ヒップとパイプが融合した新しいスーパーパイプ・コンテストでもやはりオリンピック金メダリストは強かった。
DEW TOUR注目のモーディファイド・パイプは、クロエ・キム(アメリカ)が優勝。
2位はマディ・カストロ(アメリカ)、3位にはケラルト・カステリェト(スペイン)が入った。
日本人では、松本遥奈が出場し、5位に入り大健闘。
優勝したクロエ・キムは、最初のヒップでご挨拶代わりにスイッチバックサイド540を決め。
パイプではスイッチからアプローチしてキャブ900。
続いてパイプでは意外と難しいヒールエッジからのトリック、バックサイド360。
さらに、マックツイストをきれいに決めて、パイプアウトするところでは、フロントサイド360。
最後は大きくてスタイリッシュなインディ締め!
通常のクロエのパイプランでは、さらにもう一回転上の1080を繰り出すが、このスパインとヒップの融合する新スーパーパイプ・フォーマットでは、ライディング環境がより上がるために、スピン数も抑えがちとなるようだ。それでも、他の実力選手を押しのけて、優秀するあたりはさすがパイプ界の新女王。しばらくはクロエ時代が続きそうな勢いだ。
Women’s Snowboard Modified Superpipe Finals Results
1 Chloe Kim, 94.67
2 Maddie Mastro, 88.00
3 Queralt Castellet, 85.33
4 Jiayu Liu, 82.67
5 Haruna Matsumoto, 81.00
6 Arielle Gold, 71.00
7 Zoe Kalapos, 61.67
8 Summer Fenton, 51.67
スパイン、ハーフパイプ、ヒップの違いは?
今回ハーフパイプの上部にスパインが設置され、また下部のところにヒップが設置されたわけだが、そもそもスパインとヒップって何だっけ!?
まずハーフパイプは、スノーボーダーのみなさんならおわかりのハズ。パイプを半分に切った半円形のデザイン。オリンピックでも人気種目で、平野歩夢やショーン・ホワイトなどがその舞台で大活躍。
スパインというのは、背中という意味があるのだけど、ようは恐竜の背中とかサイのような背中をイメージしてみてほしい。真ん中が高くなっている。このスパインでは、左右両方からアプローチしてジャンプできる特徴を持つ。
ヒップというのは、ジャンプできるアプローチは片方だけだ。一見すると、パイプを半分に切ったクォーターパイプにも似ていて、ほぼ同じ形とも言えるけど、クォーターの方はパイプのように同じ壁で行って返って来る感じ。対して、ヒップの方は、キッカーのようにフォールライン(谷側)に流れてジャンプする特徴を持つ。スパインを真っ二つに割ったようなデザイン。
スノーボードのフリースタイル種目は、現在、パイプとスロープスタイルがあり、出場する選手もほぼ分かれてしまったけど、今後、こうした今大会で採用されたようなデザインがメジャーになれば、さらにパイプとスロープ選手の融合も見られるだろう。よりオールラウンド的なフリースタイル選手を決める意味でも、ユニークな試みと言える。