オンシーズンからオフシーズンの変わり目。
多くのスノーボーダーの方は、「しばらく滑れなくて寂しいなあ。」と考えていると思います。
僕も同じ気持ちです。
やる気が漲っているライダーさんは、「ライバルに差を付けるチャンス!」とばかりに、インドアに通ったり、海外に出たりする人もいるでしょう。
だけど、僕はオフはオフでしっかりと休むことが大切だと思います。
スノーボードから離れて、スケートやったり、サーフィンしたり、その他、どんなスポーツでもいいから、身体を動かすといいでしょう。横乗りに限らず、夏の自然を感じれるハイキングもいいと思います。
身体を動かす習慣があれば、体力を維持し、強化することもできます。
スノーボードだけで付いた偏った筋力も解消できるでしょう。
例えば、マリンスポーツをやれば、サーフィンなどで半身を強化できるし、水泳では、持久力を付けることもできます。
特にスノーボーダーは上半身をあまり使わない傾向があり、偏った筋力バランスは怪我の元。この夏のチャンスに、普段使わない筋力を鍛えるべきです。
日頃から身体を動かしていれば、自分が脳でイメージしたことを、アクションにも移しやすいですね。
イメージしたことを、実現する能力は、スノーボーダーにとって不可欠ですが、そういった能力は、他のスポーツでも高めることができます。
そして何より、オフの効果は、オンとオフをしっかりと分けることで、スノーボードをするモチベーションを高め続けることができること。
言い換えれば、オンとオフの境が弱い人は、モチベーションが下がったり、集中力が弱まったりする可能性もあると思います。
モチベーションが余り余っているような方は、夏でもガンガンやってみてもいいんです。
室内に通ってもいいだろうし、ニュージーランドに行ってもいい。
だけど、怖いのは、常に滑れる環境がダラダラあることで、そのことによりモチベーションが下がったり、集中力が弱まることなのです。
僕も以前、雪を求めて、行動していた時期がありました。
確かに、最初の2年間ほどは大きな効果があったと感じています。
冬はカナダ、夏はニュージーランドでもまた冬というふうに。
しかし、ニュージーランドも3シーズン目以降になると、なんかそのレールに乗ってそこから離れられないような感じで、続けて行った感じでした。
続けていれば上達するだろう、と考えていましたが、今、考えると刺激が弱かったと思います。
慣れ親しんだ環境過ぎて、向上心が弱くなっていたのです。
これから夏に入るから、夏らしく、遊べばいい!
きっと、夏を一生懸命満喫したら、冬が恋しくなるでしょう。
スノーボードがうまくなりための特効薬は、「滑りたい!」という気持ち、「楽しみたい!」という意欲です。
ある有名な哲学者は、「悲観主義は感情によるもの。楽観主義は意志によるものである。」と言います。
そう、楽しみたい!幸福でありたいという感情は、自ら僕たちが生み出すもの。夏には夏のできること。楽しいアクティビティをやって、冬に向けてモチベーションを高めていくといいでしょう!
それぞれの気持ち的な部分で、考えればいいことです。
熱い人は、夏でもガンガン滑ればいい。
ほのかに恋しい人は、ちょっと休んでオフを満喫して。
そして、もうクールに冷めてしまった人。惰性に流されないで。ちゃんと休みましょう!
暑い夏は、ダラダラしたくなるかもしれないけど、「よっこらしょ!」とばかりに、ちょっと散歩。外の空気を吸って、軽いジョギングするだけでも良い気分になると思います。
さあ、早速今から、外に出てお天道様にご挨拶を!
飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴33シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWing誌では、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、シーズン中に一回は日本へ帰国しコーチングも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、今なお世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!