
ミラノ・コルティナオリンピックスノーボード男子スロープスタイル決勝が2月18日、リビーニョ・スノーパークで行われ、長谷川帝勝が銀メダルを獲得した。2014年ソチ大会から五輪種目となった同種目で、日本男子初のメダルという歴史的快挙。
目次
“鬼門”を打ち破った一本目
日本男子は近年、ビッグエアでは世界トップクラスの成績を残してきた一方、総合滑走力と構成力が問われるスロープスタイルでは五輪であと一歩届かない状況が続いていた。
今大会でもビッグエアでは日本勢が存在感を示したが、長谷川自身は11位。悔しさを抱えて臨んだ2種目目のスロープスタイルで、その流れを一変させた。
決勝は3本のうちベストスコアで順位が決まる方式。長谷川は1本目から完成度の高いランを披露する。ジブセクションを安定して抜けると、ジャンプではダブルロデオ1260などをクリーンに成功。82.13点をマークし、2位発進とした。
この得点は最終的に最後まで破られず、長谷川はそのポジションを守り切る。2、3本目は着地でわずかなミスが出たものの、80点台を記録したのは金メダルの蘇翊鳴(スー・イーミン)と長谷川の2人のみ。その安定感が銀メダルにつながった。
金はスー・イーミン、銅はジェイク・キャンター
優勝は中国の蘇翊鳴。1本目に82.41点を叩き出し、そのまま逃げ切った。ノーズバターからスイッチ・フロントサイド1440、スイッチ・バックサイド1620、そしてバックサイド1800へとつなぐ圧巻の構成。北京大会の銀に続き、スロープスタイルで金へとグレードアップさせた。
これでスー・イーミンは五輪通算4個目のメダル。男子スノーボード史上最多タイとなり、歴史に名を刻んだ。しかも自身の誕生日と重なり記念日に大きな花を添えた。
銅メダルはアメリカのジェイク・キャンター。3本目に79.36点をマークし逆転で表彰台入りを果たした。最終滑走者が転倒するまで順位は確定せず、長い緊張の時間を経て銅が決まった。
キャンターは13歳のときトランポリン事故で重度の脳外傷を負い、一時はスノーボードを続けられないと宣告された過去を持つ。「病院のベッドにいた13歳の自分を誇りに思ってほしい」と語る姿は、多くの観客の胸を打った。
日本勢、パーク&パイプで躍進
長谷川の銀メダルにより、日本は今大会のパーク&パイプ種目で6個目のメダルを獲得。男子スロープスタイルという“鬼門”をついに突破し、日本スノーボード史に新たな1ページを刻んだ。
長谷川は憧れの存在であるマーカス・クリーブランドやマーク・マクモリスと同じ舞台に立てた喜びを語り、「彼らのようなスタイルを持つライダーになりたい」と目を輝かせた。
五輪初出場での銀メダル。
その一本は、日本男子スロープスタイルの歴史を塗り替える価値ある滑りだった。
男子スロープスタイル決勝 結果(ミラノ・コルティナ2026)
| 順位 | Bib | 選手名 | 国 | Run1 | Run2 | Run3 | ベスト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 蘇翊鳴 | CHN | 82.41 | 79.90 | 82.18 | 82.41 |
| 2 | 10 | 長谷川帝勝 | JPN | 82.13 | 69.05 | 22.30 | 82.13 |
| 3 | 4 | ジェイク・キャンター | USA | 70.58 | 33.11 | 79.36 | 79.36 |
| 4 | 8 | マーカス・クリーブランド | NOR | 23.70 | 42.63 | 78.96 | 78.96 |
| 5 | 6 | ロマン・アレマン | FRA | 76.95 | 52.28 | 35.06 | 76.95 |
| 6 | 3 | レッドモンド・ジェラード | USA | 76.60 | 29.71 | 41.65 | 76.60 |
| 7 | 5 | デーン・メンジーズ | NZL | 76.10 | 21.03 | 34.61 | 76.10 |
| 8 | 9 | マーク・マクモリス | CAN | 75.50 | 37.56 | 39.53 | 75.50 |
| 9 | 2 | オリバー・マーティン | USA | 48.23 | 73.96 | 75.36 | 75.36 |
| 10 | 12 | キャメロン・スポルディング | CAN | 41.66 | 75.13 | 37.30 | 75.13 |
| 11 | 16 | 木俣椋真 | JPN | 72.80 | 17.58 | 54.40 | 72.80 |
| 12 | 21 | モンス・ロイスランド | NOR | 26.10 | — | — | 46.50 |
※ベストは3本のうち最高得点。
スノーボード競技 メダル状況(2026年2月18日現在)
| 順位 | 国名 | 🥇 金 | 🥈 銀 | 🥉 銅 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 日本 | 3 | 2 | 2 | 7 |
| 2 | オーストリア | 2 | 1 | 1 | 4 |
| 3 | 韓国 | 1 | 1 | 1 | 3 |
| 4 | 中国 | 1 | 0 | 1 | 2 |
| 5 | チェコ | 1 | 1 | 0 | 2 |
| 6 | イギリス | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 6 | オーストラリア | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 8 | イタリア | 0 | 1 | 3 | 4 |
| 9 | アメリカ | 0 | 1 | 1 | 2 |
| 10 | カナダ | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 10 | ニュージーランド | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 12 | フランス | 0 | 0 | 1 | 1 |
| 12 | ブルガリア | 0 | 0 | 1 | 1 |

