
オーストリア・インスブルックの中心地で開催された「Snowfest Innsbruck」が、今年もロックなエネルギーに満ちた3日間を届けてくれた。11月21〜23日に行われた大会は、ちょうど良いタイミングで舞い降りた新雪が街を白く染め、ストリートレール会場に特別な空気感を生み出していた。
中でも金曜日に開催された「Rock A Rail Innsbruck Snowboard」は、シーズン序盤とは思えないほどのハイレベルな戦いとなり、観客を熱狂させた。
目次
■ 大雪が生んだ“エレクトリックな空気感”
例年、Snowfest Innsbruck の初日はスノーボードカテゴリーが会場の火付け役となるが、今年は特に印象的であった。
会場を包み込んだ濃い雪は視界を奪うほどだったが、そのぶんライダーの集中力が際立ち、会場のムードはより一層エッジの効いたものになった。
ストリートレールという繊細さを要求する舞台において、大雪はリスクであると同時に “雰囲気を高める演出” ともなり、観客は寒さを忘れて声援を送り続けていた。

■ 女子:14歳・Marie Kuhlmann が再び優勝。才能が爆発したシーズン序盤
女子カテゴリーは、14歳の Marie Kuhlmann(GER) が今季2度目となる Rock A Rail 勝利を挙げ、衝撃的な快進撃を見せている。
Hintertux でも存在感を示したが、今回のインスブルックでも落ち着いたライディングと鋭い判断力で他を圧倒した。
2位には Mia Langridge(GBR)、3位には Thun に続き Anne-Sophie Lechon(BEL) が入り、Lechon は Frontboard on the Down Flat Down Rail で Best Trick を獲得した。
若手が台頭するなかで、全体的に女子カテゴリーのレベルがシーズン序盤から急激に上がっていることを感じさせる戦いであった。
■ 男子:Moritz Amsuess がタイトル防衛。若手 Colin の勢いも健在
男子カテゴリーの主役となったのは、地元オーストリアの Moritz Amsuess(AUT) である。
昨年に続いてタイトル防衛を果たし、プレッシャーの中で実力を証明した。
彼の Gap to Rail Frontboard はこの日のベストトリックに選ばれ、観客の歓声を一瞬でさらっていった。
2位は Jed Sky(USA)。セットアップ全体を使うクリエイティブなライン取りが印象的であった。
3位には、16歳の新星 Colin Frans(USA) が入った。彼は Backside 360 to Frontside 180 Out や Switch Frontboard Pretzel Out といった高難度の技を次々に決め、Hintertux と Thun に続く3戦連続の表彰台を獲得。
このままいけば、ツアー全体の台風の目になりそうだ。

■ Snowfest Village:街全体がスノー文化に包まれる3日間
大会会場隣には「Snowfest Village」が設けられ、スノーボードやスキー、リュージュなどを誰でも楽しめる体験ブースが用意されていた。
大会を観に来た家族連れや観光客が「自分もやってみる」ことができる点は、インスブルックのイベント文化らしいアプローチである。
週末を通して、街中心部が“ウィンターカルチャーのテーマパーク”のような雰囲気に包まれていた。
スノーボードの“いま”を感じたい人は、ぜひハイライト動画をチェックしてほしい。
🏆 Snowboard Women – Top 3
Marie Kuhlmann (GER)
Mia Langridge (GBR)
Anne-Sophie Lechon (BEL) – Best Trick: Frontboard on Down Flat Down Rail
🏆 Snowboard Men – Top 3
Moritz Amsuess (AUT) – Best Trick: Gap to Rail Frontboard
Jed Sky (USA)
Colin Frans (USA) – 3大会連続の表彰台

