People / Cheersでドリームチーム入り!/シモン・チェンバレン(6)

広告 five  

今回、Nomisプロモーションのためチームマネジャーで双子兄のアンドレと共に、1週間来日したシモン・チェンバレン。試写会、大会、ショップツアー、スケートセッションなど、短いスケジュールの中で、精力的に活動し、日本でさらなるシモン旋風を巻き起こしてくれた。
そんなシモンに、本サイトのフサキが直撃!フサキは、シモンが17歳の時からいっしょに撮影して来た仲で、Nomisを日本にディスリビューションしている人物でもある。
今季、大注目作品と言われるPeople CreativeのCheersにも出演し、今最もノリノリのシモンの魅力に迫った。

photo: Yoshi Toomuch

Interview:  Fusaki Iida

広告

まずは最新作Cheersのことから聞かせて。今、この作品を観た正直な感想は?

これまでのスノーボード・ビデオの中でもベストな作品になったと思う。
自分にとってはキッズの時からの憧れであったJP(ウォーカー)、ジェレミー(ジョーンズ)といっしょに撮影できることができて、とても嬉しかった。
ラウリ(ヘイスカリ)とも久々に撮影できたし。あいかわらず愉快な奴だね。あと仲の良いジョー(セクストン)と共に撮影できたし、本当に良いチーム撮影ができたよ。
 

一般の人は、ビデオの各パート作りというのが、単にライダーと撮影者によって画を作るという認識があると思うんだ。だから、『撮影チーム』ということについて、もっとくわしく説明してもらいたいんだけど。

撮影するとうことは、仲間のライダーたちと共にする作業。僕のパート撮影でも仲間に応援してもらったり、アイテムに入るためのキッカーを共同で作ったり。だから、決まった時には、みんなで喜んでいるんだ。
JPのパートがとても良いのだけど、凄いトリックを決めた時には、僕にとってもとても嬉しいことだよ。それは、僕も含めたチームで行っているとことだから。

シモンのパートで気に入っているのは?

みんな好きだけど、最後のトランスファーかな。あそこは怖かったけど、JPから「これぐらいのスピードがあれば大丈夫」とかアドバイスしてもらったり、応援してもらったり。うまくメイクした時には、とても嬉しかったよ。周りからのサポートもあったし、まさにチームのお陰で残せた映像だよ。

シモンのパートは、とても好きだよ。クリエィティブだし、あいかわらずスタイルも抜群。だけど、正直短く感じたなあ。もっと観たい!と思ったよ。

ありがとう。実際には、パークのおもしろい映像もあったと思うけど、その映像はカットされたね。あとバックカントリーの映像もあったけど。シーズン中ケガをしたこともあり、そのへんの影響もあったかな。

ところで、アーロン・ビットナーのパート。ジャンプでのグラブしている時間も長くとてもスタイリッシュだと思ったけど、アーロンのジブなしって意外に感じたよ。

本当ならジブの映像もあったのだろうけど、ケガをしてしまったのであの映像だけになってしまったんだ。

Cheersは各パートの色分けがしっかりしていると思った。例えば、マイキー・レンツのパートでは、バックカントリーでもジャンプ台をほぼいじらない完全ナチュラル系。シモン、ジョー、JPがジブで、あとはラウリのところでは楽しそうなパーク映像もあったね。同じジブ系でも、ジェレミーのところは夜の映像が多く、ブラックが強調されていたりと。
だけど、確か作品の長さは48分だったとか。やや長く感じたよ。

うーん、確かにちょっと長いかも。来年は、もしかしたら何人かのライダーがカットされてしまうかも。そして一人のパートを長くするとかするかも。

ということは、シモン来季もPeopleで撮影決定だ!

まだ正式発表はできないけど、そういう方向で話しているよ。

それは、楽しみ。
今季のCheersでシモンが一番好きなパートは?

やはりJPのパート。もの凄い映像の数々。JPは33歳だけど、未だに健在ぶりを見せて、まさにリスペクト。僕は25歳だけど、JPのように長く頑張っていきたいと思っているよ。

 

次にシモンがプロとしている体調管理やトレーニングのことを聞かせて。
シモンは毎秋、トレーナーについて練習しているんだよね?

そう、17歳の時にショーン・ジョンソン(注:シモンが使用するStepchild Snowboardsオーナー)にからトレーナーを紹介してもらった。以来ずっとお願いしているんだ。その人は、NHL(北米アイスホッケー・リーグ)のトレーナーでもあり、スノーボーダーに合わせてトレーニング・メニューを作ってくれるんだ。

デバン・ウォルッシュも同じように専門的なトレーナーから指導してもらっていると聞いたけど。

そう、他にもJPも。

トースタイン・ホグモやアンドレアス・ウィッグもそのようなトレーニングを受けていると聞くし、今の時代、トップ・ライダーにとってマストなことと言えそうだね。

ケガをしたくないし、しっかりと結果を残したい。だからプロの中でそういう認識が高まったんだろうね。

一般の人は、オフのトレーニングと言うと、走ったり、筋トレしたり、という認識なんだけど、ちょっと違うんだよね?

ボールを使って敏捷性を鍛えたり。様々なメニューがあるんだ。今、こうして東京にいる時でも、できるトレーニングをやっているよ。ホテルのドアのところを利用してやるものもあるんだ。

へえ、実際に見てみたいなあ。

また、今度ね!(笑)

食事に関しては、どう? シモン見ていると、好き嫌いなく何でも食べるけど。

バランス良い食事を、なるべく気をつけているよ。こうしたトリップ中だとコーラとか炭酸飲料を仕方なく飲むこともあるけど、まず家ではそういうものは飲まない。

プロ・ライダーの中では、炭水化物を取らないでたんぱく質を取るような人や、ベジタリアンまで様々だけど、シモンはどう?

僕は、何でも食べる。特に肉は好き。あと寿司は大好き!(笑)

あとシモンは、よく寝るんだよね?

そう、一日9時間がベストなんだ。

へえ、そんなに!

そうだよ。あるスポーツトレーナーによるとアスリートは体力を使うので、一日9時間が理想。夜に8時間寝て、1時間は昼寝をすること。だけど、僕は昼寝が苦手だから、夜9時間寝るようにしているんだ。

photo by SBN

それにしてもシモンはスケート大好きだね?

スケートは、本当好きだよ。ほぼ毎日かな。毎日やることでケガを防ぐと思うし。たまにやる方が、ケガしそうで怖いんだ。

スノーボードのスタイルもかなりスケートに影響されているよね?

スケートのビデオはとてもクリエティブだし、僕のスノーボードのスタイルにも大きな影響を及ぼしいるのは、確か。
できれば、夏の間は、あまりスノーボードをしたくないね。冬場しっかりと滑るし、夏のライディングってなかなかモチベーションが上がらない。

だけど、シモンは夏でも山に来れば、ちゃんと滑っちゃうからね。撮影もイベントにも楽しそうに参加しているし、プロフェッショナルだよ。

ありがとう。今回のトリップのスノーヴァ新横浜でのイベントは、とても楽しかったよ。日本の若いライダーの元気な姿を見るのが好きなんだ。

今回のトリップで、他に印象に残っていることは?

ヨシ(Nomis代理店ムラッチョ社長)に連れて行ってもらった屋形船は、おもしろかった。あと、しゃぶしゃぶは、とてもおいしかったし、楽しかった。
最後のスケートと試写会をミックスしたイベントもアットホームだし、とても良い思い出。もちろん初のインドアも刺激的だったし、このトリップのすべてが良かったよ。

シモンはNomisのデザインもしているけど、どんなところからインスピレーションを感じるの?

スノーボードで山に行っている時や、スケートに行っている時。そこでキッズのファッションを見たりして。
あとは、こうしたトリップからも得るものがある。今季リリースするパンツのSAG-OUT(チャックでお尻を落とし腰履きにするもの)も、日本で見て決めたアイデアだし。

今後Nomisをどのようにしていきたい?

徐々に広がっていくといいね。まるで木の成長にようにゆっくりと長く、そして強く。Nomisを着た人が、楽しい気持ちになれるようになるといい。
ともかく、ライフワークとしてずっとやっていきたい。

最後に。将来引退したら、何をやりたい?

スノーボードはできる限り続けたい。引退したらStepchildとNomisの仕事を続けていきたいと思っているよ。僕は両ブランドのワン・オブ・オーナーであるから。この二つのブランドは、僕にとって永遠のものさ。

シモン・チェンバレン公式サイト
http://simon-sayz.tumblr.com/

インタビュー後記

ともかくいい奴で、強い奴なんだ。そしてやる時にはやってくれる、というタイプ。

ハンサムの面影からは、ワイルドさやストロングさのようなものは一見感じ難い。だけど、シモンはヤンチャな面があるし、何より心が強い。セクストンのようにうまくトリックが決まらないことがあっても、決してF○○Kと言わない(笑)。自分がやるべきことに集中して、決めるまであきらめない根性も持つ。

そして、周りのみんなにいつも感謝している。だから、スノーボードの神はシモンにもの凄いパワーを与えてくれるのだろう。

「神は細部に宿る」というけど、シモンのスタイルの真髄は、まさに細部にこだわり続けた努力の賜物だと思う。
同じようなトリックを毎年やっていると揶揄するキッズもいるけど、同じことでも磨き続けて上昇している。新しいことをどんどんトライしていくキッズのようなタイプでなく、1つのことにこだわり続けて、もうこれ以上スタイルを出しきれないというところから、さらに磨いていくタイプ。だからこそ、シモンはこの世界で輝き続けることができるのだろう。

そして改めて言うけど、決める時には決める奴。
インタビュー中、シモンのパートのトランスファーのことが出たけど、その映像、12メートル以上ぶっ飛んでからレールに乗っているというものだ。一度はミスったけど、2度目に決めたとのこと。きっともの凄い集中力だったろう。レールに乗った時の衝撃とかハンパなかったに違いない。だけど、これまで培った力でメイクさせた。

縁あってシモンとの出会いから8年ほど月日が経つ。当時高校生だってシモンは、今は25歳だ。昨年には結婚式にも招待してもらった。
これから先もずっとシモンを応援していくし、見ていきたい。そしてシモンの素晴らしさを日本のスノーボーダーに紹介していきたい。

 Simon & Andre Trip in Japan / SEP 8 – SEP 16


 

広告