Grenade Games ハーフパイプ速報!

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ハーフパイプにジブ要素も加わったスタイリシュ・ライダーを決める大会、Grenade Games 6 Superpipeが先ほど終わった。優勝したのは、今年も意外過ぎるライダーだった!

Report & Photo: Fusaki Iida

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龍正の若さ溢れるはち切れんばかりのメソッド。

五輪ハーフパイプは、ダブル縦回転を生み出すなどスノーボード・トリックを向上させたようだ。しかし、その一方で、何か大切なものを忘れて来ているようにも思える。やたらにエアーの高さと高回転を求める今のハーフパイプ・ジャッジングのシステムは、まるで体操演技のよう。パイプのRを駆け抜けるライディングのうまさや、1つの技に込められた繊細なアーティスト感、さらにはハンド・プラントやスラッシュなどのファン要素など、横乗りの人種なら理解できるスタイリッシュさは、ジャジングされ難いのである。

しかし、そんな忘れ形見を思い出させてくれるコンテストがある。それが本日開催されたGrenade Gamesハーフパイプ大会だ!

スタート予定時間は、午前11時だった。ワールドカップの大会なら、予定時間前にはウォーミングと練習を開始しているもの。しかし、この大会はこの時間になっても、ほとんど選手が現れなかった。さらに現れた選手も、ゼッケンがないので、選手にも見えない。一応、このブラッコム大会の規則なのか、ヘルメットは必需品。しかし、そんなことを知らない選手も多く、何人かの選手は、ヘルメットを探す始末・・・。かなりグダグダなスタートだ。

早い時間から滑り出したのは、真面目な(?)日本人勢たち。特に高橋龍正イは、16歳という若さではち切れんばかりに、軽快に飛んでいた。本人曰く「パイプはあまりやらない。」ということだが、午前中から来ていた選手の中では、高さではトップ・クラスだった。

その他、ウィスラー・ローカルのベテラン・ライダーのダン・レイモンドも早めの時間から登場。ダンは、この大会に秘めている思いが強かった。というのも、ダンは本日の大会で引退を決めていたのだ。
ダンはこのブラッコムのパイプで育ったし、このパイプで練習してバンクーバー五輪を目指していた。残念ながら、バンクーバー五輪は出場できずに、前走で参加しただけだったが、このブラッコムのパイプにはワールドカップを含めて思い出がたくさん詰まっている場所。ダンは、鮮やかにメソッド・エアーを決めて有終の美を見せた。

 
ダンの引退試合。年齢を重ねるごとに上達する姿は、30代ライダーの鏡だった。 ジャスティンは、この日、最もパイプもうまさを見せつけた選手。さすがに五輪ライダーだ。

それにしても、お昼になっても大会らしくなっていなかった。というのもDJがいないし、音楽も掛っていない。大会主催者でジャッジングを務めるダニー・キャスも登場していなかったからだ。間違いなく、昨夜のパーティで二日酔い。もちろんダニーだけでなく、参加予定選手の中にも二日酔いで、遅刻している者が多かった。

しかし、時計の針が午後12:23を指した時、遂にDJが開始!と同時にダニー・キャスもやって来た。
そして、さらにトッド・リチャーズも登場し、パイプ・ライディング。ボルテージは上昇して来た。

驚いたことに、ケイル・スティーブンも来たんだ。パイプは8年ぶりというケイル。バックカントリーで多くの伝説を持つケイルも、この楽しさメインのパイプ大会なら来てしまうのだ。

その他、日本人の中で唯一朝からパイプに入っていなかった降旗由紀もドロップイン。縦回転を決める姿は、女子ではピカイチの存在だ。

ダスティン・クレイバン、ライアン・ラウッシュなど、毎年この大会を盛り上げる役者たちもスタイリッシュな滑りで会場を沸かせた。

   

トッド・リチャーズも御愛嬌でパイプ入り!

ライアンも数多くのランして会場を盛り上げた。

ダスティンはお得意のハンド・プラント技。

そして、もう終了1時間前でしょ?という時間になって、昨年王者のTJシュナイダーも登場!もちろんTJの狙いは、ジブ系。
今年のジブ系は、2つ。パイプ上部から見て、右手には木でできたレール。また左手には、昨年同様にグレネードの象徴である手榴弾だ。この手榴弾は、今年も壊すと、500ドルのボーナスがもらえる。
TJは、木のレールをテールに当て込んだり、手榴弾をキャブ720で当て込んだり、あいかわらず技巧派ぶりを見せてくれた。

 社長出勤の前年度王者のTJは、入るなりジブと融合したパイプを遊びまくる!

会場のボルテージは一気に上昇して来たが、この頃になると、お疲れ選手も多く、ハンバーガーを食べたり、ビールを飲んだり、終了モード。しかし、そんな中でも、さらにパフォーマンスを続ける選手が、今日のトップ3だったのだ。

3位は、バンクーバー五輪でも活躍したジャスティン・ラモルー。スイッチ・トリック、エアーの高さなど、本日参加した選手の中では、ハーフパイプのスキルは一番!しかし、ジブ・アイテムの攻めが弱かったためか、3位に。

2位は、カイリー・トーマス。このライダーは、高さがあり、またスタイルも良かった。会場を盛り上げた功績で2位。

そして優勝は、なんとNomis若手でハーフパイプには今季まったく入っていなかったジョーダン・フィリップ。
ジョーダンは、全体的にスタイリッシュ感が伝わるパイプ・ランだった。またログ・レール、手榴弾も攻めた。そして誰よりも多く滑った。きっと単に楽しくて、滑りまくっていただろうが、結局、その若き情熱スピリッツが優勝をもたらしたのだ。
5000ドルという大金を手にして、本人は「信じられない!」の一言。まさに本人も思ってもいなかった優勝だったのだ。

 

 本人もビックリ!優勝はジョーダン・フィリップ。

 2位のカイルは最も飛んだライダー。

時間通りに始まらない。順位とか、あまり誰も気にしない。参加している選手は、途中でビールを飲んだりもする。お互いの滑走の邪魔になるくらい同時にドロップしちゃうケースもあったし、レンタルの子供用のボードで滑っている者もいれば、リップに出ないで細かいトリックを楽しむ者もいた。しかも男子、女子の隔てもなく、混合大会だ。
オリンピックやワールドカップと言った正式なハーフパイプ競技の視点で見たら、かなりいい加減な大会だったろう。しかし、楽しかった。
スタイリッシュさ、選手の情熱といった要素もジャジング要素だったように見えたこの大会には、元々僕たちスノーボーダーたちがずっと昔に大会を始めた頃の思いを代弁するかのようだった。そう、お祭りに参加しようよ!という気分だ。
何より、選手にはプレッシャーがなく、参加していることが楽しくてしょうがなかったようだ。見ている方もそんな選手の思いを感じて楽しくなり、「僕も出てみようかな。」という気持ちになれる。Grenade Gamesは、そんな素敵な大会だった。

Grenade Games Six Halfpipe Results
1. Justin Phillips
2. Kyle Thomas
3. Justin Lamoureaux

Most radical dude: Danny Kass
Other radical dude: Kael Hill
Another radical dude: TJ Schneider
Best handplant: Kory Wright
Highest air: Jake Koia
Piñata basher: Eric Messier


http://www.wssf.com/event/grenade-games

 

 

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