
日本でも最近、欧米のスキー場の価格の高さが話題になるが、価格の高さはリフト券だけではない。なんと、アメリカの人気スキーリゾート「ベイル(Vail)」では、2025年冬季シーズンから駐車料金が最大50ドル(約7,500円)に引き上げられることが決定した。これは昨シーズンの40ドル(約6,000円)から25%の増加となる。
ベイルの駐車料金の詳細
ベイルの駐車料金は、2025年11月14日から新たな料金体系で運用される予定だ。具体的には以下の通りである。
- ピーク日(金曜日〜日曜日、祝日):1時間あたり10ドル(約1,500円)、最大5時間までの課金で最大50ドル/日(約7,500円)
- 非ピーク日(平日):1時間あたり10ドル(約1,500円)、最大3時間までの課金で最大30ドル/日(約4,500円)
- 最初の1時間:無料
- 午後3時以降に入庫:翌朝まで駐車する場合は60ドル(約9,000円)
この料金は、老朽化した駐車施設の維持管理費用を賄うために導入され、年間約40万ドル(約6,000万円)の追加収入を見込んでいる。
駐車場の立地とアクセス
ベイルの駐車場はスキー場の中心部から徒歩圏内にあるものの、やや歩く必要がある場合もある。
- ベイルビレッジ駐車場:ゴンドラ1(Gondola One)まで徒歩約7分
- ライオンズヘッド駐車場:イーグルバーンゴンドラ(Gondola 19)まで徒歩約5分
無料のインタウンバスで両ビレッジ間を移動できるため、荷物が多い場合や雪の日はシャトルバスの利用がおすすめだ。
ウィスラーとの比較
筆者が住むカナダのウィスラー・ブラックコムでは、駐車料金は1日あたり20〜25カナダドル(約2,500〜3,000円)が一般的である。これに対し、ベイルでは50アメリカドル(約7,500円)と、倍以上の価格となっている。
しかも、ベイルの駐車場はロット1からロット3がビレッジゴンドラまで徒歩3〜6分程度の距離にあり、ロット4・ロット5の遠い場所でも無料のシャトルバスが運行している。また、1か月の駐車パスは、最も高額なロット1〜3でも約100ドル程度で購入できる。それでも地元の人々からは「駐車料金が高すぎる」という不満の声が多く聞かれる。
まとめ
ベイルの駐車料金の引き上げは、施設の安全性と利便性を確保するために必要な措置である。訪問者にとっては負担増となるものの、早めの到着や公共交通の活用で快適にアクセス可能だ。SNS上の反応を見ると、便利さを支持する声もあれば、「高すぎる」と嘆く声も多く、賛否が分かれていることがわかる。欧米のスキー場では、リフト券だけでなく駐車料金や交通手段も含めた事前計画が重要であることを改めて認識させられる事例だ。
駐車料金に関するSNS反応
ベイルの駐車料金引き上げに対して、SNS上では様々な声が上がっている。
「$50も払ってまで駐車する人がいるのか信じられない」
「もうVailには行かない。ヨーロッパのスキー場のほうが安い」
「駐車料金を含めると家族で1日1,000ドル超え。とても手が出ない」
「無料のインタウンバスやホテル駐車場を活用すれば回避できる」
「リフト券に比べればまだ安い。結局、便利さの代金」
といった意見が見られる。
中には、以前の駐車料金やスキー体験を懐かしむ声もあった。
ネガティブな声としては、
「家族で1日1,000ドル超え。とても手が出ない」
「Corporate skiingはスポーツを台無しにしている」
「駐車料金も含めてアメリカのスキーは富裕層向けになった」
「Vailは高すぎて、昔のようにスキーを楽しめない」
などがある。
一方で、ポジティブ・実用的な声もあり、
「無料バスやホテル駐車場を活用すれば回避できる」
「便利さを考えれば妥当」「昔と比べると高いが、便利で快適なアクセスの対価」
といった意見がある。
さらにユーモアや皮肉を交えた投稿も多く、
「新しい冬のラスベガスだ🤣」
「$50の駐車料金はチーズバーガーと同じくらいの価値だ」
「資本主義って素晴らしいね!」
など、読み手に笑いを誘うものも見られる。
全体を見渡すと、便利さや立地を評価する声もある一方で、「高すぎる」「もう行かない」という不満の声が多く、賛否が大きく分かれていることがわかる。
