カナダのカルガリーで行われたワールドカップ、Calgary Snow Rodeo大会で今季ハーフパイプの最終戦の決勝が行われ、女子の小野光希、男子の平野流佳が優勝した。2人は3連勝をマークし、それぞれ自身初の種目別制覇を果たした。
18歳の小野は完成度の高いルーティーンで89.75点をマークし、通算も3勝目。20歳の平野流佳は88.50点で通算5勝目とした。
男子で17歳の重野秀一郎が自身初の表彰台となる3位に入った。戸塚優斗は途中棄権で8位、平野海祝は10位だった。
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2022/23シーズンのFISスノーボード・ハーフパイプ・ワールドカップは、金曜日の夜、カナダのカルガリーで開催され、小野光希と平野流佳がそれぞれ3連勝を飾り、今シーズン初のクリスタルグローブ(種目別優勝)を獲得して日本チームのビッグシーズンを締め括った。
Snow Rodeoのハーフパイプ決勝は、強風のため開始が30分遅れたが、競技中は風が弱まり、予定されていた決勝3本のランをすることになった。
小野光希が18歳にして優勝と世界一を達成!
カッパーマウンテン(アメリカ)でハーフパイプの開幕戦を3位で終え、ラークス(スイス)とマンモスマウンテン(アメリカ)で連勝した18歳の小野は、カルガリーでの試合前から、今シーズンのクリスタルグローブの勝者となることは予想されていた。
89.75点の高得点で3連覇を達成し、日本人としては2004/05シーズンの今井メロ以来となるクリスタルグローブ優勝を果たしたのである。
インディーグラブから始まり、フロントサイド900テールグラブ、バックサイド540メラン、フロントサイド720ステールフィッシュ、そしてキャブ720ウェドルまで、小野はパイプの上から下までほぼ完璧な演技を披露しました。
「カルガリーは、3年前にワールドカップで初めて表彰台に上った大好きな場所のひとつです。でも、まだ信じられない。とても幸せです。応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました」と語った。
この日の2位、そしてハーフパイプ・ワールドカップの最終ランキングでも2位となったのは、カナダのエリザベス・ホスティングで86.00点だった。女子選手の中で最も大きくスタイリッシュなトリックをいくつか披露したホスキンは、あと2、3回小さなバランス崩しがあっただけで、小野選手から首位の座を奪えるかもしれない状態だった。ホスキンは国際大会での初優勝を間近に控えているが、この日はワールドカップで2度目の表彰台、そして母国での初受賞にとどまることになった。
女子3位はスイスのベレニス・ヴィッキ。20歳の彼女は1本目に72.50をマークし、自身初のワールドカップ表彰台を手にした。小野とホスキングが金曜の夜に一歩も引けを取らなかったのに対し、ヴィッキは1本目の風にも負けない堅実な滑りで、初の国際大会トップ3にふさわしい成績を収めた。
小野はハーフパイプのワールドカップポイントを360点獲得し、ホスキングは237点でシーズンを終えた。女子ハーフパイプのシーズンランキングで179ポイントを獲得して3位に入ったのはアメリカのマディー・マストロで、この23歳の選手がトップ3でシーズンを終えるのは初めてのことだ。残念ながら、マストロは木曜日の予選で大転倒を喫し、カルガリーでの決勝までに快復できなかった。
女子ハーフパイプ結果
1位 小野光希(日本)
2位 エリザベス・ホスキング(カナダ)
3位 ベレニス・ヴィッキ(スイス)
平野流佳ついに世界初優勝を飾る!
男子では、スコッティ・ジェームス(オーストラリア)が体調不良で予選を棄権し、シーズン終盤のドラマを少しばかり盛り上げることになった。
ジェームスの欠場により、平野流佳は4位以内に入ればクリスタルグローブの優勝が確定する状況となったが、平野はチームメイトの小野と同じように、見事にワールドカップ3連勝を達成した。
1本目からすでにリードしていた平野は3本目、スイッチバックサイド1080ウェドルで幕を開け、バックサイド1080ウェドル、フロントサイド1440インディー、キャブダブル1080ステールフィッシュ、そしてフロントサイドダブル1260インディーという大技を決め、88.50点を獲得。自身5勝目となるワールドカップでの優勝を飾った。
表彰式が終わると、平野は通訳を介して、「ずっと狙っていた地球儀なので、本当にうれしいです。去年は歩夢(平野)が、その前は優斗(戸塚)が何度か獲っていて、僕はいつも2位か3位だったんです。でも、いつも2位か3位で終わっていたんですが、ついに優勝できて、すごくうれしいです。
カルガリーでは、運が良かったんです。この大会では、スコッティ・ジェームズを破ってワールドカップで初優勝した場所でもあり、とても自信と満足感を感じています」とコメント。
金曜日の最終結果は、ワールドカップ史上初めて日本人ライダーが同じシーズンに男女両方のクリスタルグローブを独占したことを意味する。
82.00のスコアで2位となり、マンモス・マウンテンで初表彰台を獲得してからわずか1週間で自身2度目のハーフパイプ・ワールドカップ表彰台を獲得したのは、17歳のオーストラリアの天才バレンティーノ・グセリである。すでにビッグエアのクリスタルグローブ優勝者であり、ワールドカップ史上初めて1シーズンにビッグエア、スロープスタイル、ハーフパイプで表彰台を獲得した。
金曜日に準優勝したグセリは、ハーフパイプのワールドカップ最終ランキングで、平野の314ポイントに対して246ポイントで2位となり、同国チームメイトのジェームスを抜いた。ジェームスは180点で3位となった。
平野のチームメイトである重野周一郎は、3本目の滑りでワールドカップ初表彰台を獲得した。フロントサイド・ダブルコーク1440インディからキャブダブルコーク1080ウェドル、フロントサイド・ダブルコーク1260インディ、バックサイド900ウェドル、最後はフロントサイド1440テールグラブで締めくくり、気合のガッツポーズ!このランで、81.75ポイントを獲得した。
最終的にはオーストラリアのグセリに抜かれて2位となったが、重野は近い将来、日本のハーフパイプ界を代表する選手になる可能性があり、カルガリー大会での表彰台はその大きなステップとなったようだ。
男子ハーフパイプ結果
1位 平野流佳
2位 ヴァレンティーノ・グセリ(オーストラリア)
3位 重野秀一郎
8位 戸塚優斗
10位 平野海祝
12位 片山來夢