結構、良い位置に乗ってターンが上手がうまいのに、なかなか速く滑れるようにならない方がいます。
基本姿勢はほぼバッチリ。ある程度、どんな斜面でもうまく滑り降りて来れる。だけど、滑るのが遅いという方。
その原因は、フォールラインへの意識の弱さではないでしょうか。
これは初心者から中級者に多い症状。ターンをしていてフォールライン方向(谷側)を見ることができていません。
その結果、斜面を横切る時間が長く、ボードが谷方向に走る時間がほとんどないという状態になっています。
以上のイラストのように、この段階ではフォールライン(緑の矢印方向)に目線が行くとターンがスムースになるのですが、目線の先行が早過ぎて、山側の方に目線がいきがちです(赤の矢印方向)。酷い人になると、トゥサイド(つま先側)のターンの度に、山を見上げちゃう方もいます。これでは、ボードの方がもっとフォールライン方向に走りたがったりいるので、無理やりターンを仕上げて、急ブレーキさせてしまうようなものです。
確かに板を谷側に向ける直滑降のような姿勢は、一見すると怖いと思うし、スピードが出てしまうと考えるでしょう。
実際、ボードを真下に向けることで、スピードは増しますが、ほんの一瞬です。それここ1秒間くらいでしょうか?1秒辛抱した後に、ボードを回し込むことで、ずいぶんとターンがスムースになっていきます。
スムースに板が走るということは、むしろ安定していて、気持ちいいこともでもあります。
つまり、フォールライン(谷側)を見れないという方は、返ってより筋力を使って非効率な面倒なスノーボーディングをしがちなっています。
特にパウダーのような場面ではこの意識が弱いと、たちまちノーズが新雪にぶっ刺さってスッテンコロンなんてこともあるから気を付けたいですね。
だから、そういった意識が弱いなあ、と感じた人は、ぜひこのフォールラインへの意識を強めるように滑ってみてください。
すると、スムースに!さらに気持ち良さを感じるスノーボーディングができるでしょう。
(フォールラインの意識を強めることで、あなたのスノーボーディングがずいぶんと楽しくなるかも!)
飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴30シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWing誌では、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、シーズン中に一回は日本へ帰国しコーチングも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、今なお世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!