スノーボード オリンピック・ヒストリー

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1998年長野で始まったスノーボード・オリンピック。
新参スポーツと言われ、世間から誤解されるような面もありながら、気づけば今回の平昌で6回目の五輪を迎える。
今やスノーボードは5種目となり、ウィンター・スポーツの代表格に。
改めて、これまで開催されたスノーボード五輪を振り返って、ピョンチャンにスタンバイしよう!

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Story: Fusaki IIDA  [email protected]

1998年長野で始まったスノーボードのオリンピック種目化。
当初は、公開競技で始まるという話だったが、世界中でスノーボード加速的に人気が広がったため、長野オリンピックで急遽、公式種目として始まった。

このスノーボード種目オリンピック化に伴い、IOC国際オリンピック委員会は、当時スノーボードの世界大会を管轄していたISF (国際スノーボード連盟)でなく、これまで五輪種目を管轄していたFIS(国際スキー連盟)に託したために、大混乱となる。この動きに反発するためボイコット選手も現れたのだ。その中には、当時、最高のスノーボード界スーパースターであり、ハーフパイプの絶対金メダル候補とも言われたテリエ・ハーコンセンの名もあった。

スピードを競うジャイアン・スラロームでは、カナダ代表のロス・レバグリアティが金メダル獲得。これが、記念すべきスノーボード五輪の初の金メダルとなった。
しかし、競技終了後にロスの循環器からマリファナが検出され、メダル剥奪騒動に。しかし、当時のオリンピックの規定では、大麻を吸ったことによりメダルを剥奪する規定がなかったため、結局のところ金メダルはロスに収まることになった。

一方絶対本命と言われたテリエ・ハーコンセンがボイコットしたハーフパイプでは、当時は無名選手であったスイスのジャン・シーメンが優勝。この結果にジャッジに関する疑問点が浮かぶ声も上がる。こうしたジャッジング疑惑は、これまでのオリンピックでも何度が出ているが、思えば長野のハーフパイプから始まっていた。

冬季五輪は、夏季五輪に比べて種目が少なく、そんな中、世界中の若者に人気が高いスノーボードは、IOCにとって格好のターゲット。強引な手法とも言えるやり方で、種目を増やしていく。最初2種目で始まったスノーボード五輪種目は、ソチ五輪で4種目、そして来年の平昌では、5種目になる。

ポジティブに考えれば、スノーボードの認知度を高めることになり、若い世代にスノーボードの魅力をさらに伝えることになった。実際、オリンピックでスノーボードの魅力に憧れた若者が世界中に増え、スノーボード界の普及につながっている。また五輪で活躍したプロ・スノーボーダーたちは、高収入を得れるようにもなった。
一方で、元々あったスノーボード団体との戦い、さらにFISとスノーボーダーとの軋轢。「FUCK FIS」騒動は、現在でも頻繁に起こっている。スノーボード五輪が始まって20年近くにもなるというのに、未だにスキー協会からのオリンピック選手管轄に疑問の声が絶えない。スノーボーダーの多くはスノーボーダーによる五輪種目の運営を望んでいるのだろう。

また、五輪の影響の強さから、スノーボードが間違った捉え方で人々に伝わっている感もある。スノーボードは、本来自由に雪山を滑るもの。またジャッジングでは判断がし辛いスタイルを重視されて来たもの。それが、フィギュアスケートや体操のように、縦や横に何回も回れた、イコール凄い!という話になって来ているのは、ちょっと残念という声もある。

ただ、五輪をきっかけにスノーボードを知り、そこから様々なスノーボードの魅力が伝わっている面もあり、五輪の功績は大きいと言える。

今、来年に迫るオリンピック・シーズンを迎えているところ、改めてオリンピックでのスノーボードを振り返りたいと思う。
過去のデータを見ながら、これから僕たちスノーボーダーが歩むべき道をこの歴史と共に考えていこう。

※この記事は、ウキペディアを参考にさらに修正と加筆し、よりスノーボードオリンピックの歴史を楽しんでいただけるように完成させました。

 

実施種目

1998年 長野オリンピック:ハーフパイプ、大回転 (2種目)
2002年 ソルトレイクシティオリンピック:ハーフパイプ、パラレル大回転 (2種目)
2006年 トリノオリンピック:ハーフパイプ、パラレル大回転、スノーボードクロス (3種目)
2010年 バンクーバーオリンピック:ハーフパイプ、パラレル大回転、スノーボードクロス (3種目)
2014年 ソチオリンピック:ハーフパイプ、パラレル大回転、スノーボードクロス、スロープスタイル (4種目)

2018年 平昌オリンピックでは、新たにビッグエアーが加わりスノーボードは5種目時代を迎える。
スノーボードは、すべての競技で男女があるので、合計で10個の金メダルを争う戦いとなる。

 

1998 長野

男子大回転
金  ロス・レバグリアティ Ross Rebagliati  (カナダ)
銀 トーマス・プルッガー  Thomas Prugger (イタリア)
銅  ウエリ・ケステンホルツ Ueli Kestenholz(スイス)

女子大回転
金 カリン・ルービー Karine Ruby(フランス)
銀 ハイディ・レノト  Heidi Maria Renoth (ドイツ)
銅 ブリギッテ・ケック Brigitte Köck (オーストリア)

男子ハーフパイプ
金 ジャン・シーメン  Gian Simmen (スイス)
銀 ダニエル・フランク  Daniel Franck (ノルウェー)
銅 ロス・パワーズ Ross Powers (アメリカ)

女子ハーフパイプ
金 ニコラ・トースト Nicola Thost (ドイツ)
銀 スティーネ・ブルン・ケルダース Stine Brun Kjeldaas (ノルウェー)
銅 シャノン・ダン Shannon Dunn (アメリカ)

カナダのロス・レバグリアティが悪天候の中、見事なランで初のスノーボード・オリンピック金メダリストに輝くも、まさかの大麻疑惑で危うくメダルを失うことに。

男子ハーフパイプではスイスのジャン・シーメンがノーマークで金メダル。また当時無名であったアメリカのロス・パワーズが銅。
銀メダルのダニエル・フランクは、当時テリエ・ハーコンセンに迫る実力者。だが、ダニエルはこの五輪出場をきっかけにアンチ五輪のテリエと袂を分かったと言われた。同じノルウェー出身ながら、仲は良くないとは言われていたけど。
五輪の後、ダニエルのスノーボード界の活躍を聞かなくなり、逆にテリエの方は、ボイコットしたことでインパクトを与え、今なおスノーボード界に君臨し続けている。

入賞にも入れなかったトッド・リチャーズ(アメリカ)は、16位という不甲斐ない成績に終わり、「テリエはオリンピックに出なくて正解。」という言葉を残した。
この時点でのオリンピック・ハーフパイプ種目は、真の世界で一番を決めるという戦いには、ふさわしくなかった。それは、出場している選手も(注:世界一と言われていたテリエが出ないことで、本当にすべての実力者が集まらなかったという意味で)。ジャッジングのレベルという意味でも。

しかし、一方で女子のハーフパイプは、このオリンピックをきっかけに飛躍的にレベルアップしたとも言われている。確かに当時の女子のパイプ大会と言うと、リップからちょっと飛び出すぐらいの迫力に欠ける大会だったが、長野オリンピックで活躍した女子選手のパフォーマンスは一段と進化した姿を見せた。

また、この長野オリンピック前のイタリアでのワールドカップで日本人で初優勝した吉川由里は、シンデレラガールともてはやされ、ワイドショーなどに引っ張りだこ。当時のスノーボードを取り巻く環境は、突然の五輪フィーバーで翻弄された感もあった。オリンピックに出場する選手は、これまで取り上げられなかったテレビ放送、また新聞にも出ることになり、改めてオリンピック・パワーというものを見せられたのだ。

ちなみにこの時に来日したバートン創始者ジェイク・バートンは、「ドリームチーム(注:アメリカのホッケーチーム)を見るために長野に来た。」という迷言(?)を残している。

 

2002 ソルトレイクシティ

男子ハーフパイプ
金 ロス・パワーズ  Ross Powers (アメリカ)
銀 ダニー・キャス  Daniel Kass (アメリカ)
銅 ジャレット・トーマス   Jarret Thomas(アメリカ)

女子ハーフパイプ
金 ケリー・クラーク  Kelly Clark(アメリカ)
銀 ドリアン・ビダル  Doriane Vidal (フランス)
銅 ファビアンヌ・ロイテラー Fabienne Reuteler スイス)

男子大回転
金  フィリップ・ショッホ  Philipp Schoch (スイス)
銀 リカード・リカードソン Thomas Prugger (スウェーデン)
銅  クリストファー・クルーグ Chris Klug(アメリカ)

女子大回転
金 イザベル・ブラン Isabelle Blanc (フランス)
銀 カレン・ルービー  Karine Ruby (フランス)
銅 リディア・トレッテル  Lidia Trettel  (イタリア)

前回の長野ではまだ無名だったロス・パワーズが2大会続けてのメダル獲得。アメリカの圧勝劇の立役者になり、スノーボード界での認知度も爆発!
当時ロスが決めたルーティーンは、メソッドグラブ、マック・ツイスト、キャブ720、そしてフロントサイド・インディ、スイッチ・フロントサイド・エア。
今では考えられないような回転数が少ないルーティーンだが、ロスが最初に決めたメソッドは、5メートル40センチを超え、当時としては相当のインパクトを与えた。

日本で最も大きな話題となったのは、男子ハーフパイプ、中井孝治の5位。点数が思ったほど伸びず、全日本スキー連盟の佐々木峻スノーボード部長は競技終了後、審判長に非公式ながら抗議。また阿部幹博コーチも涙を流しながら、ジャッジの不当性を訴えた。幻のメダリストと言われて、当時のメディア、スポーツ新聞などで騒がれた。

また当時のハーフパイプ競技はヘルメットをかぶる必要がなく、フィンランド出身のヘイキ・ソーサが、世界がビックリするようなモヒカン姿でオリンピックに登場!母国では、「オリンピックにまさかこの姿で!」という批判的な意見も多かったようだが、彼のパンク魂に世界のスノーボーダーたちが熱い声援を送った。また、12年後のソチ五輪、スロープスタイルでオリンピックに出場し初の男子スロープスタイル金メダリストに輝いたセージ・コッツェンバーグ(アメリカ)は、少年時代にこのヘイキの姿を見て、「オリンピックだからこそ誰もやっていなかったレールでのレイバックをやってみよう!」と思ったという。

ヘイキは、パイプの予選で1位通過したことで、さらに人気が高まったが、決勝では良いランを残せず7位止まりだった。
中井に対しては、「彼はもっと上の順位だと思った。」というコメントを残しており、中井孝治幻のメダル・ストーリーに拍車を掛けた。

アルペンでは、フランスのカレン・ルービーが2大会続けてメダル獲得。当時、アルペン界の女王と呼ばれた。

 

2006 トリノ

男子ハーフパイプ
金 ショーン・ホワイト Shaun White(アメリカ)
銀 ダニー・キャス  Daniel Kass(アメリカ)
銅 マルク・コスキ Markku Koski(フィンランド)

女子ハーフパイプ
金 ハンナ・ティター Hannah Teter(アメリカ)
銀 グレッチェン・ビューラー  Gretchen Bleiler(アメリカ)
銅 シェルスティ・バース  Kjersti Buaas(ノルウェー)

男子スノーボードクロス
金 セス・ウェスコット Seth Wescott(アメリカ)
銀 ラドスラフ・ジデク  Radoslav Židek (スロバキア)
銅 ポールアンリ・ドルリュー  Paul-Henri de Le Rue(フランス)

女子スノーボードクロス
金 ターニャ・フリーデン  Tanja Frieden(スイス)
銀 リンゼイ・ジャコベリス  Lindsey Jacobellis(アメリカ)
銅 ドミニク・マルタ  Dominique Maltais(カナダ)

男子パラレル大回転
金 フィリップ・ショッホ  Philipp Schoch(スイス)
銀 シモン・ショッホ  Simon Schoch(スイス)
銅 シギー・グラブナー   Siegfried Grabner(オーストリア)

女子パラレル大回転
金 ダニエラ・ムリ Daniela Meuli (スイス)
銀 アメリエ・コバー Amelie Kober (ドイツ)
銅 ロージー・フレッチャー Rosey Fletcher (アメリカ)

若干19歳ながら、当時すでにスノーボード界のスーパースターへ成長していたショーン・ホワイトが見事にハーフパイプで金メダル獲得。
予選は7位では手を付くミスでハラハラドキドキなスタートとなったが、その後は危なげなく、当時、最高峰のトリックだった1080を駆使して他を圧倒!
この結果、アメリカではスノーボードという枠を飛び出し、一気にアメリカンヒーローとして人気が高まった。当時付いたニックネームは長い赤髪が特徴だったことから、赤毛のアニマル、またフライング・トマトとも呼ばれた。
ちなみに、この決勝ランの中で唯一バンダナをフェイスマスクをしていたのは、ショーン一人。その姿も印象的なこともあり、人気に拍車を掛ける格好となった。

日本勢では、中井大輔、國母和弘、成田童夢、女子では山岡聡子、今井メロなど、当時メダル候補と呼ばれた選手が揃って参加したが、終わってみれば中島志保の9位が最高位。
特にオリンピック前に勇ましいパフォーマンスで認知度が高まっていた成田童夢、今井メロの兄妹には、ガッカリ感が漂った。まさにオリンピック狂騒曲に躍らされた印象を与えた。

このトリノから、新種目スノーボードクロスが採用。4人の選手が同時に滑る展開はスリリングで、普段スノーボードをしない一般視聴者からも「おもしろい!」の評価を受けた。特にその象徴が、女子で銀メダルとなったリンゼイ・ジャコベリス(アメリカ)。彼女は決勝でトップぶっちぎりの展開だったが、最後のジャンプでまさかのメソッドエアーという余裕をかまし、それが祟ったのか着地時に失敗して転倒。金メダルを捨てる結果に終わり、世界が驚愕した。

また女子スノーボードクロスでは、当時、あまり注目されていなかった藤森由香が、準々決勝まで進み7位に入る快挙!ルックスも可愛い藤森は、一気にブレイク!暗い結果に終わった日本スノーボード陣営の中で光明が差した。

 

2010 バンクーバー

男子ハーフパイプ
金 ショーン・ホワイト Shaun White(アメリカ)
銀 ピート・ピロイネン Peetu Piiroinen(フィンランド)
銅 スコット・ラーゴ Scott Lago(アメリカ)

女子ハーフパイプ
金 トーラ・ブライト Torah Bright(オーストラリア)
銀 ハンナ・ティター  Hannah Teter(アメリカ)
銅 ケリー・クラーク Kelly Clark(アメリカ)

男子スノーボードクロス
金 セス・ウェスコッ  Seth Wescott(アメリカ)
銀 マイク・ロバートソン  Mike Robertson (カナダ)
銅 トニー・ラモアン Tony Ramoin(フランス)

女子スノーボードクロス
金 マオリ・リッカー  Tanja Frieden(カナダ)
銀 デボラ・アントニオズ  Déborah Anthonioz(フランス)
銅 オリビア・ノブス  Olivia Nobs(スイス)

 

男子パラレル大回転
金 ジェシー・ジェイ・アンダーソン Jasey-Jay Anderson(カナダ)
銀  ベンジャミン・カール Benjamin Karl(オーストリア)
銅  マシュー・ボゼット Mathieu Bozzetto(フランス)

女子パラレル大回転
金 ニコリーン・ザウエルブライ Nicolien Sauerbreij (オランダ)
銀 エカテリーナ・イリュヒナ Ekaterina Ilyukhina(ロシア)
銅  マリオン・クライナー Marion Kreiner(オーストリア)

ハーフパイプでショーン・ホワイトが2大会連続金メダル獲得。最後のトリックは当時最高峰難易度と言われたダブルマックツイストで有終の美を飾った!
日本勢では、当時フラットスピンで最高峰のエアー技を見せていた青野令がメダルの期待が高まっていたが、残念ながら9位に終わる。

また、なんと言っても大きな話題となったのは、トリノに続く出場となった國母和弘の服装騒動。ネクタイをしっかり締めなくラフな印象を与えた格好は「服装の乱れ」と報道された。謝罪会見で「反省してます。」とコメントしたが、その態度が反省していないと、強いバッシング報道を受けた。一時は出場も危ぶまれたが、日本代表選手団の橋本聖子団長の判断で開会式欠席のみとなった。
海外では、國母を擁護するメディアも多く、「普通の若者の格好に過ぎなく、こんなことで日本は問題になるのか!」という声もあった。
今年に入って國母は当時のことを振り返り「葬式のときに葬式の格好をしていくように、スノーボードのときにスノーボードの格好をしていっただけ」とコメントしている。

五輪本番では、予選二組目を2位で突破しメダルの期待を抱かせた。しかし、決勝1本目は最後の技で転倒し流血。2本目も、最後のダブルコーク1080の着地が乱れ最終順位は8位入賞。無難なルーティーンにまとめず攻めた姿勢は、現在のスノーボード界で大活躍する予兆でもあったが、転倒さえなければ表彰台に立てた可能が高く残念な結果となった。

このバンクーバー五輪では、もう一つ大きな騒動があった。それはハーフパイプで銅メダルを獲得したスコット・ラーゴが、メダル受賞後のパーティで、ある女性に卑猥な姿でメダルを噛ませたとこと。これによりスコットは、即帰国させられクロージングセレモニーに出ることができなかった。

藤森由香は2度目の五輪に挑戦!前大会では入賞は運にも恵まれた感はあったが、この大会では実力も付きワールドカップ・アルゼンチン大会で5位、また五輪直前のバンクーバー大会でも9位に入ったことで、かなり期待が高まっていた中での参戦となった。しかし、大会公式練習の際に突風に煽られて転倒し、頭部の打撲傷を負う事態に。藤森本人は試合当日まで出場を希望していたが、医師から「現状で再度、頭部を打撲するようなことがあれば脳に障害が残る可能性がある」と言い渡されたため、無念の競技を棄権した。
藤森の情熱は、さらに4年先まで持ち越されることになった。

 

2014 ソチ

男子スロープスタイル
金 セージ・コッツェンバーグ Sage Kotsenburg(アメリカ)
銀 ステール・サンドベック Ståle Sandbech(ノルウェー)
銅 マーク・マクモリス Mark McMorris(カナダ)

女子スロープスタイル
金 ジェイミー・アンダーソン Jamie Anderson(アメリカ)
銀 エニ・ルカヤルビ  Enni Rukajärvi(フィンランド)
銅 ジェニー・ジョーンズ   Jenny Jones(イギリス)

男子ハーフパイプ
金 ユーリ・ポドラドチコフ Iouri Podladtchikov(スイス)
銀 平野 歩夢 Ayumu Hirano(日本)
銅 平岡 卓 Taku Hiraoka(日本)

女子ハーフパイプ
金 ケイトリン・ファリントン Kaitlyn Farrington(アメリカ)
銀 トーラ・ブライト  Torah Bright(オーストラリア)
銅 ケリー・クラーク Kelly Clark(アメリカ)

男子スノーボードクロス
金 ピエール・ボルティエ  Pierre Vaultier(フランス)
銀 ニコライ・オリューニン  Nikolay Olyunin (ロシア)
銅 アレックス・ディーボールド Alex Deibold(アメリカ)

女子スノーボードクロス
金 エバ・サムコワ Eva Samková(チェコ)
銀 ドミニク・マルタ  Dominique Maltais(カナダ)
銅 クロエ・トレスプシュ  Chloé Trespeuch(フランス)

男子パラレル大回転
金  ヴィック・ワイルド  Vic Wild(ロシア)
銀  ネビン・ガルマリーニ  Nevin Galmarini(スイス)
銅  ジャン・コシール Žan Košir(スロベニア)

女子パラレル大回転
金 パトリツィア・クンマー Patrizia Kummer(スイス)
銀 竹内 智香 Tomoka Takeuchi(日本)
銅  アリョーナ・ザワルジナ Alena Zavarzina(ロシア)

男子パラレル回転
金  ヴィック・ワイルド Jasey-Jay Anderson(ロシア)
銀  ジャン・コシール Žan Košir(スロベニア)
銅  ベンヤミン・カール Benjamin Karl(オーストリア)

女子パラレル回転
金 ジュリア・デュモヴィッツ Julia Dujmovits (オーストリア)
銀 アンケ・カルステンス Anke Karstens(ドイツ)
銅  アメリー・コバー Amelie Kober(ドイツ)

オリンピックには魔物が潜む。
スロープスタイルでメダル候補だったトースタイン・ホグモが練習ランの転倒により鎖骨骨折を骨折し出場を辞退することに。
また、このオリンピックからスロープスタイルが加わったことで、ショーン・ホワイトもエントリーしていたが、コースの危険性を察知し、出場せずハーフパイプに専念。しかし、絶対王者と言われたショーンが、まさかのメダルを逃し4位という苦渋を味わった。そして優勝したのは、ヨーロ・フリップ(キャブ・ダブルコーク1440)を決めたスイスのユーリ・ポドラドチコフ。しかし、他の上位選手に比べてヒット数(ジャンプ数)が少ない中での高得点に疑問符を投げる関係者の声もあった。
そんな中、遂に日本の夢が叶う。銀メダルに平野歩夢、銅メダルに平岡卓が入ったのだ。この日本勢の躍進の背景には、当日のパイプ・コンディションが通常アメリカで行われているビッグ大会のように固くしっかりとしたものでなく、雪不足による柔らかいコンディションが左右したとも言われている。常に良いコンディションで練習して来たアメリカ勢に対して、日本の湿雪に慣れていたことが好結果をもたらしたとも言われた。

ソチ五輪で最初の日本勢への景気付けとなったのは、スロープスタイルに出場した角野友基の入賞だろう。おじぎパフォーマンスからの好結果8位に入り勢いを付けた。番組の視聴率もひじょうに高く、スロープスタイル決勝はなんと19・8%! 瞬間最高視聴率も25・0%というインパクト。いかに多くの一般視聴者がスノーボードという競技に注目したのかわかる。

また、日本メダルはハーフパイプだけには留まらず、アルペン女子の竹内智香がパラレル大回転で銀メダルを獲得した。アルペン種目では1956年のコルティナダンペッツォ五輪のスキー回転で銀メダルを獲得した猪谷千春以来、58年ぶりの快挙となった!

そしてさらに実力を付けて今度こそメダルの期待も高まったスノーボードクロスの藤森由香は、初戦で転倒しまさかの敗退という悔しい結果に。3大会連続で常にトップ選手として活躍し、五輪に出場を続けることは大いなるリスペクト。だが、なんと彼女はこの後にスロープスタイルで4度の五輪へ挑戦することを表明!そして、遂に平昌への内定選手を勝ち取る。

現在メダルの期待を受ける鬼塚雅は4年前、出場していれば注目の存在であった。というのも、当時、世界の主要ビッグ大会で好成績を収めていたからだ。しかし、オリンピック出場に必要なFISのワールドカップには年齢の壁、つまり15歳にならないと出場できないことがあり、ソチには行けなかった。実力的には申し分ない状況であっただけに、オリンピックに出れなかったことは悔しかったに違いない。この悔しさをバネに遂に平昌のステージに立つことになったので、そこも大きな注目ポイント!
2018 平昌が今から楽しみでならない。

 

メダル獲得数の国別一覧

国・地域
1 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 (USA) 10 5 9 24
2 スイス スイス (SUI) 7 2 3 12
3 フランス フランス (FRA) 3 3 4 10
4 カナダ カナダ (CAN) 3 2 2 7
5 ロシア ロシア (RUS) 2 2 1 5
6 ドイツ ドイツ (GER) 1 3 1 5
7 オーストリア オーストリア (AUT) 1 1 4 6
8 オーストラリア オーストラリア (AUS) 1 1 0 2
9 チェコ チェコ (CZE) 1 0 0 1
オランダ オランダ (NED) 1 0 0 1
11 ノルウェー ノルウェー (NOR) 0 3 1 4
12 フィンランド フィンランド (FIN) 0 2 1 3
日本 日本 (JPN) 0 2 1 3
14 イタリア イタリア (ITA) 0 1 1 2
スロベニア スロベニア (SLO) 0 1 1 2
16 スロバキア スロバキア (SVK) 0 1 0 1
スウェーデン スウェーデン (SWE) 0 1 0 1
18 イギリス イギリス (GBR) 0 0 1 1
合計 30 30 30 90

 

 

 

 

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