【特集】スノーボーダーのための食事・栄養学

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TEXT: FUSAKI IIDA

先日、たまたま自分の息子が所属するサッカークラブの講習で、Jリーグの栄養アドバイザーの方の講習を受ける機会がありました。
そこで学んだことは、目からウロコ。
スポーツ選手にとってそのスポーツをやるのは、あたり前のこと。その上でよりパフォーマンスを発揮するための食事というのが大切ということがわかりました。
そこで、今回は自分なりに勉強したことを踏まえて、それをスノーボーダーの方に当てはめていこうと思います。

スノーボードは、28年間やってスノーボードのことは様々な要素を学んで来ました。
しかし、スポーツ栄養は正直まだまだ素人の域。
ですが、この特集記事をきっかけに、多くのスノーボーダーが食事の大切さを学ぶきっかけになれば、と思います。
これをきっかけに、もっと多くのスノーボーダーが、スポーツ栄養を学んでいくことを願いつつ、『スノーボーダーのための食事・栄養学』を始めます!

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食事に関する考え方
※FIFA国際サッカー連盟の考え方を参考。

1.トレーニング中や大会中に選ぶ食品は、トレーニングや大会に影響します。
2.適切な食事は集中した強度の高いトレーニングを支え、病気やケガのリスクを抑えます。
3.適量のエネルギー摂取がカギ。多過ぎても少な過ぎても問題が出ます。
4.炭水化物はトレーニングや大会の負荷に打ち勝つために必要なエネルギーを筋肉と脳に提供します。
5.たんぱく質は筋肉を増強し、補修するために重要。ただし日常的な食品をバラエティ豊かに含んだ食事であれば、十分な量のたんぱく質を摂取できます。
6.必要なエネルギーを摂取して、栄養価の高い食品をバラエティ豊かな食事を摂っていれば、ビタミンやミネラルも十分に摂取できるハズ。

みなさん高いリスト券を買って、貴重な休みを取って、ゲレンデに向かいスノーボードをしていますよね?
そんな貴重なスノーボードの時間を有意義に過ごしたいと思いませんか?

また、大会を目指すコンペティター、級に挑戦する方など、本番で良いパフォーマンスを発揮したいと思いませんか?

そんな時にも食事が大切なのです。

超基本的なことだけど、僕たちスノーボードをする身体というものは、食事からできているんですよね?

骨。筋肉、そして脳も!

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例えば、ちゃんと滑りたいのに、体力がないという方。
それは、炭水化物が少ないからかも。

集中力が切れて、思わぬアクシンデントをしてしまった方。ちゃんと食事を摂ってないとそういうことが起こります。

冬になると、風邪をひいてしまう方。朝食を外していませんか?
朝食を食べないと、体温が低くなり免疫力が低くなります。その結果、風邪やインフルエンザなどにやられてしまいやすくなります。

足がつったりしない?ミネラルが不足していますよ。

そう、そんなことを考えても超大事な食事。だけど、結構、多くのスノーボーダーがそんなことをあまり気を付けていないのではないでしょうか。
滑走中のパフォーマンスを高めたり、ジャンプでの集中力を増すことにもつながる食事。
そうしたことに、僕たちはもうちょっと気を配った方がいい。いや、ちょっとどころか、しっかりと気を配るべきでしょう!

POINT 1 朝食はしっかりと食べよう!

毎日、朝食を欠かさず食べること。
そうすれば、日頃から強い身体を作ることにつながります。

朝食をしっかりと食べるためには、早く起きることが必要。そのためには早く寝ることが必要です。

泊まりで滑りに行く時、どうしても夜更かししてしまいがちですよね。楽しいスノボ仲間といっしょにお酒を飲みたいだろうし。
だけど、ほどほどにしないと。
飲んだ勢いそのまま夜遅く食べると、夜寝ている間に身体は消化しようとしてしまってしっかりと寝れません。ちゃんと睡眠をしたハズなのに、朝起きると頭がボケ~としてしてしまう原因は、この遅い食事の原因の可能性が高いですよ。

夜遅く食べると、ベッドに入ってもしっかりと身体は寝ようとしてくれないのです。すると、朝も起きにくいし、ギリギリに起きればしっかりと朝食も食べれない。パフォーマンスは低下。ボケボケの頭でキッカー飛んだら、ケガにもつながってしまいます。

もちろん楽しいスノーボードなので、ストイックなほどに生活サイクルを守れとは言わないけど、日頃の生活ではできる限りしっかりと守るように。
そして、スノーボード行く時には、なるべく夜更かししないようにしましょう。

POINT 2 バランス良い食事を心がける

よく言われていることですが、バラエティに富んでバランス良い食事を心がけることです。
その中でも、どんな栄養をどれだけ、摂ればいいのか?

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上のイラストは、僕たちスノーボーダーが、どのような食事をどれほど食べればいいか、という食事のバランスを示したもの。厚生労働省から出されています。

一番、食べないといけないのは、主食。ご飯、パン、麺などの炭水化物。これがエネルギーの元。
よく肉を食べるとパワーが出るというイメージがあるけど、ハーフパイプを何度でもハイクアップしたり、朝からずっと滑り続けるパワーは、こうした炭水化物から発揮されます。

次に必要となるのが、副菜。野菜料理など。
そして、主菜。肉、魚料理など。

こうしてみると、みなさん副菜よりも主菜をより多く摂ったりしていませんか?
メインディッシュである、ハンバーグやてんぷらなどの主菜よりも、ホウレンソウのお浸しや、ひじきの煮物などの副菜を摂るようにしないといけません。

そして、その先生は、こうも言ってました。
色のある野菜を特に摂った方がいいと。さらに、もっといいのは、そこにゴマを加えることでミネラルも摂取できると。だから、必ず1回の食事には、何かの胡麻和えがあるといいと。例えば、ホウレンソウの胡麻和えなど。

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(グリーンベスジタブルで様々な胡麻和えを作れば、栄養バランス作りに役立つよ!)

POINT 3 大事な滑りの時にはおかず控えてご飯はしっかり

それでは、大事な大会や滑りがある時、僕はたちはどんなものを食べればいいのでしょうか?

答えは、「おかずを控えて、ご飯をしっかり」です。高炭水化物、低脂肪!

ご飯をしっかりと食べれるように、必勝おかずがあるといいですよ。
例えば、キムチ、梅干し、シラスおろし、納豆、ふりかけなど。

試合前に、ゲンを担いでかつ丼を食べても、残念ながら肉の消化には時間が掛かりパワーにならないでしょう。
ご飯類をしっかりと食べるのです。

そして、3~4時間前に食べておくこと。
例えば、10時に大事な大会がスタートするなら、朝6時から7時には食事を終えていないと。
早いですね。
そう言えば、以前、ワールドカップを取材していた時、選手たちは朝5時に起きていると聞いて、ビックリ。
きっと、こうした食事の配慮もあったのでしょう。

だけど、大事な大会の1時間前にお腹空いたら?
そういう時には、バナナ、ゼリーなど消化が良いものを。

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(勝負のご飯!あなたのオリジナルの必勝おかずメニューを考えよう。)

POINT 4 ランチは補食でカバー

先ほどは大会に出たりするような方にオススメ食事を紹介しましたが、それでは普段のスノーボードで僕たちはどんな食事をいただければ、いいでしょうか?
これは、僕の経験談もであるのですが、朝はしっかりと食べ、昼は軽めです。

朝食の大切さは、これまでに紹介して来ました。
ちゃんと、ご飯やパンをいただいて、その日の活力を付けましょう!
ご飯なら、納豆やキムチ。さらに味噌汁、その他、副菜。デザートにオレンジなどあったら最高ですね。
もちろんパンでもOK!その場合、野菜類やスープ、フルーツなど。

昼のゲレンデの定番というと、カツカレーやチャーシュー麺などでしょうか。
僕はウィスラーにいた時には、ハンバーガーとかいただいていましたね。ハンバーガーとフライドポテト、コーラのセット。

だけど、そういったものを食べると、必ずと言っていいほど動きが悪い。もう眠くなったり、やる気がなくなったり、

そこで、今回の先生の話がヒントになったのだけど、僕のオススメはランチは補食です。これは間食という考え方と同じかと思いますが、ガッツリとランチをいただくのではなく、これから30分後にはすぐに滑るのだから、例えばサンドイッチやヨーグルトなど、軽めにすればいいと思うのです。

理想的には、サンドイッチ1個、サラダ少々、オレンジ一切れ、そしてコーヒーとか。

実際、ウィスラーにはそういうようなセットがあったので、僕はよくランチでそんなメニューをいただいていました。
これを食べていた時には、確かに調子良かったですね。

また、ランチなんて食べねえ!というガンバリ屋さんは、フルーツがいいと思います。
バナナやオレンジなど。

ウチのカミさんなんか、「フルーツはウンコと同じである!」という爆弾発言をしていました。
その意図は、フルーツはそれぐらい消化が良いってことなんだけど。

ともかく、昼は軽めで補食という意識で。
そして滑り終わったら、なくしたエネルギー源をカバーするために、2回目の補食をいただくのが良いでしょう。

スノーボードという楽しいパフォーマンスを行う最中には、食事を抜いて、補食でカバーするという考えです。

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(ランチは物足りないな、というぐらいでちょうどいいと思いますよ。あくまでも補食という考えで。)

5 食事あれこれ

ここまでかなり大ざっぱに突っ走って来ましたが、最後にこの講習会でちょっと話題になったことをご紹介しましょう。

カップ麺について
カップ麺は、炭水化物と脂質と塩分に栄養が偏っている。ノンフライならまだマシで、毎日の食事にはオススメできない。たまにはOKだよ。

白いご飯と白いパンについて
できれば、色の入った玄米や、パンでも栄養価の高いものを選ぶと良い。
ただ、マニアックな話として、大会に出場するアスリートがあえて、消化の良い、白いご飯を選ぶことがある。

スポーツ飲料について
スポーツ飲料500mLで、なんと砂糖スティック3本分の糖分もある!
最初の1時間は、水(麦茶)で、それ以上の運動となったらスポーツドリンクでも。
でも、スノーボードの場合、それほど汗を掻くわけじゃないので、水でよさそうだね。

食事から水分を取れる
あまり知られていないけど、ご飯は60%がお水。例えば、大きめのお茶碗1膳でコップ1杯分の水量と採れるそうです!
トマトなら90%、ゆで卵なら75%と、食事から水分を補給することができるんだ。
よく水分補給が大切です、というけど、食事からも摂れるんです!

LAST MASSAGE

以上、簡単ではありますが、スノーボーダーのための食事・栄養学をご紹介して来ました。

実際のところ、トップのプロでも食事に気を配っていなかったり、むしろ普通の方よりも酷い食生活をしているライダーもいると思います。
そんなライダーを見ていると、食事って本当に関係あるんだろうか?なんて、考えてしまいそうですね。

だけど、長い間、トップとして君臨していて、オリンピックなどレベルの高い選手は、食事を気を配っている人が多いと思います。
そして、こうしてスノーボードがオリンピック種目としてどんどん認知されていく中で、やはり他のスポーツのようにアスリート色が強くなっていくことは間違いないでしょう。
何より、どんなレベルであれ、1日のスノーボーディングを充実した時間にしたい、という思いは誰でも共通することでしょう。
そんな中、こうした食事のことを気を配ることが大切になって来ます。

冒頭にも伝えましたが、今回の特集がみなさんの食事に気を配るきっかけになれば、と思います。
これまでこうして食事に気を配っていなかった方はぜひ参考にして、また今後も自分なりに勉強していってください。
THE DAYのために!