
ノルウェー北部、リンゲンアルプス。その荘厳な山並みに刻まれた一本の美しい斜面「Open Book」。遠くから見る限り、それはまるで完璧な“パーティーラン”──ワイドオープンなパウダー、滑らかなライン、そして笑顔に満ちたライド。しかし、Antti Autti(アンティ・アウッティ)、Jeremy Jones(ジェレミー・ジョーンズ)、Elena Hight(エレナ・ハイト)がその斜面にたどり着くまでには、少々想定外の“スクランブル(登攀)”が待っていた。
本作は、Anttiの最新スノーボードフィルム『Aesthetics』(Jones Snowboardsとのコラボレーション作品)撮影中に記録された「Arctic Lines」シリーズのエピソード。ラインの美しさだけでなく、そこに至るまでの“ちょっとしたサンドバギング(あえて過小に伝えること)”の裏話もユーモラスに描かれている。
アンティが数週間前に夕陽の中で見つけたそのラインは、まさに「夢の斜面」。しかし、山岳ガイドの「ちょっとしたスクランブル」という言葉を真に受けた結果、彼らはなかなか手強い尾根のクライミングに直面することに。
とはいえ、雪は最高。ラインは美しい。ミスなくトップにたどり着けば、そこには仲間たちと分かち合う至福のターンが待っていた。「Open Book」の名のとおり、開いた書物のような地形は、短いシュートから広大なオープンバーンへとつながり、ライダーそれぞれの表現が光るステージに。
映像終盤では、ジェレミー・ジョーンズのライディングに刺激を受けるアンティの姿も描かれ、世代を超えたリスペクトとスノーボードへの情熱が伝わって来る。
“Just a small scramble”──その言葉に込められた雪山のリアルを体感できる、まさに一冊の本を読み解くような10分間。北極圏で繰り広げられる本物のアドベンチャーを、ぜひ!
Featuring:
Antti Autti
Jeremy Jones
Elena Hight
Fredrik Aspö
Cinematography: Jaakko Posti, Mikko-Pekka Karlin, Markus Kumpula
Director: Miikka Niemi
Editor: Henry Kestilä
Colorist: Jussi Rovanperä
Sound Designer: Heikki Illikainen
Subtitles: Olli Oilinki
Produced by: Antti Autti