【ギア・コラム】防水性・撥水性・透湿性

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文:ギア博士

今回は知ってるようで意外とよくわからないウェアーの素材の話です。防水性・撥水性・透湿性とはそれぞれいったい何なのか? 知っているともっとウえアを選びやすくなりますよ。

まずそれぞれの言葉の意味を簡単に説明していきましょう。

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防水性
ウェアーの内側に水を通さない性能のことです。簡単に言うと「どのくらい濡れにくいか」ってことです。通常耐水圧という呼び方で表されます。耐水圧○○mmとは1cm×1cmの面積に○○mmまで水の柱を立てても水が染み込んでこないことを表しています。例えば耐水圧20000mmならウエアの上に20mの水の柱を乗っけても水が染み込んでこないと言うことです。この数字が高ければ高いほどそのウエアは防水性が高いと言えますが、防水性が上がると蒸れやすくもなります。

撥水性
水を玉のように弾く加工のことで、防水性とはちょっと違います。車の窓の撥水なんかと同じ意味です。ごくごく少量の水であれば弾きますが耐水圧が高いと言うことではないのである程度以上になると染み込んできます。耐水圧が高い生地には撥水加工がしてある場合が多く、これが誤解の原因となっているようです。でもウェアーが水を弾くと気分が良いですよね。

透湿性
ウエア内の蒸発した汗など湿気を外に出す性質のことです。水滴は通さないが水蒸気は通すという小さい穴が無数にあると透湿性が確保されます。通常耐水圧が上がると透湿性が下がり、透湿性の良い素材は耐水圧が低くなります。耐水圧が高く透湿性が高い生地がベストですがその分高価になります。この数値が高いほどウエアの中がドライで快適です。ベンチレーションとは全くの別物です。

これら3点を良く理解しておくと快適なウエアを選びやすくなります。またなぜ高価なウエアが快適なのかもこれらを高いレベルでクリアーしているからだとわかると思います。ただ、透湿性に関してはベンチレーションとの併用である程度改善できるので単純に数値だけを見るのではなくベンチレーションとのコンビで見極めると良いでしょう。

では具体的にはどの程度の耐水圧があれば実際に濡れないのでしょうか? 晴れた日のゲレンデをメインと考えるなら10000mmと超撥水加工がしてれば充分でしょう。レインウエアの基準で考えると10000mmあれば普通の雨(車で間欠ワイパー以上が必要になる程度)でも耐えられる数値になっています。ただし悪天候でも滑るのであれば20000mmあると心強いですね。無駄に高い数値と思われるかもしれませんが、ウエアの生地の数値は何もない状態で計測しています。実際は人間が着るので部分的に圧力がかかったりして耐水圧が落ちるので無駄に高いと言うことはありません。あとはその耐水性能をどれだけ長持ちさせられるかと言うのもポイントです。同じ10000mmでもすぐに半減してしまうようでは実用に適していません。

今回は生地の説明でしたがこれを知っておくとウエア選びも失敗しにくくなります。あとはお気に入りのデザインを探してください。こればっかりは好みなのでみなさんの自由です。

それではまた次回。

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