【最新DVD感想記】 Neverland – Absinthe Films

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このコーナーは、dmkフサキ編集長による最新のスノーボードDVDの視聴感想記です。 ご購入の際にご参考ください。

世界3大レーベルの一角。大御所アブシンスの最新作。(注:他2つはスタンダードと、今年から解散!?してしまったマックダウ。)

 Neverland – Absinthe Films

最初のパートを任されたのは、ニコラス・ミューラー。
人口構造物キッカーなしのナチュラルにトゥリー・パウダーを攻める映像が流れる。
下からアングルの画だけでなく、アプローチ状況がよくわかりライダーの気持ちになれる上からのアングル、さらには臨場感が伝わる追い撮りも多く、ニコラスのライディングの魅力をうまく伝えてくれる。この作品全体を通したアブシンスならでの撮影手法。
途中からイェロ・エッタラも加わり、ダブルフリップを披露。
セッション・パートナーのニコラスも負けじとかなりロングなトゥリーでジビングしたり、立っている木を使ってロデオを決めたり。いやあ、恐れ入った。やっぱこの二人、ハンパなくうまいね。パークでの人口物と違って自然のアイテムをかなり難しいのに、映像を見た限りほとんど手入れなしで自然のアイテムで縦横無尽に遊びまくる。
通常ライダーの1つのパートというと、様々なロケーション地で撮影されるが、ここは1箇所にこだわっての撮影パート。こうすることで、よりライダーの滑りに感情移入できるし、単にトリックを見せるだけなく、ライディングの気持ち良さを伝えることができると思う。
これまで、様々なビデオの様々なスタイルのパートを見たけど、スノーボード歴25年、40歳のフサキ・オジサンには、このパートこそいかにもスノーボーディング!って感じがする。今季のビデオの中でも最も気持ち良く見れるパートだと思った。

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次はロメイン・デ・マルチのパート。
あまりにもダイナミックな映像ばかりで画は引きばかりだが、その迫力は凄い。
さらにDCP、そしてJPソールバーグも登場。ご想像の通り、クリフをダイナミックに攻めるパートだ。
「コノヤロー、バートン。オレたちを首にしやがって!」と言ったかどうかは定かでないが、これまで通り世界トップ級の滑りを見せてくれる。
あまりにも凄い滑りで、このパートだけで思わず「スゲっ」と3回は言ってしまったと思う。
3人共に新ブランドYES SNOWBOARDSライダーのパート。来年は、ここに最近YESに加入した布施忠も加わるなんて、こともあったりして!?以前、本人に、聞いたところ「アブンセンスは好きだ。」とコメントしていたよ。

この後は世界トップ・レベル女子のアニー・ブーランジェ、女王マリア・フランス・ロイのパート。「え、女の子なのにこんなとこ攻めちゃうの?」というクリフ映像もあり。

そして、Dan Brisse(ダン・ブリーズ)のキッカーも出るけどジブ・メインのパートへ。
ここ最近、シモン、JP、ジョーなどのお陰で結構、ジブの画は見過ぎているので、少々のことで驚かないのだけど、最後に出た映像が印象的だった。駐車場の屋上から道を挟んで向こう側の屋上へバック・ワンするシーンだ。落ちたら、道路だから相当に怖い。
さらに最終フッテージのストレート・レールは、相当長いやつで、これもヤバい映像だね。

ボス、MFMも登場!このオッサン、こっちにも出ていたのか。テックナイン・ビデオがメインなので、こっちはご愛嬌と思いきや、結構、フッテージを残している。あいかわらず、「ノー・グラブでも乗れてりゃいいだろ。」と、言わんばかりの攻め方は、楽しませてくれるね。

そして中盤あたりで、遂に横綱が登場。昨年、ザッツ・イット・ザッツ・オールで、スノーボードの賞を総なめにした男、トラビス・ライスだ!今季トラビスを拝めるのは、この作品だけに期待が高まる。
最初、白馬に乗った王子様風で登場した後、「お前にしか着れないだろ!」というようなド派手なアメリカ星条旗ウェアーでライディング映像が始まる。
前菜は、ナチュラル系、次はお得意のキッカー系という感じで、盛り上げていく。あいかわらず「ゴリラの遺伝子でも混ざっているのか!?」というぐらいゴリゴリな攻め。そして3Dトリックも鮮やかかに決めるので、恐れ入った。
でも、トラビスだけに、もうちょっと期待してしまった感もある。まあ、普通に凄いパートなんだけど、トラビスだからねえ・・・、このパートを見た後、やや消化不良にもなった。

ラストに出て来るのは、昨年パークシティを舞台にした制作された『I Ride Park City』にも登場したBode Merrill(ボーデ・メリル)。
その前の前あたりに出ていたボルコム・ボードに乗るギギ・ラフのパートも良かったので、トリかな?って思いつつ見ていたのだけど、結局、このボーデ・メリルがトリだった。
このボーデというのは聞いたことがなかったが、よくよく調べたら以前はマックダウのピープル・クルーとも撮影していて、だけど当時、彼のスポンサー・ブランドが翌年ピープルにスポンサーしなかったことで、登場できなかったという不運のキッズだった。しかし、今年は大御所フィルム・プロダクションズのアブシンスに出て、しかもトリを取っちゃうんだから、出世作になったね!ライダーの知名度に関わらず、こうした実力ある若手を重要なポストに起用するのもアブセンスのカッコ良いところ。
気になるボーデのパートは、ジブからキッカー、ナチュラルでも何でもあり。その実力者ぶりは、ぜひ作品を買ってチェックしてほしい。

まとめ。
こんなこと言ったら他のビデオ作品を制作した方々やファンに叱られるかもしれないけど、「もしもスノーボードDVDを一本しか買えない。」という人がいたら、「極端な話、これだけ買っておけばいいのかも!?」と思わすぐらいの作品だった。というのも、スノーボードのいろいろなおいしさを見せてくれるからだ。有名ライダーから新鋭、さらにはギャング系から細パンのロッカー・タイプ、そして女性トップ・ライダーまで登場し、ナチュラルやらジブなど世界屈指のパフォーマンスをてんこ盛りで見せてくれるからね。それぐらいお腹一杯になっちゃうビデオだった。
スノーボードのビデオ作品は、現在のスノーボードの動きを映し出す鏡でもあるけど、このネバーランドにはそういった要素が多く詰まっていた。
ただ、日本人が一人も出ていない、ってことがちょっぴり残念だったけど。

出演ライダー:Travs Rice、Bode Merrill、Dan Brisse、JP Solberg、Romain deMarchi、DCP、Sylvain Bourbousson、Marc Frank Montoya、Annie Boulanger、Marie-France Roy、Jules Reymond、Wille Yli-Luoma、Wolfgang Nyvelt、Cale Zima、Phil  Damianakes、Nicolas Muller、Kevin Pearce、Eero Ettala、Gigi Ruf、Bode Merrill

制作: Absinthe Films http://www.absinthe-films.com/
国内販売代理店: ビジュアライズイメージ http://www.visualizeimage.com/

 

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