HEART」守谷本店にて、スポーツアロママッサージを行っている。
チームサポート、トライアスロン大会、マラソン大会、ゴルフコンペなどのスポーツの現場で選手のケアを実施中。
スノーボードのキャリアの方は、20年以上でカービングターンとパウダーライディングが大好き。
夢は90歳になってもカナダのウィスラーでパウダーランを3世代で滑ること。
「人生を楽しもう!」がテーマ。

 

https://satoshiiizumi.com/heart/