
Cover photo: @mah_shee
世界中のスキーヤーやスノーボーダーを魅了する「ニセコ」。ドライで軽いパウダーと広大なフィールドはすでに有名だが、混雑を避けつつ極上の雪を楽しめるスポットを知る人は少ない。
今回は、地元・北海道泊村出身でニセコを拠点に10シーズンを迎えるスノーボーダー、宮谷賢吾(Ken5 a.k.a Peter Pan)が選ぶ「ニセコ・パウダーの穴場」を紹介しよう。

目次
ニセコの定義とゲートシステム
「ニセコ(Niseko)」と呼ばれるエリアは、Niseko Unitedに所属する4つのスキー場、ニセコグランヒラフ(Grand Hirafu)、ニセコHanazonoリゾート(Hanazono)、ニセコビレッジスキーリゾート(Village)、ニセコアンヌプリ国際スキー場(Annupuri)の総称だ。
さらに「ニセコエリア」と言う場合は、周辺のモイワなども含む広域を指す。
特徴的なのは、11か所に設置されたゲートシステム。スキー場外へ出る際は必ずゲートを通る必要がある。中には完全なバックカントリールートもあり、自己責任で十分な準備が求められる。

入り口では必ずスキーパトロールが立ち、利用者に注意を促している。
穴場スポット ① ニセコビレッジスキーリゾート
グランヒラフやHanazonoと比べ、比較的すいているのが魅力。縦長のコース構造の中に沢や地形が点在し、雪が積もれば多彩なラインを描ける。
上級者に人気なのはゲート11・水野の沢。斜度・地形ともに滑り応え抜群で、条件が揃えば一気に混み合うが、それでも狙う価値がある。

降り場からGATE3を通り、ハイクアップすればバックカントリーエリアへアクセス可能。
穴場スポット ② ロイズ(ローカルネーム)
グランヒラフからHanazonoへ向かう途中に広がる非公式エリア。緩斜面ながら範囲が広く、降雪直後は人の流れ次第でパウダーが長く残る。林に囲まれて雪が積もりやすいのも特徴だ。
最後はグランヒラフのキャットトラックに戻るため、最低限のパウダー滑走技術があれば楽しめる、ローカル定番の“裏名所”。

自己責任でアクセス可能。広大なエリアを滑走できる。
穴場スポット ③ ナイタースキー
Niseko United所属の4スキー場すべてがナイター営業を実施しています。
特にグランヒラフは国内最大規模で、ゴンドラ2機を夜間運行。降雪が重なれば、ライトアップされたパウダーを楽しめます。
Hanazonoのナイターパークは小規模ながら遊び心あふれるコースがあり、日中とは違った雰囲気を満喫できます。
上級者におすすめ
グランヒラフ・スーパーコース
斜度があり、上級者でも楽しめるコース。確実にパウダーを狙えます!

白銀の光が夜空を照らす。
穴場スポット ④ ニセコモイワスキー場
Niseko Unitedの共通パスには含まれない独立系スキー場で、2つのゲートを備える。混雑が少なく、積雪量も十分。斜度は比較的ゆるめだが、アンヌプリ方面と行き来できるバックカントリーの魅力は大きい。
春には地元ショップLOWSTARが手掛けるMoiwa Spring Parkも展開しており、Niseko Unitedとはひと味違った楽しみ方ができる。

モイワスキー場は、ニセコUnitedほど混雑せず、雪が降ればパウダーが残っている可能性が高い。
斜度が緩いところは注意!
一見すると初中級者にやさしい緩斜面ですが、大雪の後は注意が必要です。斜度が緩いと、かえってスタックしやすく戸惑うことがあります。
例えば、ロイズはナイターで滑れないため、夕方以降に降雪があると朝イチのコンディションは最高です。しかし、斜度が緩いため、大雪の後はスタックに注意しましょう。
3月以降もパウダーチャンスあり!
ニセコは3月以降も降雪があります。トップシーズンほどではありませんが、標高の高いコースなら春のパウダーもおすすめです。
天気予報をチェックしながら、春のパウダー狙いも楽しんでみてください。
ニセコの楽しみ方は「ガイド」とともに
ニセコエリアには数多くのガイド会社が存在し、外国人客の多くはガイドを付けて滑っている。安全確保はもちろん、ローカルしか知らない雪質や地形を最大限に楽しむためにも、経験豊富なガイドに案内を依頼するのは有効だ。

スキーガイドのツアーに参加すれば、ニセコの広大なバックカントリーエリアを存分に堪能できる。
ニセコルール
このルールは、スキー場外での事故防止のために設けられています。
かつてニセコは、国内で最も雪崩による死亡事故が多い山でした。
ニセコは新雪滑走の自由を尊重すると同時に、みなさんの安全を非常に重視しています。
安全な滑走のために、以下のルールを必ず守ってください。
1.スキー場外へは必ずゲートから出なければならない。
2.ロープをくぐってスキー場外を滑ってはならない。
3.スキー場外では、安全に滑走するために、ヘルメットと雪崩ビーコンの装着が最低限必要と考える。
4.ゲートが閉じられている時はスキー場外に出てはならない。
5.立入禁止区域には絶対に入ってはならない。
6.小学生のみのスキー場外滑走を禁止する。
詳しくは以下ページをご参照ください。必ず現地に行く前に読んでください。
ニセコルール公式ページ
まとめ
ニセコのパウダーは世界トップクラスだが、混雑を避け、穴場を狙えば、より自由で濃厚な体験が待っている。
ローカルである宮谷賢吾が語るように、「知っているかどうか」でニセコの遊び方は大きく変わる。あなたも次の旅で、自分だけのニセコ・パウダーを見つけてみてほしい。
宮谷 賢吾

インスタ: @ken5_a.k.a_peterpan
北海道・泊村出身。ニセコを拠点に活動するスノーボーダー。
幼少期からニセコのゲレンデに親しみ、シーズンを通して滑り込むようになり、今シーズンで10年目を迎える。
これまでにNiseko Unitedを中心に、バックカントリーからパーク、リゾート全体を知り尽くすローカルライダーとして経験を積み、ディガー、インストラクター、リゾートガイドといった多彩な顔を持つ。国内では福島・猫魔(現ネコママウンテン)、海外ではカナダ・ウィスラーやバンフでもシーズンを過ごし、雪山と共に生きるスタイルを確立してきた。
その人柄とライディングには、“ピーターパン”を人生のテーマに掲げるような遊び心と探求心があふれている。
ビールを愛し、そして何より雪を愛する。
ニセコのバックカントリーに立つ姿は、自由に空を駆けるような存在感を放つ。
スポンサー
@endeavorsnowjapan / @airholefacemasksjapan

