深田茉莉「金」 ゾーイ「銀」 村瀬心椛「銅」

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夢が叶った!深田茉莉、オリンピック金メダル獲得

ミラノ・コルティナオリンピックスノーボード女子スロープスタイル決勝が行われ、オリンピック初出場の深田茉莉(19)が金メダルを獲得した。銀メダルはゾーイ・サドウスキー・シノット、銅メダルはビッグエア女王の村瀬心椛が手にした。

決勝はラスト3本目まで、誰がどのメダルを獲得するか予測できないハラハラの展開となり、会場は大盛り上がり。スノーボード競技の最終フィナーレにふさわしい白熱した戦いが繰り広げられた。

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女神という仮面をかぶったメンタルモンスター

ミラノ・コルティナオリンピックスノーボード女子スロープスタイル決勝。
ラスト3本目を残した時点での順位は、1位が深田茉莉、2位が村瀬心椛、3位がゾーイ・サドウスキー・シノット。
しかし、スロープ女王を決めるこの大会の真のドラマは、まさに3本目に待っていた。
決勝のランは予選順位の低い選手から滑走する。まずチャージを仕掛けたのは深田だ。
3つのジブセクションをスムースに抜けると、3連ジャンプへ。大技スイッチ・バックサイド1260ミュートを放ち、続けてバックサイド720、そしてラストはフロントサイド720で締めくくる。完成度の高いクリーンなランに、会場はどよめいた。
表示されたスコアは87.83点。文句なしの高得点だった。

続いて金メダルを狙い、果敢に攻めたのは村瀬心椛。
3連ジャンプでトリプルコーク1260インディ、キャブ・ダブルコーク900ミュート、そしてラストはバックサイド・ダブルコーク1080ミュートと大技を立て続けに成功させた。高さ、完成度ともに申し分ない圧巻の内容。
滑り終えると、右手のこぶしを3度、地面に叩きつけるような力強いガッツポーズ。極限のプレッシャーの中で自らを奮い立たせるようなその姿に、会場から大きな歓声が沸き起こった。
トップスコア更新か――。
しかし掲示されたのは85.80点。わずかに及ばず2位につけた。

ラスト走者は予選1位、前大会金メダリストのゾーイ。2本目まで安定した滑りを見せていたが、ここで狙うはもちろん逆転の金メダルだ。
ジブセクションで完璧なリップスライド270オフを決めると、ジャンプセクションへ。スイッチ・バックサイド900インディ、フロントサイド1080ミュート、そして最後はバックサイド1080メランコリー。回転数を抑えながらも完成度で勝負する3連発。会場のボルテージは最高潮に達した。
果たして結果は――。
87.48点。
深田にわずか一歩及ばず2位。銀メダルが確定した。

ラスト3本目はまさに名勝負だった。
キュートな笑顔で“女神”のような印象を与える3人。しかし、最後の1本で放ったエネルギーはまさにメンタルモンスター。極限のプレッシャーの中で最高難度の技に挑み、滑り切る精神力は圧巻だった。
スノーボード女子スロープスタイルは、歴史に残るフィナーレとなった。

勝敗を分けたジブセクションの点数

トップ3の滑りを終えた直後、観客の中には「なぜこの順位なのか」と首をかしげた人もいたかもしれない。
村瀬心椛は1260→900→1080と高難度を連発。ゾーイ・サドウスキー・シノットは900→1080→1080で、さらに誰よりも高いエアで迫力ある演技を見せた。
一方、金メダルを獲得した深田茉莉もスイッチからのバックサイド1260は完璧だったが、後半2発はトゥ抜けが入ったとは言え720(※フロントサイドスピンはカカト抜けよりもつま先抜けの方がトリッキー)。ジャンプの回転数だけでは、村瀬やゾーイとの差は分かりにくい。しかし、スコア表に目を向けると、その理由はジブセクションにあった。

深田はジブセクションで、うまくスピードコントロールしながら、スイッチ・フロントサイド ボードスライド270オフやボードスライド・トゥ・アンダーフリップ450インディオフなどを完璧に決め、34.50点を獲得した。対してゾーイは30.50点、村瀬は32.20点。深田と村瀬の差は2.30点に及ぶ。
仮に村瀬が深田と同じジブ得点を獲得していれば、合計は88.10点に達していたことになる。一見すると分かりにくいジブセクションでの精度と完成度。その積み重ねこそが、最終的にメダルの色を分けた最大の要因だったと言える。

それにしても村瀬の一発目のセクションでのレールアウトのタイミングが早くて減点されたわけだが、その減点の多さにはやや違和感を覚えた。ジャッジとしては間違っていないのかもしれないが、このルールではより高度なトリックよりも安全が優先され、今後の大会の流れにも影響を及ぼす可能性がある。

村瀬心椛、1大会複数メダルの快挙

それにしても、村瀬心椛のラストランは熱かった。おそらく世界中のスノーボードファンが、そのパフォーマンスに酔いしれたことだろう。金メダルだけを見据え、全力で挑んだラン。滑り切った後には、金メダルを確信するかのように、こぶしを地面に三度打ちつける力強いガッツポーズを披露した。しかし、結果は銅メダルに終わった。

とはいえ、すでにビッグエアで金メダルを獲得していた村瀬は、今大会で二つ目のメダルを手にしたことになる。1大会で複数メダルを獲得するという快挙は、日本スノーボード界初の偉業である。

村瀬はこれまで「スロープスタイルの方が気持ちが上がる。個性やスタイル、自分が表現したい滑りを出せる」と語ってきた。技術力はもちろん、刻々と変わる状況の中で最適な判断を下す力、そしてプレッシャーの中でそれをやり切る対応力――総合力が問われるスロープスタイルで、彼女はその真価を示した。

ビッグエアに続き、スロープスタイルでも世界の頂点のパフォーマンスを見せた村瀬。彼女の存在は、日本女子スノーボードの新たな時代の到来を強く印象づけるものとなった。

岩渕麗楽、3度目の五輪でスロープスタイルに挑戦も8位

3度目の五輪となった岩渕麗楽は、女子スロープスタイル決勝で8位に終わった。過去2大会ではビッグエアで4位と惜しくもメダルに届かなかった岩渕にとって、今回もメダル獲得を目指す挑戦となった。

悪天候の影響で決勝は1日延期となった17日、予選4位で通過した岩渕だったが、軽量というハンデもありスピードを出すのが難しいコースに苦戦。試合後には「コースを攻略しきれなかった。新しい技を取り入れたルーティンだったので経験が足りなかった」と振り返った。

それでも岩渕は3大会連続で五輪の大舞台を経験できたことを喜び、「結果にかかわらず、この場所で最高の競技人生を送れているのが幸せ」と語った。今後についても、「この結果を自分で認めつつ、次に向けてステップアップしていきたい」と前を向いた。

日本がスノーボード大国に!

女子スロープスタイルをもって、全スノーボード日程が終了。
結果、日本は金メダル4個、銀メダル2個、銅メダル3個、合計9個という快挙を達成した。

2位のオーストリアの4個を大きく引き離し、間違いなく日本のスノーボード界は世界の頂点に立った。
かつてはアメリカがハーフパイプで表彰台を独占し、スノーボード大国と称された時代もあった。しかし、今や時代は変わった。2026年、日本こそがスノーボード大国である。

活躍した選手たち、感動をありがとう。
支えてくれたコーチやスタッフのみなさん、おつかれさま。
そしてスノーボード界を応援してきたすべての人に、心からおめでとう!

女子スロープスタイル決勝結果(ミラノ・コルティナ2026)

順位選手名Run 1Run 2Run 3ベストスコア
1深田茉莉JPN33.9885.7087.8387.83
2ゾーイ・サドウスキー・シノットNZL73.0177.6187.4887.48
3村瀬心椛JPN79.3030.5685.8085.80
4アンニカ・モーガンGER77.6578.7837.0178.78
5ローリー・ブルアンCAN40.1033.7368.6068.60
6ジェシカ・パールマターUSA44.7068.1843.3068.18
7アリー・ヒックマンAUS67.704.2648.6867.70
8岩渕麗楽JPN11.5144.1652.1152.11
9ジュリエット・ペルシャCAN20.1546.4351.7651.76
10アンナ・ガッサーAUT46.9527.3528.2646.95
11リリー・ダウォーンヴェイUSA41.8117.2524.5041.81
12ユ・スンウンKOR20.7034.1815.4634.18

※ベストスコアは3本のうち最高点。

スノーボード競技 メダル状況(2026年2月18日現在)

順位国名🥇 金🥈 銀🥉 銅合計
1日本4239
2オーストリア2114
3韓国1113
4中国1012
5チェコ1102
6イギリス1001
6オーストラリア1001
8ニュージーランド0202
8イタリア0134
9アメリカ0112
10カナダ0101
11フランス0011
11ブルガリア0011
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