【ハウツー・コラム】スノーボードの基本姿勢 世界のトレンドとは?

先日、DMKクラブ員の方から基本姿勢に関する連絡が来ました。
その方は、後ろ足となる右足を手術したのですが、日本でコーチングを受けていると、凄く負担が掛かる姿勢を勧められるというのです。

その姿勢とは、上半身は前方へ開き、後ろ足に体重を乗せる。また上体をかぶせることによって中心に乗るというようにするとのことです。

確かに、こうすることで、エッジのグリップを効かせたキレやすいターンをさせてくれますが・・。
一方で、このような姿勢は、筋力を必要として、特に後ろヒザへの負担が大きい。

カナダでは、このような姿勢を教える方はいません。
また、カナダのトップエグザミナーの方にも取材したことがありますが、世界的にも、このような姿勢は勧めていないとのことです。
国際的なインストラクターのミーティングで、その国の最新のスノーボードの技術など、シェアし合っているところでスノーボード技術に関する意見交換がされるようですが、そこでの基本姿勢のトレンドは? 

これから紹介するアライメント

カナダのトップレベルのインストラクターの教えとしては、だいたい前足と同じ角度くらの胸の開きを推奨しています。これが世界の方向、トレンドです。

この考えは、僕のスノーボード哲学にも合致します。
ナチュラルなスタンスで乗ることで、骨格にもやさしく力の伝道も良い効率的なポジショニング。

そもそもこの考えを最初に伝えたのは、日本人であるマック遠藤さんという方です。
マックさんは、当時の専門誌スノースタイルのハウツーコーナーで活躍されていて、91-92シーズンにウィスラーに来ました。僕は日々いっしょにトレーニングさせていただき、その考えに共鳴しました。

実を言うと、そのシーズンのウィスラーのスノーボードの教え方は、上半身を前に向けるという現在の日本スタイルに流れつつありました。
その理由は、その年に定期的にキャンプを開いていたアメリ人プロのケビン・デラニーという方が、前開きスタイルを当時のカナダのイントラなどに伝えていたからです。

確かに上半身を前を向けることで、進む方向へのバランスは広がります。
またガニった後ろ足のエッジングのグリップ力も高く、カービングにも最適。
しかし、身体に負担が掛かるのです。特に後ろ足の太もも、後ろヒザに。

圧雪されたところでのターンは問題ないですが、ウィスラーのように起伏にとんだエリアでは、とても対応できないという部分もあります。

マックさんという方は、上半身前向きの思考が強いウィスラーにいながら、自分のフィロソフィー、ナチュラル・スタンスに自信を持ったいた方でした。今、思い返しても天才肌だったと思います。

確か日本で最初にデモンストレーターを選考した時にも、ジャッジングしていた記憶があります。そういった意味では、デモの教祖的な存在でもあります。
しかし、なぜか今では日本は先に紹介したように、前向き姿勢、後ろ足に乗るスタイルが育っているようです。

言葉だけの説明ではわかり難いので、世界で最も多くのスノーボーダーに支持を受けているハウツー動画をリリースしているSnowboard Addictionから、正しい姿勢を伝えているHow To Ride In Alignment On A Snowboardをご覧ください。

Alignment(アライメント)というのは、一直線という意味があるのですが、ようはボードに合わせて、身体も真横、一直線上になるということです。
そのための方法として、パンツの両サイドをつかもう!というエクササイズも紹介しています。

この考え方は、スロープスタイルの選手やハーフパイプにも継承されています。
日本が誇るハーフパイプ選手、平野歩夢はそのボトムランのリラックス度からスリーピースタイルとも言われています。
ようは寝ているほどリラックスしているというわけですが、彼のボトムランを見ても、アライメントです。

日本で教えている上半身を開くスタイルが間違っているということではありません。
ようは、その人にあった、または環境に合わせて滑るスタイルにも変えられることが大切だと思うのです。

圧雪された斜面でギンギンにカービングしたい時には、日本のスタイルが有効です。
また、両手が付くほどの深いカービングは気持ちいいです。
実際、今、欧州から人気が上がっているカービングスタイルも、身体を開き後ろ足に体重を乗せて、上体をかぶせた滑りになっています。

でも、アライメントのスタイルでも、カービングはできるし、どんな斜面でも対応できます。
それぞれの立場で、上達できる方法があるので、それを見つけることが大切だと思うのです。

飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴35シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWingでは、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、レッスンも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!
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