現実と夢の境界を彷徨う──『Mountains of the Moon』ティーザーが放つ異世界感

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クリス・ベンチェトラーによる最新作『Mountains of the Moon』のティーザーが公開された。
正直、最初に見た瞬間「なんだこれ?」というのが率直な感想。けれど、その“わからなさ”が妙に心に残る。

レーザーが夜の山肌を照らし、プロジェクションマッピングが自然の曲線をなぞる。
ただのスノームービーじゃない。光と影、現実と幻想の境目を滑っていくような映像体験だ。

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この作品には、ダニー・デイヴィスやエレナ・ハイト、ミシェル・パーカーらが参加。
そして音の軸には、あのグレイトフル・デッド。
滑り、映像、音、アート――すべてが混ざり合い、“体験”として成立している。

『Fire On The Mountain』の流れを継ぐ本作だが、より深く、より不思議な世界へと踏み込んでいる印象。
自然の中で感じる“トリップ感”を、ここまでビジュアル化できるのはベンチェトラーならではだろう。

ティーザーだけで十分に異世界。
夜の闇と光の中に吸い込まれる感覚。
スノーボードやスキーという枠を越えて、ひとつのアートとして観る価値がある。

11月15日、映画とアートインスタレーションが同時公開予定。
この冬、山で味わうトリップの感覚を、まずはこのティーザーで体験してほしい。

クリス・ベンチェトラーとは?

クリス・ベンチェトラー(Chris Benchetler)は、アメリカ・カリフォルニア州出身のプロスキーヤーでありアーティスト。
バックカントリーを舞台にした自由な滑りで知られ、スキー界に“滑りをアートにする”という新しい価値観をもたらした人物だ。

スキー板ブランド「Atomic」からリリースされている彼のシグネチャーモデル「Bent Chetler(ベントシェトラー)」は、パウダースキーヤーの間で定番中の定番。自身が手掛けるアートワークがトップシートに描かれているのも特徴だ。

また、映像作品『Fire On The Mountain』(2019)では、グレイトフル・デッドの音楽をベースにスキー・スノーボード・サーフィンを融合。自然、音、光、アートをひとつの“体験”として表現した。今回の新作『Mountains of the Moon』もその延長線上にある。

プライベートでは、プロスノーボーダーのキミー・ファサニ(Kimmy Fasani)を妻に持ち、カリフォルニア州マモスを拠点に自然と共に暮らしている。夫婦そろって山とアートを愛し、互いの活動を支え合う存在だ。

スキーとアート、そしてライフスタイル。そのすべてをつなげて表現する、“滑るアーティスト”がクリス・ベンチェトラーである。

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