今季は早いとこ勝負!?深刻的なサプライチェーン支障によりモノ不足、デリバリー遅延の懸念

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文:飯田房貴 @fusakidmk

新型コロナウイルスは、今季のスノーボード市場にも大きな影響を及ぼした!?
一般ユーザーまでには、まだ情報が行き届いていないかもしれないが、今季スノー市場では大きな問題が起きている。それは、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、サプライチェーンで支障が生じたのだ。そのらめ、デリバリーが遅延。さらに本来だったら入荷されるはずの商品が、ドロップアウトされるケースまで出ている。今季の雪の状況しだいだが、モノ不足の懸念も出て来ている。
くわしく解説していこう。

この夏、日本では東京オリンピックのお陰で、スケートボードを取り扱うショップは、大きな賑わいを見せた。そのため夏モノ用品の消費がよく、ショップは例年以上に早めに冬モノの展開へと衣替えしている。

一方で、今年の2月から3月に掛けてショップがメーカーへ発注する時期には、まだコロナが蔓延していて市場では暗いムードが漂っていた。そのためオーダーは絞られた傾向となっており、この冬への商品供給は少なめに抑えられている。

ここへ来て出て来た問題が、サプライチェーン支障だ。

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世界的なコロナの終息が高まる中で、モノの需要が高まっていることから原材料が不足してしまったのだ。さらに追い打ちをかけたのは変異種の拡大に伴い、物流のネットワーク全体に影響を及ぼしてしまったこと。輸送時間が通常の2倍以上も掛かり、送料も上がってしまったのだ。メーカー&代理店は思わぬ配送料とデリバリー遅延で苦しんでいる。
これは国内だけの問題ではなく、ヨーロッパ、北米でも同様で、記者の方にも様々な方面からの悲鳴が聞こえて来る。

ショップの方は、夏モノがよく売れたことだし、早いところスノーの展開をしたかったのだが、メーカー側の方では本来予定した時期に商品が完成していなくて、さらには配送の手配に苦しんでいて工場から出荷が遅れている状況なのだ。最悪のケースでは、本来だったら作る予定のモデルがドロップアウトしていることもある。

ユーザーの立場から見れば、シーズン終了時に早くも次シーズン用のスノーボード・ギアを予約注文していたが、その楽しみにしていた商品が入らないという事態も生じているのだ。もちろん現時点でそうしたアナウンスを聞いていなければ、あなたが注文した商品は届くので、その点は安心していい。だが、これから買おうかな、と思っていたアイテムが、実を言うとリリースできなかったという問題が生じている。

まとめよう。

1)コロナ時期の発注により、元々、国内に入って来るスノーボード・ギアは絞られていた
2)急激にモノの需要が高まっていることから原材料は不足。一部商品のドロップアウト
3)物流のネットワーク全体に影響を及ぼしデリバリー遅延

まだシーズン前なので、なんとなく市場は落ち着きを見せているが、これでシーズンに入って雪が降ってくれば、一気に市場は活気づくだろう。その時に、どれだけ商品があるのか。雪が多く降るシーズンとなれば、さらなる冬モノ不足の懸念が出て来る。
さらに、この夏、オリンピック需要でスケートボードが売れしたように、北京オリンピックの影響でスノーボード・ギアの人気が一気に高まる可能性も高い。

だから、今季気になるアイテムがあれば今からしっかりとチェックしよう。自分に必要かどうか吟味して「ほしい!」と思ったら、確保する必要があるだろう。迷っている内に、お気に入りのアイテムが売り切れてしまったということにならないように。

コラムニスト・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox、Endeavor Snowboards等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。主な執筆書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書 』『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は37年。

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