ショーン・ホワイトが過去にヘルメットを捨てるようスポンサーが要求したことを明かす

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これは、衝撃的なコメントだ。
ショーン・ホワイトが、Steve-O’s Wild Ride!(※特にアメリカで有名なPodcast番組)で、かつてヘルメットをかぶろうとすると、スポンサーが捨てるように要求されたことを明かした。

今ではハーフパイプの選手が、ヘルメットをかぶることは大会規定で決められているが、かつてはそうではなかった。
むしろヘルメットをかぶことはカッコ悪いことで、特にプロ・ライダーたちはかぶりたくてもかぶれない実情があったようだ。

記者は38年もの間、スノーボードシーンを見て来ているし、SANDBOXヘルメットを初期の段階から販売する仕事に携わって来ているので、この業界におけるヘルメットの需要、流れというものを見て来た。

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たしかにかつてはほぼ誰もヘルメットをかぶっていなかった。
2000年あたりに、フォーラムライダーとして活躍していたクリス・ダフィシーが怪我からカムバックしたのだが、その時にヘルメットをかぶったのが最初だろう。スノーボーダーのヘルメットをかぶることは、あの時、1つの扉を開いたように思う。

ヘルメットの需要が高まりつつあったのは、2000年の中頃から後半だったと記憶している。
その頃、パークのキッカーサイズがどんどん大きくなり、深刻な怪我人が増えたのだ。そこで、ブラッコムはXLサイズパークに限りヘルメットの義務付けをしたのだ。
若いライダーたちは、「ダサいヘルメットなんてかぶりたくない」と思っていたので、その頃、ビデオクルーを従えていた総帥ケビン・サンサローンが、「それならオレがカッコいいヘルメットを作ってやる!」という気持ちで始めたのが、SANDBOXだ。

あのあたりから徐々にヘルメットをかぶるライダーが増えて行ったが、当時、自分の記憶ではヘルメットをかぶるかどうかは、あくまでもライダーが決めることだと思っていた。おそらく大多数のライダーはそうであっただろう。
しかし、ショーンのように一部のライダーたちは、かぶりたくてもかぶれなかったということを聞いて、驚いた。

ショーンは、ヘルメットをかぶらないことは、怖いことだったので、かぶりたいとスポンサーに伝えたと言う。彼にとってヘルメットをかぶらないことは、まるでカーアクシデント(交通事故)に遭いヘルメットをかぶらないような状態であるという思いだったのだ。その時、確かにスノーボードのハーフパイプのトリックは発展し、どんどん危険な領域に入って行った。
しかし、スポンサーから拒否されたと言うのだ。「ヘルメットをかぶるなんて冗談だろ。すぐに捨てちまえ」と言われたという。もしヘルメットをかぶっていたら、メディアに取り上げられずに雑誌にもビデオにも出られなかったと言う。

当時、大多数のライダーたちがヘルメットをかぶるかぶらないを決めるのは自由だったと思うが、本人が安全のために、あるいはさらに良いトリックを決めたいために「ヘルメットをかぶりたい」と言うのに、スポンサーが「ヘルメットを捨てろ」と要求したというのは、スノーボード界の黒歴史のような印象を与える。

最後に大事なことをもう1つ付け加えておきたい。ヘルメットは別にうまいプロスノーボーダーだけがかぶるものではない。むしろ明日スノーボードを始める初心者でもかぶるべきものだ。なぜなら、意外なことにほぼ平らなような場所で、エッジを引っかけた転倒事故が多数あり、そこで毎シーズン頭部の深刻な怪我が発生しているからだ。ぜひヘルメットをかぶることをオススメしたい。日本人のヘルメットをかぶらない率は、欧米に比べてまだまだ異常なほど低いということも伝えておきたい。


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