最近ギアもどんどん良くなっている。ゴーグルもどんどん新しいテクノロジーが出て、傷が付き難いものや、ミラーなのに曇りでも使えるものも出て来ている。以前なら機能イコール、デザインがもう1つということもあったけど、デザインも機能もOK!というものが増えた。こんな最新のギア情報にくわしい方も少ないだろう。
だけど、どうもまだ世間のスノーボーダーの多くは、ゴーグルのレンズの種類や選び方というのを知らないようだ。スノーボーダーにとって視界はとっても大事な要素だから、ぜひ覚えてほしいものである。そこで、今回は自分が長年お世話になっているSmithのご協力を仰ぎながら、『ゴーグル・レンズの選び方』という特集をお届けしよう! もちろんどんなブランドでも対応できる内容なので、レンズの選び方わからない方、ご参考に。
TEXT: Fusaki IIDA
私のゴーグル歴
20年以上のスノーボード歴の中でもSmithはお気に入り! |
大昔の話をしてもしょうがないかもしれないけど、ずっと昔、自分はbolleのミラー・レンズのゴーグルを使用していた。当時、このゴーグルを選んだ理由は、ミラーにより目が完全に見えなくてカッコいいと思ったから。
だけど、ミラーって、晴れの日はいいけど、曇りの時ってずいぶん視界が暗く感じるので、調子が悪かった。だから、その当時にBrikoのピンク(注:レッドとかローズという言い方だったのかも!?)のレンズに出会った時は、凄い!と思った。というのも、その時に使ったBrikoのピンク・レンズは、曇りの時など、雪上の凸凹などをしっかりと見せてくれたし、しかも晴れでも眩しくなく使えたのだから。それから、自分はSmithのスポンサードを受けるまで、ずっとBrikoを使用。ちなみに、bolleの前にはOakleyを使っていて、その当時のOakleyは、デザインはカッコ良かったけど、やたらに曇りやすくて困ったなあ。
Smithには、当時(注:10年以上も前のこと)V3というモデルがあって、それはどこのゴーグルよりも視界は広くて、調子良かった。しかも、日本人の鼻ペチャにも合うようなジャパン・モデルのオリジナルのフィット感もあった。
Smithというのは、歴史的に常にクオリティの最前線を行っているところがあって、自分の勝手な解釈では、技術のニッサン、デザインのトヨタみたいな部分で、クオリティのSmith、デザインのOakleyというイメージもある。
ただ、最近はどこのブランドでもクオリティやデザインもカッコ良くなっているようだ。
自分は途中、Zealという浮気もありながらも、今ではI love Smith!
以上の話は、レンズを選ぶ上での、ちょっとしたヒントになるかも、ということで、オヤジのレンズ・ヒストリーを紹介してみた。
オレンジとローズが定番だろう
最近は、ミラー系のレンズでも曇りOKというモデルが多く、はっきり言って、自分も混乱している。だから、この原稿を書ける身分なのか、という思いもあるけど、とりあえずスノーボード歴20年以上のおじさんの話は「ためになるかもよ?」ということで聞いてほしい。
まず、自分が思うに定番は、オレンジとローズだろう。
オレンジというのは、かなりオーソドックスなイメージのカラーで、全天候にOKだ。Smithの場合のオレンジは、ゴールド・ライトという表現のようである。
また、ローズというのは、厳密に分けると、レッドもあるようだけど、ともかくこれも全天候にOKレンズ。
オレンジとローズの違いは、オレンジの方がどちらかというと晴れに強く、曇りに弱い。しかし、これはどちらかと言うと、という話だから、ほとんど同じと考えてもらってもOKだろう。
ただ、独断的な意見として、自分は長年の経験上、ローズに親しんでいるので、オレンジよりもローズの方が好き。何か1つしか選べないとしたら、ローズを選びたい、と思う。ということで、自分の親しみや、過去のレンズ経験も考慮して、選ぶのも1つの方法だろう。
イエロー、クリアの使い道
いろいろなカラーがあって迷っちゃうよね。
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レンズのカラーがダーク系のブラウンともなれば、それは眩しい日の晴れ用になる。そして、全天候型のオレンジやローズというレンズがある。さらには、曇りの日や雪の日に威力を発揮するイエローやクリアという領域がある。
イエローというのは、晴れではとても使えないほど眩しく感じるレンズだ。しかし、曇りの日や豪雪の日など、明るくしてくれて視界を確保してくれるもの。曇りでは最適なレンズだと言える。
しかし、自分の経験上では、曇っている日もローズ系でOKだから、ほとんどイエローというのは使ったことがない。でも、人によっては、イエローの調子良さというのは、凄く理解できるハズなので、曇りにはイエローという考え方も抑えておこう。
クリアというのは、曇りや雪の日でも使えるのだろうが、自分の経験ではナイターでとても見やすかった。最初にナイターでクリアを使った時、あまりにも快適でビックリしたほどだ。だから、クリアってナイター用で作っているのではないだろうか。たぶん、ね。
人の目はずいぶんと違うようだ
カナダに住んでみてわかったことだが、白人でブルーの目をしている方々はずいぶんと明るさに弱いようだ。彼らの目は、晴れイコール絶対にサングラスをしたい、という感じのようである。だから、ずいぶんと自分の目と違うようだ。自分なんか、晴れても雪山でなければ、サングラスなんかいらないから。
あと、同じ日本人でもずいぶんと違うことがわかって来た。例えば、ワタキチ・コーチの前のナショナルチームの阿部さんという方は、目の色がブラウン系で晴れに弱かった。だから、眩しいのには弱いという印象だった。それと、dmkクラブでもコーチをしてくれるカンジ先生の目、彼もずいぶんと眩しいのには弱い印象の明るいブラウン系である。
このように人の目というのは様々だから、人の意見というのはあくまでも意見として留めるべきである。現にこの原稿を書いて調べたのだが、ローズやオレンジは全天候型でもないようだ。さっき伝えたことと違うことを述べるので恐縮してしまうが、Smithのwebサイトでは、こう述べているのである。
ローズとゴールドライト(オレンジ)は、曇り用(注:英語ではGREYBIRDと表記されている)。
自分の目では、確かにローズは晴れにも使えるのだが、もしかしたら多くの人には眩しく感じるのかもしれない。
そこで調べていくと、さらに朗報が!
それは、Smithのローズコパーというレンズ。これは晴れも使えるし、曇りも使えるというもの。早い話、これを買えば問題ないようだ。凄い極論だけど、話はそれだけで終わってしまいそうである(笑)。これはSmith社オススメするオールラウンド・レンズなので、どなたにもオススメできそうである。
ミラーというレンズ
先にも述べたようにミラーというのは、かつては晴れ専用だった。しかし、最近ではゴールド・ミラーとか、ミラー系レンズで便利なものが出ている。この便利なミラーは、曇りでも使いやすいレンズたちなのだ。
左から2番目と一番右端がミラー。
ミラーでないものと比べると、かなり違う印象でだね? |
このようなミラー・レンズは、通常のミラーではないレンズに、ミラーをコーティングしたという考えで行けばいいようである。例えば、ゴールドミラーは通常のゴールド(オレンジ)にミラーを重ねたようなものだと推測されるので、全天候型で晴れにも強いというものである。ゴールド・ライトよりも、ミラーが入っている分、晴れに強いようだ。
だけど、さすがに超ピーカンだと、このようなゴールドミラーでも眩しいようで、それでローズ・プラチウムという晴れで実力発揮できるレンズも存在するのである。このレンズは往来あったミラー、晴れはいいけど、曇りは適さない、というものだ。
ひじょうに乱暴なまとめ方であるが、往来、ミラーのレンズは晴れ専用だったけど、最近は曇りでもOKのものも多くなった。だけど、依然として晴れで実力を発揮できるミラー・レンズもある。ミラーの場合には、以上のことから選択の混乱も起こりうるので、そのメーカーのカタログを取り寄せたり、そして何より店員の方に確認したい。
ちなみにカタログでは、だいたいどこのブランドでも、晴れから曇りどのレンズが適しているか、という表があり、わかりやすく紹介してくれている。
結局、何を買えばいいのだろうか?
これは、この特集のまとめになるテーマだろう。
まず、何を買えばいいのか。それは、その人の目のコンディションに委ねられる。
自分のように多少の晴れでも眩しくないという感じの人は、ローズ系が1つあれば問題ない。
さらにオシャレにミラー系にしたければ、晴れで実力発揮の最強ミラーのローズ・プラチウムもあればいい。出費は痛いが、もう1つのレンズを持つのだ。
それか、ゴールドミラーのように全天候型のレンズを1つだけ持っているのも手。ちなみにミラー系の方が、値段は高くなる傾向。
ところで、いつも自分は何か購入したいその商品知識が貧しい時、「じゃあ、店員さん、あなたの親友に選ぶなら、どれにするの?オレはあなたの親友のようアドバイスがほしい」と聞いてみたくなる。
以上のような質問をそのまま、今、読者から受ければ、こう答えるだろう。
スノーボードを年間5回しか行かない方
「ローズコパーのような全天候型のものを買いましょう。」
スノーボードを年間5回しか行かないけど、人とは違ったものを多少高くてもいいから購入したいという方。
「ゴールド・ミラーのように全天候型のミラーを買いましょう。だってミラーってカッコいいから。」
スノーボード年間10回以上。かなりハマってしまって、3度の飯よりスノーボードというタイプの方。
「ゴーグルは2つあると便利だから、おもいきって2つ購入しよう。
だって、レンズが曇った時など、もう1つのゴーグルあると助かるし、何よりゴーグルのレンズだけの取替えって面倒だ。だからゴーグル1つでレンズ2つあってもどうかな、と思う。
全天候型のローズコパーに、晴れで威力発揮のローズ・プラチウムとか。おもいきって2つ買いましょう。」
以上、かなり乱暴だけど、なるべく誰にでもわかるようにお伝えした。
ここで、自分がカメラにレンズをゴーグルレンズをくっつけて、撮影した写真(注:どんよりした天候、曇りで撮影)を紹介しよう。
写真設定により、その明るさは微妙に違うし、何よりパソコンの画面により、違う見え方するので、あくまでも参考にしかならないけど、それぞれのレンズでこんなふうに見えるんだ、ということを参考になるか、と思う。
ローズ。全天候でOKだが、晴れよりも曇り向き。 | イエロー。曇りで威力発揮。晴れでは使えないほど明るい。 |
クリアーは、ナイターで使おう。 | ブルー・ミラーと呼ばれるレンズ。ミラーならではのカッコ良さがあり晴れの日はOK。だけど、曇りの日には暗くて使い難い。 |
さらに、Smithのwebサイトでは、そのイメージが確認できるページもあるので、そちらもぜひチェックしてみてね。
http://www.opticallydelicious.com/v2/
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実際の見え方のシュミレーションができて、おもしろいし参考になる。 |
以上のページから、ゴーグルの写真のLAUNCH SNOWをクリック。
そこからSIMULATORをクリックすれば、北米のパークであたかも自分がいるかのごとく、レンズの見え方のイメージが描けるぞ。
SMITH深山氏からのアドバイス ミラーレンズの本当の役割とは? |
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視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚で五感。 僕たちはSMITHってブランドのゴーグルを扱っていて、それはもちろん最高だと信じているし自信もあります。だけど、これが100人中100人にとってパーフェクトではないのも事実。十人十色とはよく言ったもので人の眼や顔の形はそれぞれです。A君には最高でもB君には全く合わない、フィットしないなんてことは良くある話。だからゴーグルを選ぶ時には必ず試着するのをお奨めします。できればビーニーもかぶってできるだけ山に行く時に近いスタイルで試すのがベスト!いくらかっこいいデザインでも機能とフィッティングが伴わなければそれはあなたにとって最悪のゴーグルってことになってしまいます。もちろん僕たちのSMITHゴーグルは最高のパフォーマンスと全ての人にフィットするっていうのを目指しているので先ず一番に試してみてください!
そして本題のチョット専門的なレンズの話。 それでは、ミラーレンズはどうなのってことなんだけど、その名の通り余計な光を鏡のように反射させているのです。眼に届くのは必要な光の色の要素だけ!つまり余分な光の色や要素を眼に届く前に反射させてしまうから不要な光は眼に入ってこないってこと。だからナニ?どうでも良くない??って思うでしょ?けど違うのです。実はミラー加工によって余計な光の要素が眼に入ってこないってことはかなり重要なことで、知らないうちに眼の疲労度が大きく違ってくるのです。 SMITHでは最高の素材のレンズに高度な技術でミラーコーティング加工をしています。これにより様々な余計な光の要素を反射させているのです。ダメダメなミラーコーティングのゴーグルってのはチョットのキズからミラーコーティングがベロベロと剥がれてきてしまうものもあるようですが、SMITHのミラーコーティングにはそんな心配は不要!特赦な素材と加工によって機能と耐久性を最大限まで高めています。これがミラーレンズとノンミラーレンズの性能と価格の差なんです。見た目がカッコいいのはもちろん、ミラーレンズの本当のメリットここにあるのです。SMITHでは新色のGOLD MIRROR,昨年デビューのNEWスタンダードのSENSOR MIRROR、,特に晴れの日に最高なROSE PLATINUMと3種類のミラーレンズを揃えています。ぜひ自分に合ったレンズを見つけて下さい。 最後に少しだけSMITHゴーグルの宣伝を。。。 |