
2009年末、まさにバンクーバー五輪の2か月前の悲報だった。
あのショーン・ホワイトを破って優勝したこともあるプロ・スノーボーダー、ケビン・ピアースが転倒の際に頭を打ち致命的な脳損傷に。
あれから、10年経った現在、彼は今、何を思いどんなことをしているのだろう?
「スノーボードを失ったことは、ひじょうに大きい。
まるで自分の身体の一部を失ったかのような感覚なんだ」
しかし、ケビンは奇跡的な回復を見せる。スノーボードで培った闘志、そして家族や仲間の温かい支えによって、5か月後に退院できたのである。
遂に雪上にカムバックも果たした。
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その後、ケビンはヨガを始めた。
そこで、生きるための漲るエネルギーを感じたのだ。
その経験を活かして、兄のアダムと共にヨガを通して脳に損傷を持った人を回復させるプロジェクト、LOVE YOUR BRAINを立ち上げた。
今では、その活動は広がり、これまでたくさんの人を救って来ている。
そして、そのチャリ―ティー・イベントで知り合った女性と昨秋に結婚。そして、新しい命も授かった。
「スノーボードは、最高。大会で勝つことは素晴らしかった。しかし、この幸せと比べたら…。
今のこの状態が、僕にとって最高の幸せなんだ」
と、ケビンは語る。
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