フサキ平日丸沼キャンプ

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今年で2回目となった、平日キャンプ!予想に反して大反響~。おまけに春みたいな日差しの中で、ちょっとリラックスしたキャンプとなりました。だけど内容は不思議とマニアック!?そして期待のスペシャルゲストがなんと2名も登場するぞ!!ゲレンデではなかなか会えないレアな2人と、おとぼけフサキ父さんアンドdmkのアイドルタクミくん☆さぁ、こんなメンツで一体どんなキャンプになったんだ~!?

レポーター:dmk専属ライター・モリッペ

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きれいに晴れ渡った空と白い雪の間で、スタッフの一人が小さな携帯用のスピーカーに携帯電話を繋いだ。青空の下ではほとんど聞こえないほどの音になってしまうが、流れ出した曲は先日発売したばかりのDVD『PEAK2』で聴き覚えのある曲だ。

「こんにちは。フサキ父さんです」集まった輪の中で、その曲をバックにチョッピリ照れ笑いを浮かべながら挨拶をしたのはそう、フサキさん本人。場所は群馬県にある丸沼高原スキー場だ。去年からフサキさんは、週末ばかりのキャンプに参加できない人のためにと敢えて平日にキャンプを開催している。それにしても平日、しかも月曜日だというのに集まった人数はスタッフ、飛び入り業界人など合わせて27名。この集客力にフサキ人気の高さがハッキリと現れている。

こんにちは。フサキ父さんです

『PEAK2』のBGMが…

珍しいことだが今回のキャンプには部長のアヤちゃんがない。いつも全力でdmkを支えてくれている彼女が不在でこのキャンプ、うまくまとまるのだろうかと、かすかに不安が漂うが、その不在の穴を埋めるかのようにdmkの若手ライダータクミくんがコーチとして参加してくれた。今シーズンのdmkキャンプ、何か困った時に大活躍してくれるのはいつも、頼りになるタクミくんだ。若干20歳のタクミくんだが、ライダーとしての実力はもちろん最近ではコーチング力にも目覚しい成長をみせ、昨年の祭りキャンプの時のようにお兄さんたちに振り回されることももうないようだ。たった1年なのに、驚くような成長ぶりだ。

さて、今年のフサキキャンプのテーマは“踏む”ということ。フサキさんが言うにはこの踏むということができていない人が実は意外に多いという。PEAK2でも語っていたが“カービング・ターン”のカーブという言葉はCarve(彫る)するターンであるということ、板を踏まなければ、雪面を深くは掘れないということを解説。日本語でカービングといわれるとついCurve(曲がる)ほうのカーブだと無意識に思ってしまいがち。この意識の違いは大きい。

フサキ父さんの挨拶が終わったところで、それぞれ簡単に自己紹介もすませ、まずは記念撮影。「丸沼ではdmkのバナーは逆に持たないといけないんですよね?」などと去年の記念写真の間違いに軽く突っ込みを入れながら撮影をすませ、早速ゴンドラへ向った。それにしてもまだ2月だというのにすっかり春のような陽気。今年は本当に暖かい。各地で雪不足、新潟などでは早くもゲレンデの閉鎖の声が聞かれる中、ここ丸沼にはまだ十分な雪が残ってくれていたことがありがたい。

ハイ!踏む姿勢ですよ~。ギューってね

ウォームアップを終えたところで踏むということを意識した姿勢のチェックを行った。あとでコメントをつけるためにその“踏む姿勢”を取るみんなをひとりずつビデオに納める。板を履いている時には抵抗無く取れる姿勢も、板無しで、しかもみんなの前でやるのはどうしてか、ずいぶんと恥ずかしく思える。しかし、そういう時こそ!とばかりに我がクラブの星ムラッチョ会長とワックスの星マスミさんはしっかりと笑いどころを抑えていくのだからさすがである。

踏む姿勢のチェックを終えたところで、今度はそれを実際に滑りながらやってみる。まずはターンをせずに横に1本だけ滑る。その姿勢を反対側で待ち構えるフサキさんに入念にチェックされる。こういう他に逃げ場の無い単純なものほどいざやるとなると変に緊張する。いったい自分は普段はどのあたりに腰を落としているのか、考えてみるが考えれば考えるほど不自然になってしまう。だがこの1本、どうこうする余裕も無く終了。続いて反対のエッジでもチェック。滑り終わってもフサキさんの「うーん。そうか」という、いいのか悪いのかまるでわからないコメントのみだ。何も言われないというのは、何となく不安になる。

続いてのテーマはJターン。Jターンというのは、フォールラインに向け直滑降で滑り始め、スピードに乗ったところで板を強く踏むことで山側へと切り込んでいくターンのことだ。しっかり踏めていれば山側へと大きく切り込んでいくことができる。もちろん踏めていなければ山側へは少ししか登り返すことができない。そしてここでは直滑降である程度スピードに乗れていることも重要だ。見ている分には簡単そうだが、やってみると結構コツが分からない。直滑降でのスピード、そして踏んだ時に掛かる遠心力に耐える力。どれかを怖いと思えば、ボードを上手く踏めず、上に切り替えしていくラインは浅くなってしまう。このターンは見ているのとやってみるのでは感覚に大きな差がある。

Jターン!どうだー!!

続いてカービング・ターン。攻めるようにと言われたが、なぜかこのゲレンデ、下部のほうに来ると所々アイスバーンがトラップ状に隠れている。エッジが抜けて転ぶ人続出。しかし私、もりっぺ、この時間になって夜通し移動した疲れが出たのか暖かい日差しにぼけっとしていたら、いつの間にか自分の番が来ていた。前に人の滑りもろくに見ていないのに何も考えずに慌てて飛び出し、見るも無残な大ゴケ。ウエアの腹からザラメ状の雪がズズズーと入ってくる。「うあー、冷て~」と情けなく嘆きながら、くそー、これってDr.メーメー(※)のいい材料だよなと心の中で悔しく握りこぶしを握った。(※某有名スノーボーダー向け雑誌にフサキさんが執筆中のコーナー)

そして締めには、横滑り。これはひとりずつではなくて、一斉にスタートすることになった。27人がいっせいに横滑りはハッキリと異様である。デラ掛けを行なう必要もない、どちらかといえばテラテラなバーンをズガガガーと削りまくってとりあえず午前の部は終了。

午後からは元気にオーリーレッスンを開始した。初心者用のムービングベルト付きのなだらかなゲレンデでオーリーをする。これもビデオで撮影してもらった。元気なメンバーは普通に飛ぶのにはすぐに飽きてしまって、ゲレンデの端から大きな雪玉を探してきて並べたり重ねたりして技を競い始めた。直径50cmはある雪玉の上にさらに15cmの雪玉を乗せた大物を難なく飛び越えるのは、やはりタクミくん。最近お気に入りのワンフットでもさすが、見事にオーリーを決めていた。

オーリーで「どりゃ~!」

「オーリーのポイントは…」

いつの間にか初心者からのっとってしまった(邪魔するつもりは無かったけれど、あれだけやられたら、普通となりで練習はしたくないですよね。当日ご迷惑を掛けた方、ごめんなさい)ゲレンデを元通りに片付けて、この時間からイケイケチームとマッタリチームに分かれて滑ることにした。

イケイケチーム前半はタクミコーチ。「パーク行きますか?」と訊かれたけれど、丸沼って、なんかパークの難易度高くないですか?リフト上から見ただけだけれど、キッカーもボックス&レールもなんだかちょっと難しそう。一緒にいたアキサエちゃんと二人で「え~。パークはちょっとー…」とカワイらしく(?)駄々をこね、結局みんなを巻き添えにしてグラトリ&フリーランへと出発した。タクミくんお得意のゲレンデの端などで遊べるところを探して、そこでタクミくんのお手本を真似してトライする。元気な男の子たちは結構なんでもサラッとこなしていく。うーん、いいな、うらやましい。

ゲレンデの半分より下まで降りたところに、垂直に立てられた太い塩ビ管があって「それにオーリーでちょっと板を当て、当てた勢いでB1しましょう」という高度な課題が出された。お手本タクミくんが1発目失敗。みんなに「ええ~?」と言われてしまったが、照れながらもさすがに2発目はしっかり決めてくれた。だがこれが本当に結構難しいらしく、勢い余って塩ビ管の中に頭から飛び込みそうになる人、「ガッ」と音がするほど当てすぎて弾かれる人など、成功させるのはなかなか難しかったようだ。

また続いては、どうにかなるでしょうー的な勢いで向った、硬くて深いコブコブ斜面。しかしほとんどのメンバーがまったく歯が立たずオメオメと退散したようだった。ああ、これが稲川(別名:dmk選任毘沙門鬼コーチ)キャンプでなくて良かったとしみじみ思う。

時間は結構タイトで、1時間半のタクミコーチの持ち時間もあっという間に終了し、コーチをチェンジしてイケイケチームにフサキさんがやってきた。のっけから「このチームならもったいないからガンガン飛ばしたいなぁー。とりあえず上から下まで一気かなぁ…」などと半分独り言のように言っている。え?もったいないってどういう意味ですか?と訊こうと思ったらそんな隙も無くフサキさんスタート。うん、そういうことならついて行くしかない。でもフサキさんに本気で一気されたら、たぶん誰も付いていけないのだろう。ところどころで淡いレモン色のウエアが待っていてくれた。

それにしても1日中本当にいい天気なのが、何より救われる。天気が良ければ視界も利くし、とにかく気持ちがプッシュされる。身体も冷えにくいからケガもしにくいのだ。

時間まで目いっぱい滑って、本日の予定はこれで終了。あとはフサキさん一押しのペンションアルフさんでの楽しい夜に向けての期待が高まるばかりだ。

アルフさんはゲレンデから車で5分も掛からない場所にあるのだが、私たちの一行が無事にアルフさんの駐車場に車を止め終えた頃、脇道に入る手前の道路ではスリップする車が続出した。上から乾いた道が続いたあとに突然凍った路面が広がる場所なので、スピードを上げてきた車が滑るらしい。派手にスリップしてリアを路肩の雪山に大きく跳ね上げる車が見えた。私たちが荷物を降ろしながら見ている20分くらいの間に4台、5台と続く。うちの若手、20歳組のタクミくん、あまちゃん、永ちゃんは若い血が騒ぐ(?)のか、じっとしていられなくなって、スタックした車を助けに行っていた。それでもこれほど次々とスリップする現場に居て、貰い事故で轢かれたりしたら笑い事じゃないので、「いいから早く戻って来てよー!」と呼びかける。まぁ聞いちゃくれない若者達だけど、ようやく戻ってきたあまちゃんは「オレ、車がスリップしたところ初めて見ました!」とやや興奮気味で、うーん若いな~と思うが、そういえば自分も初めて見た時には結構びびったなと思った。しかしその魔の凍結路面は実際他人事ではなく、自分たちのメンバーの車でも「オレもちょっと滑りましたよー」という声がいくつかあった。大きな事故にならなくて良かったと思う。

さて、話題を戻そう。キャンプの募集案内や、昨年のキャンプレポートでも紹介されているからご存知の方も多いかと思うが、このアルフの経営者はフサキさんのウィスラーでの後輩でトモさんという、人あたりのよい素敵な方だ。とてもかわいい奥様と二人でこのペンションを経営されている。ここ丸沼キャンプでトモさんのペンションは非常に重要だ。誰もが同じ事を言って、他に言うことが無いのかと思われるかもしれないが、とにかく何が一番かといってここの料理を美味しくないと言う人はまずいないだろうということ。普通、あまりに前評判が高いと期待が大きくなりすぎてガッカリなんてこともあるが、アルフさんの料理だけは違うようだ。どうやって作ればこんなに美味しいものが作れるのか本当に不思議だ。そしてサービスがとにかく温かいことも特筆に価する。まずペンションへ入ると手作りのクッキーとひとくちサイズのパンが、ポットに入った淹れたての温かいコーヒーと紅茶とともに迎えてくれる。夕食までのおしのぎといったところだが、とても美味しい。「コレ、一人1個ですよね?」なんてお代わり欲しさに確認する人もいるほど。ゲレンデから近いので夕食まで少しのんびりした時間が取れることがとても贅沢だ。おふろに入ったり、ダイニングでDVDを見たり、リビングのコタツでのんびりしたり、それぞれクールダウンの時間を気持ちよく過ごせたようだ。

そして期待の夕食は、前菜からはじまるコースで出される。コースといっても特に気取る必要はなくて、温かみのある陶器の食器にさりげなく盛り付けられて出てくるので、好きなように食べればよいのだ。前菜とサラダがあって、スープは温かいものをとみんなが食事を始めてから運んできてくれる。作り手の心が伝わる料理というのはこういうものをいうのだろうか。ひとくち口に入れれば、やさしい気持ちでていねいに作っているのだなというのが良く分かるはずだ。

え?ひとくちパンのお代わり?

まずは前菜から…

食後は恒例のお楽しみ会だ。まずは昼間撮ったビデオを適当に流し観る。今回のキャンプでビデオクリニックは無い。その代わり撮った映像には、フサキさんが一人ずつていねいにコメントをつけてカナダから処方箋として送ってくれることになっている。“カナダからの手紙”という言葉に敏感に反応を示す世代とそうでない世代で、フサキ父さんと同じ年代かどうかがバレるが、現場で「?」だったあなたは若い証拠だ。

お楽しみ会では今回は女の子だけにプレゼントというにくい演出でミクロマンの模型がフサキさんから提供された。女の子だけになんて、フサキさんもついにオヤジ化か?と思ったが、単に男の子分のミクロマンが手に入らなかっただけらしい。ミクロマンの模型というのは高さ7cmくらいの各関節がかなり細かく可動式になった結構手の込んだ人型の模型のことだ。本当は、これを基にして自分の思い通りのフィギュアを作るのがマニアの遊びらしい。ミクロマンの色も様々あるのだが、実際細工のしやすい白が一番人気で、男性体の白はちょっとくらい探しても見つからない。実は以前からフサキさんに探してほしいと言われて、おもちゃ屋へ行くたびに気にしていたが、確かにない。みんなが白がほしいと分かっているのなら、メーカーも白しか作らなければいいのにと思うのは、マニアから言わせれば邪道なのだろうか。

今回のミクロマンの登場目的は基本姿勢の確認にある。一緒に配られたボール紙をスノーボードの形に切り抜き、ミクロマンを乗せ、足をテープで止める。斜度をつけたボール紙の坂を滑らせて、遊びながら客観的・具体的に基本姿勢を理解してもらおうというのが、フサキさんの意図だ。そうやって遊んでいるうちにあのフィギュアスケートで一躍有名になったイナバウアーの姿勢というのが、実は軸の取れたバランスのいい姿勢ということを発見した。イナバウアーをさせたミクロマンは坂を滑らせても転ばず、なかなか安定しているのである。「じゃあ、イナバウアーで滑ってもいいんだ!?」と嬉しそうな泉ちゃんに「ちゃんとできればね」とあまりにも冷静な答えが返されていたが、イナバウアーという姿勢自体の軸が取れていても、それができる身体の柔らかさが必要なんですよね?荒川さん。

コレがウワサのミクロマン♪

イナバウアー!!

さて、こうして盛り上がっているアルフのダイニングに今回のスペシャルゲストがやってきた。dmkのスペシャルゲストといえば、いつも宇宙の彼方マツモトワックス星から遠路はるばるやってくるヒーロー・マツモトレンジャーが有名だが、どうも今夜はちょっと違う。恐らくは、いつもやりたい放題のマツモトレンジャーでさえも、その人の前では、あまりにも情けなく平伏してしまうという生身のレジェンド。なんとマツモトワックス社長、松本氏!その人の登場だったのだ!マツモトワックスといえば、小憎いネーミングと小洒落た商品展開で、今やボーダー小僧&お嬢の間では、憧れのワックスブランド。その社長の登場とあれば、誰もが期待を高くする。

「はじめましてー!」

「どうも。こんばんはー」と照れながらダイニングへ入ってきた松本さんをひと目見る。おお!何か想像と違って、とてもキュートな感じだ!“社長”という言葉のイメージからか、もっと年季の入ったオジサン風の人を想像していたのだが、まったく違った。松本さんは小柄な体躯に小顔な人で、ぱちっとした目がとてもやさしそうな人なのだ。短く刈り上げた頭に、ピッタリサイズのグレーのハンチングを被っている。松本さんは、みんなからの遠慮ない大注目の視線を浴びて、とても照れくさそうだったが、早速dmkスタッフのますみさんと「はじめまして」の挨拶を交わしていた。ますみさんは最近ではdmkクラブでマツモトワックスの販売を担当しているくらいワックス、しかもマツモトワックスを愛している人なので、松本社長にはずっと会いたかったのだ。彼にしてみればようやく会えたという積年の思いでのご挨拶だ。松本さんのほうも「いやぁ、僕も一度ご挨拶をと思っていたんですよ」とニコニコしている。うーん、実にほほえましい光景だ。

松本さんも来てくれたところで、プレゼント大会を開始。ミナミREDS店、RONIN、nomisなどからのご好意で頂いたたくさんの協賛品を、今回はクジでの抽選とした。この抽選会でひとつ事件が起きた。事件と言うと大げさだが、まさにミラクルなことが起きたのだ。それはマツモトワックスのTシャツプレゼントの時に起きた。通常でもアパレル商品は少ないマツモトワックスだが、なんと一般には販売されていない王冠マークをあしらったTシャツが登場した。白地のボディに黒の王冠が大きく斜めに配され、裾には赤いラベルがついたかわいらしいデザインに「うわー、これ、ほしいなぁ…」と思わず声を上げたますみさん。しかし次の瞬間、松本さんの手によって箱から引き抜かれた番号は…。なんと、ますみさんの手元にあった番号そのものだった。自分の番号に目を凝らした直後、「ぅぅうおおおおー!!」と腹の底から上げられたますみさんの雄叫びには、喜びの深さが本当に良く現れていた。

マツモトワックス商品は他にもたくさん頂いたが、おかげで松本さんはそれぞれにサインを求められ、「いやぁ、サインなんて今まで書いたことないんだけど…」と困惑しながらも、一つひとつていねいにサインを入れてくださった。また玄関では急遽松本さんによるワックス講習会も開催されるなど、どこへ移動しても松本さんのまわりには人がくつっいていく。
本当に松本さん人気はすごかった。

当たった!奇跡だ!神様~☆

「ペースト・ワックスはね…」「ハイ」

2日目も朝から気持ちよく晴れ上がった。
アルフさんの玄関前でみんなで記念写真を撮影して、ゲレンデへ向った。今日はもう一人のゲスト、神田のRONINショップの店長左氏さんが来て下さる予定だ。仕事柄シーズン中は大忙しの左氏さんとゲレンデで会うことはかなり珍しいことだ。実は個人的には13年前に左氏さんとゲレンデでお会いしている。ミナミが開催した2度のレッスンキャンプでのことで、おかげ様で左氏さんには、それ以来ずっとお世話になりっぱなしだ。ここで“お会いした”と書いたのは訳があって、実は当時、私はまだボードを始めたばかりで、一緒に滑れるというレベルではなかったからだ。13年ぶりにして、ようやく左氏兄さんの後ろを追いかけられると思うと、もうそれだけで嬉しくて仕方がない。

今日は最初からイケイケチームとマッタリチーム分かれてのスタートとなった。松本さんと左氏さんはマッタリチームに参加。「マッタリの意味って??」とちょっと不安そうだったが、滑り始めてすぐに、ちょっとのんびりペースで滑るチームという意味が分かって「おお。そういうことかぁ。いいねぇ、マッタリ。このペースはいいや」と喜んでくれたお二人。といっても、参加した人はわかると思うけれど、本来はお二人ともすごく上手なハイスピーダー。力の抜けたスタイルで、ゲレンデを実に滑らかにスカーッと切っていく。ここぞとばかりに後ろからたっぷり拝見したが、13年たっても左氏兄貴にはやっぱり憧れるし、初めて目にする松本社長の滑りも、速くてキレがよくてそれでいてパワフルだ。はっきり言ってお二人ともカッコいい。あの滑が目の当たりにできただけでも、ご一緒させていただいて本当によかった。

マッタリチームの午前中はタクミくんの担当だった。「フサキさんが昨日言っていた“踏む”ということを意識して滑ってみましょう」タクミくんはそう言うと一人ずつ順番に滑らせて、ていねいなアドバイスを出してくれた。このアドバイスはなかなか的確だったようで、あとで、良くわかったという声が数人から聞かれた。

さて、この午前中で一番の盛り上がりところは、タクミ、ますみ、左氏さん、松本社長の4人で行われた“なんちゃってクロス風カーブ戦”だった。そう言われてもなんだか良く分からないだろうが、簡単に説明すると、ゲレンデのヘアピン状に大きくカーブしている部分に直滑降で滑り込んでいき、ボーダークロスのように競ってカーブを切り抜けるという、カーブを踏んで曲がる滑りのお手本を兼ねたレースだった。長い直滑降とヘアピン・カーブでの駆け引きが勝負を決める。一斉にスタートを切った4人はカーブの部分で、左氏さんの外側から松本さんが回りこんで押さえ込み、そのまま抜き去るという展開を見せ、実際の勝敗よりも「松本さんが、カッコよかったよねぇ」というみんなの感想で松本さんの圧勝となった。

午前中のフサキさん担当イケイケチームは、なんだか難しいターンの練習をしていたらしい。昨夜キャンパーから“踏む”のその先を教えてほしいとの意見があり、フサキさんが考えた特別メニューが行われていたらしいのだ。途中で会ったイケイケチームのメンバーに「そっちは何やってるの?」と聞いたら「うーん?ジャンプターンとか、なんかいろいろ変わったこと」と言っていた。どうやら本日、ここへきて本領発揮(?)。独自のフサキ理論が大爆発していたようだ。

もちろん午後からのマッタリチームでも、フサキさんの新メニューが披露された。本来ハイスピードで滑れる松本さんと左氏さんはマッタリのレッスン漬けに飽きてしまったのではないかと心配していたのだが、午後もそのままマッタリチームに参加してくれた。しかも、大真面目にフサキさんのレッスンに耳を傾けてくれている。

「スピードを上げていくためには、どういう風にターンしたらいいですか?」フサキさんから出された質問だ。ターンのどの部分で立ち上がるか、またはしゃがむ(加重)のかというのだ。あきさえちゃんの答えとますみさんの答えが食い違う。フサキさんは「じゃあ、ちょっと恥ずかしいけど実際にやってみましょう」と言うと、平らな場所で板を脱いで立ち、「ターンのこのあたりにきたらゆっくり立ち上がって~。ゆっくりだよ?急いで立ち上がったらダメ。それでここで「ワーッ」てなるけど耐えて、このあたりからグーッと小さくなって…」と口で解説しながら足でカニ歩きをしていく。「はい。みんなもやってください」

ゆっくり立ち上がって…

「ワ~ッ」って…。え?松本さん…!?

「ええ?」。カニ歩きしながら上下動、しかもにょろにょろと右に左に蛇行するという動きは、なんだかアフリカの宗教みたいだが「実際にやってみないと、身体が覚えないよ」と言われて、仕方なくみんなで一列になってにょろにょろと動く。オマケに「ワーッ」という口真似付だ。かなり異様だが、松本さんも左氏さんも一緒ににょろにょろの列に混じってくれた。

なんだかコツがつかめたような、つかめないような感じだったが、実際に滑って確認することになった。リフトでフサキさんと一緒になったので「遠心力としてGを感じる感じですよね?」と確認する。「できたら気持ちいいんでしょうけどねぇ~」と言ったら「今はできなくても、今日のオレを見ておくことで、いつか「ああ、あの時フサキさんが言っていたのはこういうことだったのか」と分かる時が来ればいいと思うんだ」と熱い答えが返ってきた。

その後マッタリチームはジャンプターンをやって、レッスン終了。そして、最後はチームのわけ隔てなく全員で楽しく滑って、キャンプも終焉となった。
みんなで輪になって、閉会式を行なう。それにしてもフサキさんに出会った当初の13年前、思えばまだ24歳だったフサキ兄さんのことを「なんて“さだまさし”に似た人なんだろう」と思い、まぁ、今でもそれほど変わったとも思えないけれど、さすがに「父さん」という呼び名も似合うようになってきたなぁと時の流れを感じる。

平日という、普通なかなか休みづらい日程でのキャンプだったが、無理をしても来た甲斐があったようだ。フサキさんと一緒に滑っただけなのに、なぜか不思議と大きなプレゼントをもらったような気分になった。

今回も大活躍のタクミくん!そして我らがフサキさん!おつかれさまでした♪

楽しかったね。

解散式を終えアルフさんに戻って、着替えて、片付けて…。ふと気がつくと玄関のストーブの上にまたもやひとくちサイズのパンがかわいくラッピングされて籠に盛られている。
アルフさんからの「気持ちです」と小さく書かれたカードにジーンとしながら、帰りのおやつにありがたく頂く。
そうしている間にも「じゃ、またねー!」と一組、二組と帰っていく。「なんかさぁ、またすぐ会えるみたいに別れるんだねぇ」と誰かが言っていたが、なぜかdmkのキャンプっていつでもそうだ。でもその気を許せるフレンドリーさがいいんじゃないのかなぁと、なんとなく自慢げな気持ちで思う。そして私たちも同じように「じゃ、またー!」と元気に宿を後にした。

さて、次にフサキ父さんに会えるのはウィスラーキャンプ!これまたちょっとお休みがとりづらい人もいると思うが、今度のウィスラーではフサキさんがディスコでダンスだ!と息巻いているようだし、ぜひ、なんとなくホンワカなこの父さんのキャンプに触れてみることをお勧めする。きっと何か大切な気持ちを受け取れるだろう。 

 

参加者の声

丸沼キャンプお疲れ様でした!
今回初群馬で前泊させてもらいましたが
キャンプはガッツリ、夜はおいしいご飯を食べながら
みんなと話が出来て本当に充実した3日間でした♪

フサキさん
2日目の「踏む」レッスン、理論は難しくてなかなか理解はできてないんですがボードが加速する間隔があじわえて気持ちよかったです。
また滑りに行ったときに練習したいと思います!

タクミくん
色んなポイントでの楽しみ方を教えてくれてありがとう!
一緒に滑っててほんとに楽しかったです♪

イケイケチームの皆様
こっそりイケイケチームに混ぜてもらいましたがみんなのガンガン攻める滑りを見てるのが楽しかった!
一緒に滑れて良かったです。

それでは今日から仕事の方も多いと思いますが頑張りましょー
まゆみ

平日キャンプ、おつかれさまでした。

はじめての群馬滑走の感想は、雲ひとつない快晴の空。快適なバーン。
そして最高の仲間たちに囲まれての二日間で大満足に終わることができました。
これもみなさんのおかげです。
ありがとうございました。

フサキさん>
是非! ゲレンデ構成のマネジメントに着手してみてください。

タクミさん>
あのウェアは、知れば知るほどハマっちゃうよね!

イケイケ1日目>
何もできないのに何故かイケイケチームに参加してしまい、ご迷惑をおかけしました。。
でも、改めてdmkクラブ員のレベルの高さを感じることができ、良い体験になりました。
ありがとうございます。

まったり2日目>
私も板の交換会(一日目)に参加したかったよぉおぉぅ。(^▽^;

alfさん>
清潔かつステキなお部屋。
おいしくてボリューム満点のご飯(残しちゃってごめんなさい)。
そして、ともさん、ママさん、可愛いスタッフさんに見守られ過ごした宿でのひと時は
最高の思い出をつくるのに最適な空間となりました。
ありがとうございました。
また次回もキャンドルナイト・サプライズを期待しています!

あと、松本さん&左氏さんのすんばらしい滑走が見れたのは
ここだけの秘密にしておきますね♪
あきさえ

丸沼高原でdmkキャンプ初参加しました。
キャンプ前日まで、新潟の上越国際スキー場で働きながら滑っていました。新潟は雪が少なくゲレンデでは土が見えていましたが、群馬は雪がたくさんありそれだけで、テンションあがしました!とても楽しい二日間でした。

初日:自分の滑りやオーリーを見るのは初めてだったので、おもったよりできていない自分にへこみました。でも、改善点がわかりふさきさんがわかりやすくアドバイスしてくれました。ピーク2も手に入れて、なんとマツモトワックスのソールカバーゲット!!サインもいただいてしまいました!夜はたくみさんたちの部屋で一時までスノーボードやワックスに関して熱い話を聞くことができました☆

二日目:ふさきさんのアドバイスを生かし滑ってみたところ、前より滑りやすくなりました。踏むことが大事なのを実感しました。昼はゴハンを食べず永ちゃんとパークにいき滑りまくってました。たくみさんの地形を生かしてすべるのもとても楽しかったです。踏むことに対する意識が高まりました。

さっきピーク2のふさきさんのカービングをみたらより理解が深まりました。今すぐに滑りたい気持ちでいっぱいです。

たくさんの人と滑れて面白かったです。これからもいっぱい滑ってガンガン楽しみたいです。
ペンションもきれいでゴハンおいしくかったです。またdmkのキャンプに参加したいです。
あまちゃん

行きは広島より始発にて出発
東京で散々遊んで、ムラッチョ号(運転はのぶくんw)で前泊組みとして参加しましたが・・・
楽しかったねん

1日目は新しい道具にも慣れず、さらには自分のヘタレさも・・・
まったくもって滑れん1日じゃったけども・・・
たくさんの雪でテンションアゲアゲですっごいたのしかったあ
オーリーで高くとべないけど、あれすごく楽しくて・・・
もっと練習しときます

1月からの体調不良もあってまったりチームとして参加させてもらったけども・・・
フサキさんのストーカー・・・なかなかむずかったですw
板の交換は脚のサイズがあってよかったー
ともねぇに感謝
長いが変わったことには問題なかったけどウエスト幅が大幅に上がったのはむずかったなー
よいっしょーみたいなww

2日目
午前中のタクミくんのレッスン!
あれよかったねー
みんながみなうまくなってたし
すげーいいアドバイスしてた
皆のアドバイスきいてたけど、すげ的確だったし、午前最後一人ひとりの滑りが格段に良くなったことがそのアドバイスがどれだけよかったかが現れててすごかった

午後からのフサキさんの2種類のターン・・・
午前のレッスンにの滑りにも使えてさらなる動きができて、さらにどのターンも荷重のタイミングややり方によってその体感もかわってきたのですっごいおもしろかったです

タクミくん>
帰りの車の運転は本当にお疲れ様でした
たすかりました
おかげで大阪とかも堪能できたしww
ありがとー
まるりん

フサキ隊長からみなさんにメッセージ
平日というお忙しい時期に来ていただきありがとうございました。
お陰様で今年も空き空き滑走ゲレンデでストレスなく滑れましたね。
今回2日間に渡り、踏むをテーマにしたキャンプを開催しましたが、一番伝えたかったのはシンプルですが初日の練習。あの練習がうまくできないところがその人にとって練習ポイントなので、薬だと思って毎度滑るたびに飲んで(実施)してください。そうしたら、必ず上達します。
ところで、今、みなさんのアドバイスを地道に書いています。当初思っていたよりも時間が掛かってしまって申し訳ございません。しかし、必ずカナダからの手紙送ります!
あと、メンバー登録した時と住所が変わっている方。もしかして「フサキさんワタシの住所知らないのでは?」とご心配の方。念のために住所を送っていただけると助かります。
また来年もぜひ来てくださいね! みんなのスノーボーディングをサポートする技なども紹介したいと考えています。
 

このキャンプのインフォメーション

日程2007年2月26日(月)、27日(火)平日

キャンプ料金: 男性28,000円、女性27,100円
<1泊2日2食付宿泊費・ランチ2回・リフト2日券・レッスン>

ツアー参加人数: 22名+スタッフ、関係者など総勢30名

開催ゲレンデ:丸沼高原

宿泊施設:ペンションアルフ
〒378-0414
群馬県利根郡片品村丸沼高原
TEL: 0278(58)4151

http://www.h6.dion.ne.jp/~tass-alf/index.html

コーチ:飯田フサキ、大原タクミ

同行スタッフ:ムラッチョ、マスミ、モリッペ

協賛:マツモトワックス、Smith、Riding Mainia Ronin、Nomis、ペンションアルフ、丸沼高原スキー場

 

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