
長野県白馬村で、新たなホテル開発計画が進んでいる。投資事業を手がけるウェルス・マネジメント(東京)が、シンガポール資本のリゾート企業バンヤングループと共同出資し、人気観光エリア「エコーランド」地区の土地を取得。 76室規模のアップスケールホテル 建設を目指している。
計画では、延床面積およそ5,000㎡の建物に客室、レストラン、付帯施設を整備。海外からの観光客を含め、幅広い宿泊ニーズに応える拠点として2026年以降の開業を予定している。
一方で、地元住民の間には懸念も広がる。
「スキー場周辺だけ物価が異常に高くなり、生活が圧迫されている」との声や、外資系資本の流入で地価や固定資産税が上昇し「地元が離れていく現象が進んでいる」との指摘もある。
ある宿泊施設経営者は「ニセコでは地元が観光開発から距離を置くようになった。白馬も同じ道を歩むのでは」と危機感を語る。
また、スキーリゾート関係者は「外資が入れば利益は海外に流れ、地元が潤わない」と警鐘を鳴らす。既に土地や施設の売買が高額で進んでおり、「今のうちに売り抜けて村を離れる人も増えている」との声もある。
国としても外国資本による土地取得への制限はなく、白馬でも「買収・開発・転売」といった投機的な動きが進む可能性がある。
自治体は過剰な開発を防ぐため、規制や住民説明会の義務付けなどを検討中。世界的スキーリゾートとして注目を集める白馬村で、国際競争力の向上と地域社会との共存をいかに両立させるかが大きな課題となっている。
【お詫びと修正について】
9月7日に掲載した初報において、白馬村でのホテル開発に関する「客室数」や「ブランドカテゴリー」の一部記述に誤りがありました。
正しくは エコーランド地区における76室規模のアップスケールホテル の開発計画です。
関係者の皆さまおよび読者の方々に誤解を与えましたことをお詫びし、ここに訂正いたします。