おばばスノーボーダーのちゃれんじ記 Part 2

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スノーボードのためなら、引越しだってしちゃう。そんなスノーボードにハマッたおばばボーダーのちゃれんじ記は、昨年大好評を得た。そこで、今年は早くもパート2をリリースするぞ。
今回も、笑いあり、涙あり、感動あり・・・、そしてまた笑いありで、我々の感情を時間割で荒らしまくるぞ。事実はドラマ以上にドラマである、おばば最新のちゃれんじ記だ!

一話

いよいよシーズン突入だ!おばば夫婦が、ここに引っ越しをしてきて2シーズン目の冬が来た。 『スノーボードをするだけのため』その理由だけで、本当に引っ越しをしたの? そうです。間違いなく、それだけが理由です。おばばの仕事への通勤時間は、片道2時間になっちゃったし、いろいろな買い物も不便になっちゃったし、主人も電車の乗り換えが増えちゃったし・・・
何もかもが不都合になっちゃった生活だよ。 でも、でも、で~も~!山に少しでも近くなって、そりゃー最高の幸せ~! みんなー、このバカ夫婦を笑ってくれー!

と言うワケで、先シーズンは今まで近いようで遠くて、 なかなか行けなかった飛騨の流葉に行くことができた。違う!流葉じゃなくて、なんか洒落た名前に変わってたぞぉ。近頃あちこちのゲレンデの名前が、横文字に変わっちゃって、おばばにゃー覚えにくくてかなわん! そうそう、確か “スターシュプール緑風リゾートひだ流葉”って言ったけぇ?

ほんでもって、せっかく流葉に行くんだから泊まりで行こうぜ!二日目は近くの朴の木平にも行ってみよう!ってことになった。 期待満々、ルンルン気分でおばばたちは出発した。 だが・・・実は何となく怪しい天気予報に、少々?の不安があった・・・。

順調に車を走らせ、以外に走りやすい道に主人も上機嫌。 予定時間通りに、無事に流葉の駐車場に着いた。そして、車中泊のために、いかに快適に朝までぐっすり眠るかを、二人であれこれ工夫をしながら、眠りについたのでした。
しっかーし!おばばには?雨女?と言う疫病神が、約10年ほど前から取り憑いている。 もちろん、?雪女?も例外じゃない。 もうおわかりのように、この日もおばばが気持ちよく眠っている間に、おばばの元には、雪女の疫病神が舞い降りてきていたのでした。

翌朝、目を覚ますと・・・
そりゃあ、とんでもなく凄いことになっとった。車のカーテンを開けると、なんも見えんじゃん! 一瞬、何が起こっちゃったのか? ワケがわからずに、ぼーっとしてたら、「さすがちかやん!」と、主人が悲しそうな顔でつぶやいた。 それを聞いて、やっと状況が飲み込めたおばば。 やっぱり今回も取り憑いたかぁ!?そうかぁー。

そう言えば、こんな主人の可哀想な顔を見るのは、これで何度目なんだろう? そんなことを思いながら、おばばもガックリと肩を落として「なんでやねん?」と一言。 こんな時にちょっとだけ関西人になっちゃうのは、それこそ「なんでやねん?」 勘弁してくれよ~!!雪女さん。 って、それおばばのことかぁー。(笑)

そんなこんなで、初日の流葉のゲレンデも、思いっきり楽しむことはもちろんできなかった。仕方なくおばばたちは、その日は早々に引き上げることに・・・。「明日がまだあるじゃん!」なんて、おばばが言っても、主人はもう聞いていない。

「せっかく来たんだから、今日はおいしいものでも食べて、温泉にでもゆっくり入りに行こう!」
「高山の街まで行って、郷土料理を食べるぞ~!」と、主人が言ってくれた。 主人もこんな状況にはすっかり慣れちゃって、切替の早いこと早いこと。「やったぁー!!」おばばは人ごとのように大喜びよぉ。 でも、そんなおばばの様子を “チラッ”と見た時の主人の冷ややかな視線・・・。
でも、そんなんも慣れちゃったよ~、っと。 「温泉!温泉!」おばばの切替も早いこと早いこと。

ちょっと雰囲気のあるこしゃれた店で、高山の郷土料理の飛騨牛やら、朴葉味噌やら・・・。うまいもんをたらふく喰った。そこでおばばは調子ぶっこいちゃって、生ビールをジョッキで勢いよく飲んじまった。何で?これが “調子ぶっこいとる”かって言うとだねぇ・・・。
おばばはほとんど飲めんだよね(笑)

そんなのに、一気に飲んじゃったから大変じゃん!そこを出る時には、足はもつれるわ、うまくしゃべれんわ・・・。昔ドリフのコントで、寿司屋の土産をぶら下げたお父ちゃんが、よろけながら「オェ~」ってやってるような・・・まさしくおばば的にはそんな感じだった。 でも、何とかもつれる足を上手く操作しながら、器用に歩いて店を出た。 気持ちはしっかりしていて、いつもとあんまり変わらん感じだったんだけど、 主人が言うには、この時のおばばはかなりおかしかったらしい。 でもまぁ、酔っていなくてもこんなようなもんだし・・・(笑)

「よし!ほんじゃー、次は温泉にいくぞ~!」とおばばが言って、そのまま温泉に向かった。もうこの当たりで何となく想像できる方もいるかもしれませんが・・・、ここでおばばは、もの凄~い体験をしたのでした。 笑えるけど、涙が止まらない体験を・・・。

温泉に行くまでに少しずつ醒めた(?)酔いが、急におばばの体温を奪いだし、おばばの体は一気に冷え切っちゃった。一分でも早くお湯に浸かりたいモードに突入し、温泉に着くないなや、洋服を脱ぎ捨てロッカーに放り込み、湯船に向かって突進した。 後でここで脱いだ洋服の残骸が、おばばの恥をさらすことになるんだけど・・・。

そこの温泉の特徴だろうか?ドアを開けるともの凄い湯気で、中の人達の位置さえしばらくはわからないくらい真っ白け~。おまけに冷え切った足先を湯船に入れたとたん、「ひゃ~~~!」
熱いお湯が好きなおばばでも、悲鳴を上げたくなるほどの高温だった。それでもゆっくりゆっくり体を沈めたんだけど、熱過ぎて入っていられない。 暖まると言うよりは、痛いのを何かの理由で我慢している、って感じ。

そのうちにおばばは湯気と熱さとで、少し自分の様子がおかしくなっているのに気付き、こりゃあ、早々に出んといかん!そう思って上がる事にした。ロッカーの鍵を開けた瞬間、「バッコーン!」っとよろけて、ロッカーに頭をぶつけてしまった。

そこまでは覚えとる。も、その先が・・・、
気が付いた時には、風呂上がりに休憩する畳の大広間で、素っ裸でおばばは寝ていた。まさしく “すっぽんぽん”のまんまで・・・

そう、おばばは、そのまま気を失って倒れてしまったのだ。そのワケはただ一つ。
「飲んだら入るな!浸かるな!」
どれぐらい経った頃だったんだろう? ザワザワと人の声が聞こえ出し、やがてそれが、おばばを呼んでいることだと気付いた。

「お客さん、お客さん、わかるかねぇ?」
この従業員らしい人の顔と、体にバスタオルを巻き付けた人、頭にタオルを巻いている人、着がえ終わって赤ら顔になっている人・・・、たくさんの人たちがおばばを取り囲んでいた。
そして、おばばが「はい、わかります。本当に申し訳ありません」
そう謝ると、「良かったぁ~、良かった、良かった」とみんなが喜んでくれた。

その中の一人は自販機にすっ飛んで行って、冷たいお茶を買ってきてくれ飲ませてくれた。また、他の二人は、「寒くない?どっか痛くない?」そう言って、毛布やら座布団やらをあててくれた。それから他の人は、私のすっぽんぽんの体を気遣って、「ロッカーの番号を教えてくれる?」
そう言って、さっき脱いだ洋服をロッカーまで取りに行ってくれた。そう、この時おばばは、脱ぎ捨てて放り込んだ洋服やらパンツの残骸を、親切な人に見られてしまうことになる。まだすっきりとしない意識の中でも、それを見られるのは顔から火が出そうだった。

すっぽんぽんのまま気絶したことよりも、あの凄い脱ぎ方をしてしまった残骸を見られてしまったことの方が、何倍も恥ずかしく、情けなかったよ。『穴があったら入りたい』って言うのは、こうゆう時に使うんだなぁ、そう思った。

そして、その脱ぎかけのままのパンツをみんなで履かせてくれ、ジーパンもセーターも靴下まで履かせてくれた。アホなおばばの行動を攻めるどころか、みんな優しい言葉を掛け続けてくれ、おばばのことをずっと心配してくれた。広間でダウンタウンのテレビを見て大笑いしていた、今時の若い女の子二人も、最後にそこをおばばが出ていく時には、私の体を支えてくれ、主人の待っているところまで送り届けてくれた。

「ウォォォー!ウォウ、ウォウ~!」おばばは泣き叫んだ。涙が溢れて止まらんかった。おばばの胸は熱くなって、心は芯まで暖まった。体は冷え切っちゃったけど、こんなに熱く暖かいものを感じたことはなかったよ。大雪のせいで、流葉のゲレンデを楽しむことはできなかったけど、雪女?のお陰?で、一生忘れられない最高の夜になった。翌日おばばが最高に楽しいスノーボードを楽しんだことは言うまでもない。

おばばも、あの時のあの人達の様なあったか~いハートを持ち続けていたい。スノーボードを通して、色々な人達と出逢うことができる。そこで出会った人達と想い出を、おばばは冥土の土産にでもすっか~?!

ほんでもって、おばばから一言。
「みなさ~ん、温泉に入る前には飲んじゃダメよぉ~。」

二話

おばばがスクール大好きって言うのは今さら言わなくてもねぇ・・・
今までに、入った入ったぁ。ほんで、いろいろなことを教えてもらったぁ。なのに、何でおばばはうまくならんのかやぁ~?近頃真剣にそう思っちゃう。

スノーボードを始めた頃は、何でターンができるだぁ?
何で、あんな斜面を降りてこれるだぁ?
そう思っていたけど、いつの間にかターンもできていたし、恐ろしく急な斜面に見えたコースだって、知らないうちに普通に降りてこられるようになっていた。日々進歩はもちろんしているんだろうけど、何かが違うんだよね。おばばはには、何かが足りないと思う。こんなにスクールに入っているのに、いくら何でも進歩がなさ過ぎるんじゃないんだろうか?

主人は、ほとんどスクールには入らない。入る時は、新しい何かにチャレンジする時だけ。それはロングターンだったり、ショートターンだったり、グラトリだったり・・・。初めて何かにチャレンジする時に限って、一日お世話になる。そして、その後は黙々と一人で練習する。おばばはって言うと、スクールに入って教えてもらう。ちょっとうまくなった気がして、でももっともっとうまくなりたくて次もスクールに入る。それから一人でちょっと練習してみる。うまくいかないから、また次にスクールに入る。

スノーボードを始めて二年目ぐらいまでは、間違いなくおばばの方が上達が早かった。主人なんて、あっと言う間に抜かせちゃうぐらいスピードも速かったし、何より転ぼうが、頭打とうが、何も恐くなかった。つまり、おばばには恐怖心ちゅうもんがほとんどなかったっちゅうこと。何でもやってみたし、何でも出来そうな気がしていた。なんも恐くなかった。

おばばにはお気に入りのスクールがあって、そこは何年もお世話になっていて、シーズン始めに入ると、「ずいぶんうまくなりましたよねー」
なんちゃって言ってもらえるんだけど・・・ほんとか~?

そう言えば、先シーズンスクールに入った時のことなんだけど・・・
20代後半?ぐらいの男の子と二人だけのスクールって時があった。その男の子は、スクール経験があんまりない感じに思えたんだけど、インストラクターには気軽に話しかけていたから、「あれ?」ってちょっと不思議な感じがした。聞けば、2級のバッジテスト合格目指してスクールに入ったらしい。驚いたのは、3級は受けずにいきなりの2級挑戦で、しかも、もう5回?6回?7回?本人もよくわからなくなるほど落ちていると聞いて、ビックリするというよりは、口あんぐりだった。

でもなぜかおばばは、この後ちょいとこの男の子の言動や行動に興味を持ってしまった。この子は、今までどうやって滑ってきたんだろう?何でそんなにも受け続けるんだろう? そして、いつまで挑戦するんだろう?
「1級なんて簡単に受かると思っていた。」って言っていたけど、何でそう思っていたんだろう?
何もかもが不思議なことばかり。

見れば彼のバインディングのセッティングは妙なことになっとるし・・・。イントラが、そこをさりげなく「おかしいですねぇ」と言っても、本人はイントラが何を言っているんだか?さっぱりわかっていない様子。ちんぷんかんぷんな答えが返ってくる。私もイントラも、ゴンドラの中で顔を見合わせてどうしていいんだか?ワケがわからなくなって、二人で口あんぐり。

その日のスクールは、 “バッジテスト攻略・ロングターンコース”だった。なのに、なのにだよ!
「じゃあ、今日はロングターンを極めましょう!」そうイントラが言ったとたんに、「僕はショートターンが苦手なので、ショートターンをやりたい!」
そんなことをこきやがった。当然、おばばもイントラも二度目の口あんぐり。

困ったイントラは、「じゃあ、少しやってみますか?」と優しく言うと、「少しじゃなくて、僕はちゃんとやりたい!」とこうだ。
「貴様ーーーー!!黙っとりゃーいい気になりやがって!どの口が言うんじゃい!」
「だいたい今日のレッスンは、一日『ロングターン』って決まっとったんとちゃうんかい!」
おばばは、おもいっきり切れそうになった。でもグッと堪えた。それは、イントラのお兄ちゃんが、嫌な顔一つ見せずにその彼に接しているのを見て、ちょいと恥ずかしくなったからだ。

でも、何でこの子はそんなことが言えるんだぁ?おばばは、ますますこの不思議な彼に引き込まれていってしまった。後から知ったんだけど、彼はとても2級が受かるレベルではないにも関わらず、何回もバッジテストを受験し、しかもずっと落ちているから、少し知られた存在だったらしい。

とにかく、おばばはその不思議な彼と、一日いっしょに滑ることになってしまったのでした。その日は、彼の希望どおりショートターンも入れつつ、予定通りロングターンも教えてもらえることになったのはいいんだけど、ここからが凄かった。

まず、イントラが『谷まわりから・・・・』次に『山まわりから・・・・』そう説明した。
「じゃあやってみましょうかー」そう言ったとたん、彼がまたまたとんでもないことを口にした。
「山で回るんですか?」「谷はどこですか?」こんなことを言い出したのだ。
もう、おばばは途方に暮れた。もちろん、三度目の口あんぐりだ。

一体彼が何を言っているのか?全く内容がつかめない。何とか理解しようとしてみても、やっぱりわからない。そして、彼のこの一言のために、貴重な時間を30分以上も使ってしまった。
どうも彼は、山の方に行って回って、谷にも行って回りたかったらしい?
「行きたきゃどこへでも行ってこい!」おばばは、冷たいようだけどマジそう思ったよ。何てことだ!冗談じゃなく、彼は本気で話しているんだ。しかも、自分はうまくなりたい!イントラの資格だって来シーズンには取りたい!そう熱弁するんだから、彼なりに真剣なんだろう。彼は、『山まわり』も『谷まわり』の言葉さえ理解していなかったのだ。もちろん、この後イントラの説明する『クロスオーバー』なんて言葉も当然知るはずもない。きっと何かを拭くモノぐらいに思ったかも?

午前中はそんなんで、ほとんど滑っていないのに、クタクタの内に一瞬で終わってしまった。午後からのレッスンは、どうせなら彼から発せられる不思議な行動や言動の数々を、思い切って楽しんじゃえ!そう気持ちを切り替えて、おばばはレッスンに参加した。

ところがだよ、思わぬ収穫もあったじゃんね。それは、おばばが当たり前のようにやっていた数々のことを、彼は当然のように、一つずつ疑問に思い質問する。例えば先落としの意味だとか・・・何で木の葉落としなんだとか・・・
とにかく、何でもかんでも聞くし、見事に何にもわかっていない。イントラがやってみせると、
「僕にはこんなに簡単なことじゃなくて、ちゃんとターンを教えて欲しい!」と来る。
全くもって、またかいな?おばばはだんだんと、自分の顔が引きつっていくのがわかった。なのに、ここのイントラのお兄ちゃんは心が広い! きちんと彼にわかるように、優しく説明してあげている。おばばだったら、とうの昔に首を絞めて、蹴り入れて、山で振り回し、谷に落としていただろう。ちなみにバしちゃうと、この時のイントラはテク選2位の?マ ○ツ?でした。やっぱ、光っている人は心が広い!そして優しい!いい男だ!おばばなんて一瞬、惚れちゃいそうだったもん!迷惑だってー???そりゃ、確かに(笑)

つまりおばばは、彼の質問のお陰で、改めてそれらの意味をしっかりと理解することが、できちゃったって、言うワケよ。他にも、やることなすこと全て彼は一度止める。だから、いろいろなことをやることはできなかったし、ロングターンを極めるにはほど遠かったけれど、意外な収穫におばばは結構得しちゃったかも?

だいたい、おばばのような2級レベルぐらいが、一番妙なプライドを持っちゃっていて、結構知ったかぶりなんかしちゃうもんだ。おばばだって例外じゃない。スクールでのイントラの説明で少し不安なことだって、今さら恥ずかしくて聞くこともしないし、少し人数が多いと、なおさら知ったかぶりで滑っちゃうことも多い。一番タチが悪いかも?

でも、彼にはそんなもんはどこにもない。わからないから聞く。わかるまで聞く。いっしょに入っているスクールの他の生徒(おばば)のことなんて考えちゃあいない。自分がうまくなりたい一心で、ただ一生懸命なだけなのかも? ひょっとしたら、こんな子がうまくなっていくんじゃないのかなぁ?なんて感じちゃった。

その後、彼が2級合格を果たしたのか?それとも1級までひょっとして取っちゃったのか?
消息は不明だが、きっと今シーズンも何処かのゲレンデで、イントラ泣かせのスノーボードを楽しむに違いないだろう。「がんばれよ~!」
でも・・・考え方によっちゃー、とんでもない奴だったなぁ!やっぱり(笑)
できれば、一緒のスクールはご遠慮いたします。
だって、スーパーおやじギャグ連発の相 ○盛○くんのスクールより疲れちゃったもん!

おばばには彼の持っている『素直な心』と、彼の持っていなかった『自分自身で考える』と言う、その両方とも少しばかり欠けていたみたい。おかしなプライドが邪魔をして、人任せで上手くなると勘違いをして、何となくうまくなった気になっていただけだね。自分でなぜ?どうして?どうすれば?をちゃんと考えて、学習せずに滑っていたってことだぁ。もちろん、今までだって本が破れるほど見てきたし、ビデオだってすり切れるほど観た。ちゃんと考えていたつもりなんだけど・・・やっぱり、何かを捨てきれなかったんだ。ゲレンデに行くと、それが出ちゃってたんだね。やっばいね~、これって。だから、今何かが違うって感じるんだ。

おばばがなんにつけ、今までずっと言い続けて来たこと。
『考えること。』
それはカチカチになることじゃないよ。頭ではちゃんと理解しているって言うこと。わかってくれるかなぁー?
それに、おばばは急ぎ過ぎるんだ!いつも早くうまくなりたい!早く合格したい!早くマスターしたい!
早く、早く・・・そればっかだったかも?何をそんなに急ぐ必要があるんだろう?
山は逃げやしないのにね。

それから、やっぱり『楽しむこと』なんだよ。 これに尽きるね。おばばは、ロングターンを極めたいと思ったら、一ヶ月でも二ヶ月でもロングターンばかりしている。それがうまくなる近道だと思っていたから。でも、全然違った。いろんなビデオを、シーズン始めにいっぱい観て思ったんだけど、オーリー覚えたり、プレスしてみたり、おばばの恐いツリーランしてみたり・・・
そんなんは、ちゃんとターンができるようになってから、それからやるもんだと思ってた。ひょっとこいたら、おばばが遠回りだと思っていたことが、うまくなる近道なのかもね?

おばばはダメだな~、いくつになっても勉強だね。若いもんに教わっちゃたよ(笑)

三話

おばばは腰の手術のリハビリのためと、今シーズンの体力作りのために12月の半ばまで近くのスポーツジムに毎日通った。
今回もここで、ジムの若いお兄ちゃん達のエキスを吸い取ったるぞ~!
と、勢い込んでリハビリを始めたのに、そこにいたのは、もうすでに他のミラクルスーパー?おばちゃんたちによって、すっかりエキスを吸い取られ、抜け殻のようになっちゃった、お兄ちゃんたちばかり。どいつもこいつも目が死んじゃっていて、どうにもなりませんでした。仕方なく今回おばばは自力で頑張りました。

おばばの通うスポーツクラブは、田舎のクラブなもんで、メンバーが、じっちゃん、ばっちゃんばっかり。
お恥ずかしい話しですが、私はみんなから「おたくは若くていいねー」
なんちゃって言われるぐらいだから、どんな様子かは想像してもらえると思います。

ここのスポーツクラブで、しばらくぶりに見るおばちゃんパワーの凄さにおばばボーダーのちかやんも、少々後ずさりしてしまいました。目ざとく新人の私を見つけたおばちゃんが、コーチのお兄ちゃんに向けておばばのことを「あの人はどうゆう人だん?」「何歳だん?」「どこから来ただん?」の質問攻め攻撃を始めた。小さな声で聞けばいいのに、そこはさすがにスーパーミラクルおばちゃん。全員に聞こえるほど大きな声だから、こっちが小ちゃくなってしまいました。
その次は、私が間違って外履きのスニーカーを、じゅうたんの上でうっかり履いてしまったら、すかさずまたまたお兄ちゃんに、私に注意するように指示をしている。あれじゃあ、コーチのお兄ちゃんもヘロヘロになっちゃうわけだ。可哀想だけど、「がんばれよ~!」とエールを送っておきました。

ところで、ジムのおばちゃんたちに痩せた人は一人もおらんよ。みんなブヨブヨかパンパンか、ボヨンボヨンの体型の人ばかり。お腹なんて、階段みたいに六段腹ぐらいになっている人もわんさかいるし・・・
何年も鍛えている人たちばかりなのに、何で?
その体型なのに、腹筋軽々やっちゃうし、メチャ重いのも軽々上げちゃうし。エアロビだか、フラフラダンスだかわからないようなのを、「イエ~イ!」なんちゃって踊っとるし。人間の構造はどうなっているんだろう?不思議でたまらん。私なんかそれを何度見ても慣れなくて、毎回めん玉が飛び出るくらいな顔をして見入っちゃう。とにかく行く末は、おばばもああなっちゃうの?と思ったら「お~、恐いよ~」
いかん、いかん、気を付けよ~っと。おばばボーダーも、スクールでイントラのお兄ちゃんのエキスを吸うのも、ほどほどにしんとね、そう反省しました。

ジムのマシーンで汗を流したら、今度はプールで一時間泳ぐんだけど、ここでも初日に凄いもんを見てしまった。テレビで見る『大自然の驚異!!』みたいなやつ。水しぶきが高々と上がり、バッシャンバッシャンともの凄い音とともに、トドの様な大群が押し寄せてきた。「何じゃー!?あれはー?」
見れば確かに時々顔を上げて、呼吸らしき動作はしているようにも見えるけど、どう見てもあれは、溺れかけて、もがいているようにしか見えん。何なの?あれは・・・?
やがてその大群は、あっけにとられている私の目の前を、ターンしていった。
「えぇぇ~!?」思わず声が出てしまい、さらに口が開いたまま閉じなくなっていた。あれこそトドの大群の大移動だ!大自然の驚異だ!地響きなのか?激しい水しぶきの音なのか?とにかく凄い音と共に、それは何往復も続いたのでした。おばちゃん軍団凄過ぎる!

しかし、この後とんでもない悲劇がおばばを襲ったのでした。そろそろ落ち着いてきた頃、気を取り直してプールに入ったんだけど、その入り方がまずかった。勢いよく「ドッボーン!」って飛び込んじゃったもんだから、おばばボーダーの水着の胸の辺りに入れてある、ようするに・・・、
まぁ、言ってみれば・・・偽乳?仮乳?付け乳?もう何でもいい!
とにかくそいつの片方が飛び出しちゃって、気が付けば『ひょこりひょうたん島』のようにプカーン、なんて浮いとるじゃん!
「ヒャァァァァ~!!」
まぁ、この後のことはお伝えしなくても・・・・・

今シーズンの初滑りはケガもなく楽しく滑ることができた、良いスタートだったなー。「おばばはやっぱり体力あるじゃん!」って思っちゃたもん!本当に46才かぁ~?
ノンストップで息切れなし。太股ブルブルなし。ふくらはぎ突っ張りなし。誰も言ってくれないから自分で言っちゃうけど、「若いじゃん!」でも、顔はパキパキ、ショボショボ、ガサガサ・・・。
「ほっとけー!」
やっぱり肌は正直だわ。おばばは間違いなく46才みたい(笑)
とにかくおばばはケガに気を付けて滑らなきゃ。みんな体力は付けてある?甘く見ると偉い目にあうぞー!

おばばボーダーちゃれんじ記 Part 1は以下からどうぞ
http://www.dmksnowboard.com/special/special-054.htm