オーリー神話を崩す

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オーリーというのは、スノーボーダーにとって必修科目のように言われている。しかし、このオーリーというテクニックは、多くのスノーボーダーの壁になっているように思う。

今年、Peak#03で綿谷くん(ナショナルチームのコーチ)のハウツー撮影している時、「オーリーはできなくても大丈夫」とコメントしたのだけど、あれは僕にとって目からウロコが落ちる言葉だった。

今回アップしたケビンのインタビューでも言っているが、オーリーというのはスケート・スタイルの飛び方だ。両足を固定さえていないスケーターの飛び方である。当時、スノーボーダーはオーリーをしなくても、メソッド・エアーを決めていたものなのだ。

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オーリーはテールを利用して、その反発で高さを出し、ジャンプでポップ感(注:コーラの栓がポーンと抜けるような様)を演出してくれる。確かにクールなテクニックだ。オーリーは、できた方がいいに決まっているけど、できなくてもジャンプはできる。

だけど、多くの人はオーリーがうまくできないことで落ち込み、ジャンプをすることをあきらめがちだ。実際には、綿谷くんが言うように、オーリーができなくてもエアーは楽しめるのに。

そこで、今回のハウツー天使の提案は、まず「両足飛びでいいので雪面からボードを離す時間を作ろう!」ということ。こうすると、脚の曲げ伸ばしをして、ボードにしっかりと体重を乗せる時間を作ることができる。また、こうした体重を調整できるテクニックは、エアーに限らす、フリーランでも大事なテクニックとなるのだ。

自然の地形でちょっぴりと飛び出せような場所があったら、まずは雪面(大地)を両足同時で軽く蹴って(=踏んで)みよう。すると、ちょっとした浮遊感を味わうことができる。この時に、ボードはなるべく平行になるようにすること。着地でボードのエッジが立っていると危ないから、ボードを水平に保つように飛ぼう。

次に両足を胸に引きつけるようにしよう。すると、さらに浮遊感を楽しめるぞ。

※このへんのくわしいハウツーは、ぜひPeak#03のNational HP TEAM Chief Coach 綿谷直樹の「メソッド・エ アー: 導入編」を見てほしい。

さて、こうしてある程度、ジャンプができるようになったら、そろそろオーリーをやってみるといいだろう。
もちろん完璧にできることはない。あくまでもオーリーとは、1つのスタイルと捉えて、スタイルを磨くためにやる、という感覚だ。
実際、僕もスノーボードを20年以上やったいるけど、今だにカッコいいオーリーというのができない。かなりお恥ずかしい話だけど。でも、そんな僕でもキッカーやヒップを飛んで楽しむことはできるし、完璧でないにしろオーリーのテクも入れることができる。

どうだろう、みなさんのイメージの中からオーリー神話は崩れたかな?

ともかくオーリーはできるに越したことはないけど、できなくても大丈夫。スノーボードのスタイルはいろいろです!「オーリーしなくちゃいけない」という先入観に捉われずに、まずは雪面からボードを離すことから初めてみよう。 

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