スノーボード上達に効く「静・感覚・友達」の時間

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スノーボード歴20年。日本からニュージーランド、そしてカナダまで、雪を求めてトリップを重ねてきた自分が、唯一誇れるのはハウツーの仕事だ。専門誌や動画でのハウツー制作を通して、常にヒットする内容をリリースしてきたおかげで、今もこの業界で食べていけている。

今回は、そんなハウツー畑での経験をもとに、普段のコラムでは書いていなかった「スノーボード上達に効く3つの時間」を紹介する。それは、「静」時間、「感覚」時間、そして信頼できるスノーボード友達の存在だ。読むだけで、あなたの滑りも変わるかもしれない。

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「静」時間を大切にして集中力を鍛える

日本人とカナダ人のスノーボーダーを比べると、日本人は努力家でテクニックがある傾向にある。しかし、カナダ人は技術の上手さとは関係なく「技を決める力(Commitment)」に長けている。

例えば、キッカーで360を狙う場面。日本人は「決めたい」と思いつつ、どこかで「失敗したらどうしよう」と余計なことを考えがちだ。その結果、技術的には上手くても成功しないことがある。一方、カナダ人は多少形が悪くても、「決める」と心に決めて挑むため、結果的に成功することが多い。

この差の背景には文化も影響している。日本人は農耕民族として協調性を重んじ、周囲の情報を過剰に受け取る傾向がある。一方、カナダ人は狩猟民族の血を引き、マイ・ウエイで行動する積極性が強い。

では、どうすれば日本人も集中力を高められるか?答えは「静」時間を意図的に作ることだ。静かな環境でテレビやスマホなどの情報を遮断し、ただ座って呼吸やイメージに集中する。例えば川のほとりで流れる水を見ながら、トリックのイメージを頭の中で繰り返すだけでも効果的だ。こうした時間は、雪上での集中力や精神力を鍛えることにつながる。

「感覚」時間を大切にして体の感覚を研ぎ澄ます

次に大切なのは、「感覚」に意識を向ける時間だ。目を瞑り、体のバランスや軸を意識するトレーニングを行うと、脳から体への指令がスムーズになる。

例えば、ジムでのステアーマスターというマシンで足踏みを行い、棒につかまらず目を瞑る。すると視覚に頼らず、体の感覚だけでバランスを保つ練習ができる。また、片足立ちで揺れが収まったところで目を瞑ると、視界に頼らず体幹や軸を意識するトレーニングになる。

雪上でも同じことが言える。後傾で悩むライダーに「前足に乗れ」と教えるより、「フォールラインに飛び込む気持ちで」と伝えた方が体が自然に動くことが多い。感覚を鍛えることで、脳から体への指令がスムーズになり、技の精度が格段に上がる。

信頼できるスノーボード友達を大切にする

最後に欠かせないのは、信頼できる友達の存在だ。一緒に滑る友達がいることで、正しいアドバイスを受けられ、チャレンジシーンで安心して攻めることができる。

例えばクリフジャンプの撮影でのやり取り。飛ぶ人がランディングの安全を確認するために友達に質問すると、友達は岩の位置や雪質を教えてくれる。余計な情報は最小限に整理され、「自分ならできる」という感覚に集中できるのだ。このような信頼関係があるからこそ、正確なアドバイスを受けつつ、精神的にも安心してトリックに挑戦できる。

もし周りに信頼できる友達がいない場合は、キャンプやスクールに参加するのも良い方法だ。同じ志を持つ仲間と出会い、情報を共有し合える場は、上達の大きな支えになる。

まとめ

「静」時間で集中力を養い、「感覚」時間で体の感覚を研ぎ澄まし、信頼できる友達と滑ることで、スノーボードの上達は格段に加速する。

この3つの時間を意識して日々の練習やトリップに取り入れれば、あなたの滑りは必ず変わるはずだ。まずは、静かに座る時間、目を瞑る時間、そして信頼できる友達との時間を意識してみよう。

スノーボードは、挑戦の連続でこそ面白い。あなたも今日から、この3つの時間を取り入れて、新しい自分の滑りを発見してほしい。

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