私はカナダ・ウィスラーのスノーボードスクールでインストラクターをしています。シーズン中は120日〜130日ほど山に上がり、週5日はレッスン、残りの2日は滑ったり、ライダーたちと撮影をしています。
生徒さんから「そんなに滑っていて疲れませんか?」とよく聞かれますが、正直、かなり疲れます。特にレッスンの日は朝から15時頃まで山にいるため、体への負担は大きいです。
現在56歳になり、若い頃より疲れやすくなったと感じることも増えました。さらに、シーズン中は軽い腰痛に悩まされることもあります。
そんな中、シーズンを乗り越えるために私が大切にしているのが「毎日のストレッチ」です。朝と夜にしっかりと行うことで、体のコンディションを維持しています。
目次
毎日続けているストレッチとトレーニング
朝は、
- 腰回りや太もものストレッチ
- 体幹を鍛えるトレーニング
- 上半身・下半身の筋トレ(腕立て伏せ、スクワット、腹筋・背筋)
特に体幹トレーニングは重要で、バランス感覚や安定性を向上させるのに役立ちます。
滑りがハードな日は、後足の太ももや腰(右側)が特に張るため、その部分を重点的にストレッチします。滑った後は入浴後や寝る前に軽いストレッチやセルフマッサージを取り入れることで、疲労を翌日に残さないよう心がけています。
最近は調子が良いですが、年齢とともに急に腰が張ることもあるので、日々のストレッチを欠かさず行っています。
継続が鍵!ストレッチの効果を科学的に解説
ストレッチの重要性は実感していましたが、最近、興味深い動画を見つけたので紹介します。
この動画では、長期的な柔軟性向上の方法について説明されており、
「筋肉の柔軟性は、筋節の増加によって持続的に向上する。そのためには、毎日10分程度のストレッチを約2ヶ月間続けることが推奨される。」
と解説されています。
さらに、ストレッチを繰り返すことで、脳が痛みに対する耐性を高め、より深いストレッチが可能になるとのこと。
なるほど、やはり継続が大切ですね。
毎日10分のストレッチを2ヶ月続けることで、パフォーマンスが向上し、ケガの予防にもつながるなら、試してみる価値は十分にあります。
これまであまりストレッチをしてこなかった方は、ぜひ参考にしてみてください。
ストレッチの効果と持続性:本当にケガ予防になるのか?
この動画では、ストレッチの種類やその効果についても触れられています。
ストレッチには、
- 動的ストレッチ(筋肉を動かしながら行う)
- 静的ストレッチ(一定の姿勢を保持しながら筋肉を伸ばす)
の2種類があります。
例えば、静的ストレッチでは30秒ごとに筋肉を通常の可動域を超えて伸ばしていきます。しかし、この効果は短時間しか持続せず、運動をしなければ10秒ほどで元に戻るとされています。
では、長期的に柔軟性を向上させるにはどうすればよいのか?
「毎日10分のストレッチを約2ヶ月間続けることで、筋肉の柔軟性が持続的に向上する。」
さらに、ストレッチを繰り返すことで、脳が痛みに対する耐性を高め、より深く伸ばせるようになるそうです。
ただし、過度なストレッチは関節の不安定さを引き起こす可能性があるため、適度な範囲で行うことが重要です。また、スポーツによってはストレッチが必ずしもケガ予防に直結しないケースもあります。
まとめ:体のメンテナンスを大切に!
スノーボーダーにとって、用具のメンテナンスと同じくらい、いや、それ以上に大切なのが「体のメンテナンス」です。
シーズンを通して快適に滑るためにも、毎日のストレッチを習慣にしてみてはいかがでしょうか?
以下、動画とその要約を紹介します。
ストレッチの効果と持続性:アスリートにとっての本当のメリットとは?
試合前、アスリートはストレッチを行い、ケガを予防しようとする。しかし、ストレッチは本当にケガを防ぐのか? その効果はどのくらい持続するのか?
ストレッチには「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2種類がある。動的ストレッチは筋肉を動かしながら行い、静的ストレッチは一定の姿勢を保持することで筋肉を伸ばす。例えば、膝腱の静的ストレッチでは、30秒ごとに筋肉を通常の範囲を超えて伸ばしていく。
筋肉はゴムのように単純に伸び縮みするのではなく、弾力性と粘弾性を持ち、ストレッチを続けることで一時的に柔軟性が向上する。しかし、この効果は運動をしなければ10秒後には失われてしまう。試合中の動きが筋肉を温め、柔軟性を維持するが、運動を止めると元に戻るのだ。
では、柔軟性を長期的に向上させるにはどうすればよいのか? 筋肉の柔軟性は、筋節の増加によって持続的に向上する。そのためには、毎日10分程度のストレッチを約2ヶ月間続けることが推奨されている。さらに、ストレッチを繰り返すことで脳が痛みに対する耐性を高め、より深いストレッチが可能になる。
ただし、過度なストレッチは関節の不安定さを引き起こす可能性がある。また、すべてのスポーツにストレッチが有効とは限らない。例えば、長距離走のように関節の可動範囲が狭い競技では、ストレッチがケガ予防に大きく貢献するわけではない。
結局のところ、ストレッチは万能ではなく、それぞれのライフスタイルや競技に適した方法を選ぶことが重要だ。
飯田房貴(いいだ・ふさき) プロフィール
@fusakidmk
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴40シーズン。その大半を雑誌、ビデオ、ウェブなど、スノーボードメディアでのハウツー記事の発信に費やしている。
1990年代を代表するスノーボード専門誌『SNOWing』では、「ハウツー天使」というハウツーコラムを執筆。季刊誌という環境下で100回以上の連載を達成し、金字塔を打ち立てる。『SnowBoarder』誌でも初期からハウツーコーナーを担当し、その中でも読者へのアドバイスコーナー「ドクタービーバー」は大人気となった。
また、自身でディレクションし出演したハウツービデオやハウツー本も大ヒットし、1990年代のスノーボードブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボードクラブ「DMK Snowboard Club」の責任者として活動し、レッスンを行っている。普段はカナダ・ウィスラーでインストラクターとして、多くの人にスノーボードの魅力を伝え続けている。2016-17シーズンには、ウィスラーのインストラクターMVPを受賞。
著書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書』、『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。