スキー・スノーボードの体験の有無による訪日客1人当たり旅行支出の差と、体験した訪日客数より算出したスキー・スノーボードの経済効果は約650億円。
観光産業ニュースのトラベルボイスの記事によると、「訪日客のスキー・スノボによる消費額押し上げ効果は約640億円、観光庁が試算、1人あたり旅行支出は33万円に」とのこと。昨シーズンは、海外から多くのスキー・スノボ客が訪れていたことが明らかになった。
以下、記事リンク。
https://www.travelvoice.jp/20240723-155838
実際に観光庁が令和元年6月に発行した「令和元年版観光白書」には、スキー・スノーボードの体験の有無による訪日客1人当たり旅行支出の差と、体験した訪日客数より算出したスキー・スノーボードの経済効果が約650億円とされている。
1人当たりのスキー・スノーボード実施有無での支出は、実施した場合が22.5万円、実施しなかった場合が15.2万円となっており、スキー・スノボ訪日客は他の訪日客に比べて7万円以上も多く消費することが発表されている。
この観光白書では、どこの国の人たちがスキー場に訪れているかまでは発表されていないが、日本に来た国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額と構成比、そして地方ブロック別外国人延べ宿泊者の国・地域別構成比(2018年)を紹介している。その中で北海道運輸局のデータによると、中国、台湾、韓国からの訪日客が多いことが示されている。
おそらく各スキー場のデータを鑑みると、オーストラリア、香港、中国、そして台湾からの訪日客も多いと考えられる。国はインバウンド誘客で国際競争力の高いスノーリゾートの形成に力を入れており、特にオーストラリア、香港、中国での誘致活動が重要で、今後は北米を巻き込んだプロモーション活動も必要になるかもしれない。
私の仕事柄、冬場にはカナダのウィスラーで多くのスノーボーダーのレッスンをしているが、海外から来る人たちは皆、日本の良さを伝えてくれる。「雪質がいい、食べ物がおいしい、人々が親切、温泉が最高」といった声がよく聞かれる。一方で、ニセコに1か月以上滞在したカナダ人のスノボ上級者は、「雪質はいいけれど、ウィスラーのような超上級者コースが少なかったのが残念」とも言っている。
これらのフィードバックを活かし、訪日スキー・スノボ客が日本での滞在をさらに楽しめるような環境整備とプロモーション活動を進めていくことが、今後の課題となるだろう。