Photo & Story: Fusaki IIDA
2015年のスノーボード世界選手権スロープスタイルで金メダル、今季2017年の世界選手権でも銅メダル獲得。
日本が誇る若きスロープ女王、鬼塚雅は先月末からウィスラーに滞在しトレーニング中だ。
天候が多少悪くても連日、パークで滑り続けた鬼塚だったが、いよいよ今日は彼女にとって最後のブラッコム・パーク・ライディングとなった。
1998年生まれの鬼塚雅は、まだ18歳という若さ。この春から、早稲田大学に通う新大学生でもある。
JOCスポーツ新人賞、文化科学大臣顕彰、テレビ朝日ビッグスポーツ新人賞など輝かし受賞歴を持ち、スノーボード界に留まらずスポーツ界を代表するアスリートとして脚光を浴びる存在だ。
今、日本で誰もが知るアスリートの鬼塚雅だが、実を言うと、彼女が世界で活躍するきっかけは、今から10年ほど前のカナダにある。
そう今、トレーニングしている同じブラッコムの地に小4の頃に来ていたのだ。
あの時は、まだ身体が小さくて、Mサイズのキッカーに全力で助走するもランディング・ゾーンに届くのが大変だった。
しかし、あの時に海外に来た経験は、彼女にとって大きかったようだ。
(小学生の時に、ウィスラーに来ていた雅ちゃん。当時からスタイルこだわっていた子で、すでに世界を目指し始めていた。)
世界のトップライダーたちを目の前にして、扉が開いた。そう、「この世界に自分が行ってもいいんだ!」そんな気持ちにさせてくれたのが、ウィスラーという地なのである。
その後も地道に練習し結果を残し続けた鬼塚選手。ジュニア世代ながら、世界のトップを相手にメダルを獲得し続けた。
だが、無情にも2014年、彼女が目指していたオリンピックという扉は開かなかった。
今、鬼塚はその悔しさをバネにして、トレーニングしているに違いない。
連日のトレーニングの忙しさから、なかなかその声を聞くことはできなかったが、どんな天候の日でも必ず朝イチから山に上がる彼女の姿を見て、目標に対する強い意志を感じることができた。
今日、ブラッコムでのトレーニングのことを聞くと、「天気が悪い日が多く、思ったように練習できなかった」と言っていたが、この時期のパーク環境には満足していたようだ。
また、同世代の男子ナショナルチーム・レベルの選手とセッションをし続けることで良い刺激も受けただろうし、楽しみながらトレーニングしていた様子。
この後もオリンピックを目指し、活動を続ける鬼塚雅。ぜひとも順調なトレーニングを続けて、悲願のオリンピックであの天真爛漫な笑顔を見せてくれ!