W杯開幕戦で角野友基が2位

 

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角野友基のシーズンが早くも始まった!
南半球ニュージーランドでのワールドカップ。2年に一度ニュージーランドのワナカで開催されるウィンターゲーム、その祭典の中でも注目種目スロープスタイルだ。

ニュージーランドはお国柄、日本人びいきということもあるが、世界のスノーボーダー全体が日本のサムライに注目しているということもある。LIVE放送から流れるコメンテーターの発言を聞いていると、日本人スノーボーダーやってくれるな、という感じがビンビン伝わって来た。

そんな雰囲気の中、脇田朋碁、稲村奎汰、そして角野友基が登場した。
ワールドカップというものの、US OPENやX-Gamesでお馴染みのあのアメリカ人やあのカナダ人、あのノルウェー人のような大物ライダーの名前はない。

これなら、日本勢の1、2、3フィニッシュも夢ではない、というところ。
実際、若きサムライはそれを匂わすには十分なほどのパフォーマンスを披露した。

脇田朋碁の15歳とは思えない力強さ。稲村奎汰のキレ味抜群のライディング。そして角野友基の王者の風格。
しかし、勝利の女神は、思わぬ方向に微笑んでしまう。これが大会悪魔の悪戯だろう。

脇田朋碁が結果うんぬんではないような、おもいっきり楽しんでいた感じは良かったとしても、特に稲村奎汰は超不運に見えた。
それが際立ったのが、稲村の2本目。最初のレール・セクションを抜群の演技で抜けて、最後のジャンプ寸前まで良いランだった。しかし、良過ぎて勢い余ってしまったのか、安全なランディング・ゾーンを越えてフラットになっているようなところまで飛んでしまった。そのため着地で耐え切れず、転倒してしまったのだ。
彼の実力を持っていれば、表彰台はもちろん優勝も夢ではなかったと思う。実際、予選が終わった時点では2位という位置にいたのだから。

そんな日本勢の流れを引きずるかのように、角野にも大会の魔物が。
1本目は、最初のジャンプ着地でスケチー(ちょい暴れた)になった分、2つ目のジャンプでバックサイド1260の回転が足りなくて転倒。
2本目も同じようにトゥエルブ(1260)狙いのところで、正面から転倒。
まさか、日本勢が表彰台に上がれないというピンチに!

最後の最後、角野の滑走は見ている方の心臓のドキドキが止まらなかった。きっと角野を応援していた人も同じ気持ちだっただろう。
これがスノーボード大会の緊張感、醍醐味というのかもしれないが、「どうか、転ばずに良いランができますように。」と願わずにはいられなかった。

そして、スタート。
ジブ・セクションはあいかわらず力強く、スタイリッシュで頼もしい。
バックサイド・ミラーフリップからフロントサイド270イン、ハードウェイの270インも見せて、50-50からのバックサイド180アウト。完璧なジブ・セクション。
さあ、キッカー・セッションへ。
一発目はキャブダブルコーク900。フワリと決めたこのトリックは安定感抜群で、この後の成功を予言しているようだった。しかし、まだ油断できない。次は転倒していた2発目だ。
ダブルコーク1080ミュート。完璧だ。あと1つ、どんな大技が出るのか。
最後はバックサイドトリプルコーク1440!
「決まったー!」
見ていて、叫ばずにはいられなかった。さすが角野選手。この逆境での大逆転劇。凄過ぎる。
しかし、結果は、結果は・・・、残念ながら2位だった。
アメリカのクリス・コーニングのトゥエルブ(1260)連続には及ばなかった。うーん、残念過ぎる。ジャッジの方、角野のトリプル1440はそういう判断なんですか!と思わず、恨めしく・・・。まあ、現在の採点の基本となっているような回転数の足し算なら、そうなるのも仕方ないか。ナイン(9)、テン(10)という流れだったから。

角野は試合後に、「正直この結果には納得していません。」とコメントしている。
そして、「攻めて負けるなら誰も攻めずに滑ればいいと思う。でもそれじゃ見てる人はおもしろくないと思う。結果が全てではないと思いました。」と。

確かに2位という結果は、残念だった。
しかし、このプレッシャーの中、最後にはち切れたようなライディングを見て感動させてもらった。
また改めてスノーボード競技の楽しさを角野友基に見せてもらったと思う。

次の角野の一戦も注目せずにはいられない。ワールドカップ開幕戦は、そんな戦いだった。

 

優勝したクリス・コーニングと2位に終わった角野選手の最後の3発ジャンプ比較
クリス・コーニング: フロントサイド1080→バックサイド1260→キャブ1260(合計3600/10回転)
角野友基: キャブダブルコーク900→フロントサイドダブルコーク1080→バックサイド・トリプルコーク1440(合計3420/9回転)