【コーチ・コラム】カナダのスノーボードターン技術⑤

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前回まで紹介した3つのスキル。

1.Stance & Balance (基本姿勢&立ち方)
2.Pivoting & Stering (運動のキッカケ作り)
3.Edging (ターンサイズ&シェイプのコントロール)

実はこの3つだけでターンは十分成り立ちます。
ただし、きれいに整地されていて、斜度が中級レベル以下であることが条件です。
今回ご紹介するスキルを加えることで、より高い難易度の斜面に対応できるようになりますよ。
でははじめましょう!

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4.「Pressure Control」

名前の通り、プレッシャー(圧力)をコントロールするスキルですね。
滑っている最中に影響を受けるプレッシャー(圧力)を考えてみましょう。
以下の2つに分けられます。

◎ 外部から受けるプレッシャー
◎ 自ら作り出すプレッシャー

滑りながら外から受ける外力とは何でしょう?

● 重力
● 遠心力
● 推進力 (進行方向へ進む力)
● 斜面の起伏 (こぶ、悪雪、パウダーなど)

こんなもんですかね?

では滑りながら自ら作り出せる圧力って何でしょう?

● 板を下へ押す
● 板を上へ引き上げる
● ノーズ&テールへの過重と移動
● エッジからエッジへの体重移動

いかがでしょう?

ところでこのプレッシャーのコントロールでどんな効果があるのでしょう?
「外部から受ける力」を見る場合、こんなことが言えますね。

○ 自然の力を利用する
○ パフォーマンスを安定させるために吸収する

次に「自らプレッシャーを作り出すこと」はこんな効果があると考えられます。

○ 外力に加えて、より強いプレッシャーを板に与える
○ 板に掛かるプレッシャーを抜く
○ 掛けるプレッシャーの移動
斜面状況が変わるほど、プレッシャーをコントロールしなければバランスを保てない状況も増えます。
例えば、急斜面であれば下へ落ちようとする力(推進力)が大きくなり、エッジを立てた時に掛かるプレッシャーも増幅します。
パウダーであれば埋まらぬようにノーズを上げていれば、自ずとテール側に多く荷重せざる得ません。
コブであれば、その起伏を吸収したり押したりしなければ、上体のバランスは保てません。
アルペンレースのように、通るラインが決められている場合、急激に次のターンに切り替えたり、また非常にタイトなターンを一瞬で仕上げる場合、エッジからエッジ、そしてノーズからテールへの積極的な体重移動がないと間に合いません。

このようにプレッシャーをよりコントロールできると、より多くの状況に対応した滑りが可能になってくるということなんですね。
では、ターンの中でどのようにプレッシャーをコントロールできるのでしょうか?
具体的な方法を考えてみましょう。
<タイミング>

ターンの中では、プレシャーを掛けるタイミングとエッジを立てるタイミングは同じです。
エッジを立てた時からプレッシャーを掛けることが可能になります。
これはエッジが立った状態が遠心力に対して反発できる状態であるからですね。
エッジが立っていない状態は、重力に対しては反発できますが、遠心力には反発できる立ち方にはなっていないですからね。
ですから初級者は4時、8時。
中級者は10時、2時。
上級者は1時、11時前にはプレッシャーを自ら掛けることができるということです。
<外力の利用法>

外力は「重力、遠心力、推進力、斜面の起伏」などがあります。
これらはそれぞれが違う方向から違う強さで板と体に影響してきます。
それら全ての力を総合した力軸を体で感じながら、体の軸をその力の軸にぴったり合わせること。
これで外力を無駄なく利用することができます。
しかしながらこれはかなりバランス能力を磨かないといけないので、時間を掛かることを覚悟で日々感覚を磨きましょう。

外力を無駄に逃がしてしまうよくある悪い例を挙げておきましょう。

● ターンの内側に頭と上半身が倒れる (頭からターンに入るクセ)
● ヒールサイドターンで尻が過度に内側に入っている (足首が伸びていることが原因)
● ノーズ側過重 (センターより前)
<自ら圧力を掛ける方法>

ターンが始まる12時から2時くらいまでは、遠心力も推進力もなく、重力のみが利用できる力となります。
ここではまず重力に対して真っ直ぐ立つことでしか下へ踏み込むことができません。
フラットでもエッジが立っていても、重力以上の圧力は掛けれないので、この時点ではじっとバランスを保つことに集中した方が良いですね。
このターンの早い時期にエッジを立てている場合、当然バランスも難しいです。
ターンが中盤に近づくにつれて遠心力が加わってきてトータルの外力はさらに強くなります。
そしてこれに対してしっかり体の軸を合わせることでさらに強く踏み込むこと(反発すること)ができます。
この時点では外力を感じやすくなっているので、エッジ上でバランスを保つことが楽になってきます。
さらにターン後半に近づくにつれては、進行方向(フォールライン)に対して板がどんどん横になり抵抗する方向に回って行きます。
ということで、ターン後半に近づくにつれて「重力、遠心力、推進力」すべてに対して抵抗できる状況であるため、あまりバランスに繊細にならなくとも、最大限に踏み込むこと(反発すること)が可能になってきます。
しかしターン前半にバランスをうまくとれないと、ターン中盤~後半で急激にプレッシャーが掛かって、結局ターンを難しくしてしまいます。
ターン前半に良いバランスをキープできると、ターン全体のプレッシャーの分配がスムーズになります。
ですから、ターン前半に良いバランスをキープできるほど、ターン後半にプレッシャーを掛けることも簡単になるわけですね。
<アンギュレーションでさらなる強い遠心力を獲得!!>

さらに、遠心力を高めることもできます!
基本は外力と体の軸がきれいに合わさっていることが重要です。
その軸をキープしながら、上半身(頭&胸)をターンの外側に起こしてあげましょう。
これは「アンギュレーション」と言います。

糸に付けたボールをぶんぶんと振り回しているイメージを持ってください。
参考にこちらもご覧ください。
力学的に、質量を持ったものが回転軸から遠くなるほどその固体が持つことになる運動量(正確には角運動量)は大きくなることになってます。
例えば糸の短いボールを振り回すよりも、糸の長いボールを振り回すほうが、明らかに回っているボールの力は大きいですね。
その2つのボールのどっちに当たったらより痛いか?と考えたら分かりやすいですね。
つまり、ターンで考えた時は、ターン弧に沿って回る頭や胴体が円の内側にあるより外側を回った方が、その外に飛び出ようとする力が強くなります。
その頭と胴体が回転する円(ターン)の外側にあるほど、板に掛かる重さも増えるということになるわけですね。
<圧力を生む上下動の使い方>

きれいに整地された斜面では、よくターンの切り替えで立ち上がり、中盤から終わりにか掛けてしゃがみ込むように教わりますね。
「立ち上がりターン」とでも呼んでおきましょう。
これはターン中盤から後半に掛けて、上記した「アンギュレーション」をとることで強い遠心力を生む為です。
そしてターンの切り替えで一度開放し、再度中盤から「アンギュレーション」で遠心力を増幅させるという繰り返しです。
たとえばヒールサイドのターンで小さくなれば自然と頭と胴体は弧の外側に起きてきます。
ただしトーサイドで小さくなろうとすると弧の内側に頭と胴体が倒れがちですね。
これでは遠心力を増幅させることにはなりません。
トーサイドでは頭と胴体を真っ直ぐ保ったまま、下半身だけを低くしてみましょう。

さて、これを逆にやる「抱え込みターン」という方法もあります。
これは中盤から終わりに掛けて体全体を伸ばすので、アンギュレーションの姿勢とは真逆の運動になります。
これは中盤から増幅していく外力に対して、体を最大限反発させることでより強い圧力を生み出しています。
遠心力に潰されそうになるところを、むしろ反対側に伸び上がろうというわけです。

この2つのどちらも圧力を増幅させる上級テクニックです。
どちらが良いとかではなくて、状況に応じて使い分ける、または2つを合体させても良いわけですね。
今回の「Pressure Control」は中級者が上級者にレベルアップさせるためのスキルといっていいでしょう。
次回は「5 Skill」の最後のスキルです!

http://sportscoaching.blog72.fc2.com/blog-entry-1038.html

 

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