【SIAレポート】展示会総括

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SIAがラスベガスでやらない、と聞いた時、正直、もう行きたくない、とちょっと思ってしまった。
仕事なのに不謹慎に、と思うかもしれないが、北米のリーティラー(ショップ)や、その他、メーカー関係者も一様に同じことを言っていたのである。一年に一度のビジネスを兼ねたパーティ・タイム。それがコロラド・デンバーに移ることで、なくなってしまったのだ。

この青い巨大熊のモニュメントがあるところがSIAの展示会場だ。

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しかし、実際に行ってみると、思っていた以上に盛り上がったいた。出展しているメーカーは多かったし、来場している人たちも多かった。また例年あまり見なかった日本人もこれまで以上に来ていたように見えた。
いろいろな業界人の方と知り合い親交を深めることもできた。ちょっと迷ったけど行って良かったな、と思った。

これほど盛り上がった要因は、最初の一年目なのでどんなものなのか?行ってみよう!ということがあったのだと思う。
また、この展示会後に各メーカーが行う試乗会を楽しみにしていた、ということもあったのだろう。

それともう1つ感じたことは、日本以上に深刻のハズのアメリカが、意外にも萎縮していないという点だった。「将来を不安がっていたところで始まらない、だったら売れるブランドをしっかりと見極めていこう」という機運があったと思う。

これは国民性の違いと、ネガティブな情報をやたらに垂れ流す日本のメディアも要因なのだと思う。ここ1、2年の日本のウィンタービジネスを取り巻く状況は、あまりにもネガティブなのだ。もちろん、気をつけないといけない厳しい時代であるが、日本では必要以上にネガティブになっている感がある。

勝ち組負け組みとカンタンに片付けてはいけないと思うが、勢いを感じるメーカーもあれば、守勢に入っているメーカーもあるように見受けられた。

間違いなく勢いがあったのは、Yesnowboardsだ。
小さいブースということもあるのだろうが、いつも人でごった返していた。
ボードはブース中に散乱していて、その上、平気で土足で人々が歩き回り、ビールを飲みながら商談している。
イエスは布施忠、DCP、ロメイン、JPソールドバーグといったスター集団がオーナーである。その彼らが直接、リーティラーに紹介しているので、どこよりもインパクトが高かったということもある。そういった意味では、どこのブランドよりも気合が漲っていた。
またイエスが上昇したもう1つの原因には、原点回帰ということがあったのかもしれない。ここ最近スノーボード界の流れでジブというものがある。それは何かできないトリックができたというような達成感の流れでもあったか、と思う。しかし、イエスのライダーたちが求めているのは、根本的な山を滑る楽しさだ。だから、まさにスノーボーディングが好きな人たちは、イエスが求める方向に流れて来たのではないか、と思ったのだ。

大きなブースは人が入っていないと寂しい感じになるのだが、そんな中でも元気があったのは、Burtonだ。
バートンは、説明するまでもなくこの業界にリーディング・カンパニーだ。守ることなく、バインディングのスタンス設定システムやVロッカーのボードなど、常に革新的な動きをしている。元々ポテンシャルがあるところに、攻めの姿勢を見せるところに強さがあると思った。
また、Burtonは、数々のヒット・モデルを出し、そういった安心感も根底にあったと思う。
Burtonは、この不景気により最近、レイオフという辛い選択をして来ているが、やはりリーディング・カンパニーらしく王者の風格があった。

   
ベガスを懐かしむようにバートンのブースはギャンブル展示。今年もSIAで横綱級規模の展示スペースだった。 イエスは狭いということもあるけど、ともかく人でごった返し。最も勢いを感じた上昇ブランドだ。

その他、盛り上がっていたのは、Stepchild、Skallcandy、Dakineなど。

そのブースに人が溢れて勢いがあったかどうかというのは、たまたま自分が訪れた時間体などにも影響するのだが、それでも3日間周ってみて、ある程度の真実は見えたかと思う。

逆にやや心配な印象を与えたのは、Rome、Forum、DCだ。
Romeは毎年上昇して来たブランドで、ここ数年ブースも大変盛り上がっていたところだ。しかし、今年の展示会ではそれほど多くの人が入っていなかったように見えた。上昇ブランドだけに一呼吸ということなのかもしれないけど。どんなブランドでも成長期があり、また停滞する期間があるもの。次へのステップアップのための小休憩というところか。しかし、新システムのブーツには注目が集まっていたぞ。

Forumはライダー陣が最強だし、ボードのデザインもとても良かったと思う。人が少なかったのは、理由がわからない。先に個展で、見せてしまったことも考えられる。ブースが大きいだけに、スカスカした印象を与えてしまうということもあるのだろう。

DCは、ビックリするほど展示スペースが小さくなっていた。
過去2年の展示会では、入り口のところに受付があり、部外者のような者は入れないような雰囲気があった。上昇ブランドだけに許されたクローズド感の演出でもある。ビジネスの取引がない者には、勝手に新しいデザインは見せないよ、という感じだったのに。だけど、今年はオープンで誰でも気軽に見せちゃっていたし、縮小されていて何とも寂しい感じだった。
本来なら、Burtonを脅かすぐらいの勢いを出して、業界を活性化させてほしいブランドなんだけど、そういったエネルギーは見せれなかった。
思えば、最初にDCがボードをやる!と言った時が一番ピークで、いざボード販売戦争に参入したけど、今では劣勢に回っているような状況にも見えてしまう。
DCは業界でも屈指のライダー陣を揃えているのだから、Forumのようにインパクトあるムービーを作って、攻めて来てほしいものだ。

バインディングに関しては、全体的に守勢のような状況になっていたと思う。
バインの新しい型を起こして、新モデルをリリースするということは何百万という経費が掛かるもの。この不景気により新規の型作りは難しい。とりあえずは、これまでのモール(型)を利用して、経費削減というふうに読み取れた。

ちなみにゴーグルにしてもバインと同じような状況で厳しいようだ。しかし、ゴーグルはバイン以上にファッションさを演出しやすいので、そういった意味では新鮮な印象はあった。

だけど、最終的なジャッジメントは、ユーザーの方々にお任せしたい。正直、すべてのブランドをしっかりとチェックするほど時間がなかったし、一人や二人の人間で、正しくジャッジングできるほどの小さな規模ではないのだ。何と言っても世界最大のスノー展示会なのだから。

   
デンバーにSIAがやって来た!12年間契約して招致したということなので、あと11年はこの地で開催。 デンバーの街も歓迎ムード。なんと1万8千人もの人がこの展示会のために来たという話。
   
   
これまでのベガス展示スペースと違ってくの字でなく、正方形でさらに大きなスペースを確保。 こんなふうに北米で販売しているスノー雑誌が自由にもらえるようになっているんだ。

これまでニュースでいくつか紹介して来たSIAレポートは、主にデザイン面を見せていて、さらに細かい機能面などでのディティールを見せて来なかった。
だから、来週からスタートする日本の展示会レポートでは、もっと詳細にこだわりたいし、また日本ならでの盛り上がっているブランドもご紹介したい、と思う。

抽選で1名様にプレゼント!

これまでレポートを読んでいただいたみなさん、ありがとうございました!

ここで突然ですが、抽選で1名様にプレゼントです。
今回の展示会期間中にいただいたものを、プレゼントします。
トランズ賞を取ったジョン・ジャクソンを応援するベースボールキャップや、一般の方には手に入れられないNomisの来季のカタログなどあるよ。

ぜひ、dmkに感想(一言でもOK)を添えてメールください。
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http://siasnowshow.snowsports.org

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