25-26シーズンのリフト1日券 全国平均値上がり率は 約7.1%

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最新更新日:2025年10月25日

DMK編集が2022-23シーズンから調査を続けている全国主要スキー場の1日券リフト券価格。今年の2025-26シーズンは、全国平均で約7.1%の値上がりとなった。

今回の調査は、約50か所のスキー場の1日券価格を比較したもので、まだ最新料金を発表していないスキー場もあり、今後さらにデータを更新していく予定である。昨シーズンの上昇率は8.6%だったため、値上がりの勢いはやや落ち着いたものの、それでも2年前、3年前と比べると15%以上の上昇となっており、一般スキーヤーやスノーボーダーにとっては確実に負担増となりそうだ。

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人気スキー場ではインバウンド需要を見込んだ値上げが目立つ一方、海外客が少ないスキー場でも、その流れに釣られる形で料金が上昇しているのが気になるところだ。

よく「日本のスキー場は海外に比べてまだ安い」と言われるが、海外の有名スキー場は規模が大きく、滑走距離や施設数も圧倒的に異なる。単純にリフト券価格だけを比較すると、日本のスキー場の1日券はコストパフォーマンス面で再考の余地があるといえる。

今回の調査はあくまで窓口での1日券料金が対象である。主要スキー場の多くは、早割、WEB割引、県民割などの割引制度を活用すれば、より安く利用できる。賢いスキーヤー・スノーボーダーは事前計画を立てて、よりお得にスキーを楽しむ方法を検討してほしい。

※以下の表は、スマートフォンをご利用の方は画面を横向きにすると見やすくなります。
※1日券の料金はレギュラーシーズンのものです。年末年始などのピーク時には料金が高くなるスキー場もあり、スプリングシーズンには安くなる場合もあります。また、県民割を実施しているスキー場もあります。くわしくはスキー場のホームページをご覧ください。

日本全国主なスキー場 2025-26リフト券価格比較(大人1日券)

スキー場2022-232023-242024-252025-26値上がり率(%)
北海道エリア
カムイスキーリンクス380038005300
十勝サホロリゾート660077008000880010
富良野65007000750080007
星野リゾート トマム59007000750080007
ルスツリゾート880014500145001620012
札幌国際48005000580060003
ニセコ全山85009500105001200014
キロロスノーワールド650074008000880010
東北エリア
青森スプリング・スキーリゾート520062006600780018
雫石50005000600061002
安比高原550070007500900020
夏油高原54006000640068006
蔵王温泉63006500750075000
天元台高原47005200550055000
星野リゾート ネコマ マウンテン4200(WEB販売料金)5500 ※旧アルツ磐梯+猫魔5700630011
グランデコスノーリゾート4500~59005900600065008
関越エリア
川場5500(平日5200)5800(平日5500)6200(平日5900)6800(平日6500)10
スノーパーク尾瀬戸倉450049004900(平日4300)
Mt.T by 星野リゾート(谷川岳天神平)60007500900090000
丸沼高原550060006000
Mt.Naeba(かぐら共通)70008000900098009
苗場60006800720078008
かぐら60006800720078008
神立スノーリゾート5200570059006000(平日5500)2
上越国際45005500550055000
GALA湯沢60006500680073007
上信越エリア
軽井沢プリンス750080009800100002
菅平高原スノーリゾート540054005700640012
志賀高原650075008000900012
野沢温泉60006800730075003
斑尾高原55007500800085006
戸狩温泉45004500550055000
タングラムスキーサーカス48005800600065008
戸隠50005000650068005
赤倉観光48005300650070008
ロッテアライ60006600750075000
白馬エリア
白馬八方尾根65007200800087009
エイブル白馬五竜600075008500950012
Hakuba47ウィンタースポーツパーク600075008500
白馬乗鞍温泉(白馬コルチナ共通)50005200580062007
白馬コルチナ(白馬乗鞍共通)50005200580062007
白馬岩岳マウンテンリゾート550052006500
栂池高原(つがいけマウンテンリゾート)」64006400750082009
HAKUBA VALLEY 鹿島槍40005000550059007
爺ガ岳43004700520054004
白馬さのさか410048004800540013
中央エリア
カムイみさか390039004500
白樺湖ロイヤルヒル55005500550060009
スノーパーク イエティ4500(平日3900)5000(平日4300)5200(平日4300)5300(平日4300)2
中京・北陸エリア
スキージャム勝山53005500580060003
鷲ヶ岳490052005400
高鷲スノーパーク(ダイナランド共通54005700590060002
めいほう45005500(平日4700)5800(平日4700)6000(平日5300)3
関西以西エリア
万場480048004800
ハチ北高原(ハチハチ北共通)500050005500(平日5000)
ハチ高原(ハチハチ北共通)500050005500(平日5000)
グランスノー奥伊吹4900(平日4300)5900(平日4700)5900(平日4700)6300(平日4900)7
(昨シーズンのルスツの1日券は、14500円。今シーズンはさらに16200円まで上昇した。)

全国スキー場 大人1日券価格トップ10(2025-26シーズン)

順位スキー場名エリア1日券価格(円)
1ルスツリゾート北海道16,200
2ニセコ全山北海道12,000
3軽井沢プリンス長野県10,000
4Mt.Naeba(かぐら共通)新潟県9,800
5安比高原スキー場岩手県9,000
5Mt.T by 星野リゾート(谷川岳天神平)群馬県9,000
5志賀高原長野県9,000
8エイブル白馬五竜長野県9,500
9十勝サホロリゾート北海道8,800
10白馬八方尾根長野県8,700

なぜ今のスキーは“高い”と感じるのか? 過去と現在のリフト券事情

スキーブーム全盛期のリフト券 1980年代の1日券はおよそ3,000円

1980年代後半、スキーブーム全盛期のリフト券の価格は、概ね1日 3,000円前後 であった。映画『私をスキーに連れてって』(1987年11月公開)の舞台となった志賀高原のような大規模スキー場では、やや高めの設定もあった。例えば蔵王スキー場では、25年前に 1日券が3,800円 であった記録がある。

当時の 大卒初任給は約15~16万円/月。ボーナスも年2回支給されるのが一般的で、スキーブームやバブル景気の影響で給与水準は上昇傾向にあり、レジャー消費も活発であった。

現在は企業規模により初任給に差があり、大企業では約24万1,000円/月となっている。1日券の月給に対する負担割合は、1987年で約2%、2024年で約3.3%と、数値上の差はそれほど大きくない。しかし、物価や生活費を考慮すると、現代のスキー1日券は昔より少し贅沢な遊びという感覚になる。

では、なぜ実際に我々はスキーやスノーボードに行く費用を高く感じるのだろうか?

理由は、生活費や物価が上がり、スキーに使える自由なお金が相対的に減っていることにある。家賃、食費、交通費など日常生活費は1980年代よりも高く、1日券の価格が月給の数%程度でも、実際の負担感は大きくなる。

さらに、スキーにかかるトータルコストが増えていることも影響する。昔はウェアや道具が安く、レンタル費も少なめだったが、今はレンタル料金、ウェア、交通費、駐車料金など、1日スキーにかかる費用全体が上昇している。1日券だけで見ると2%→3.3%でも、トータルで考えるとさらに負担感が増す。

また、時間と手間の感覚も異なる。当時はスキー旅行が日常的なレジャーだった人も多かったが、今は週末や休日を使って行くことが多く、「特別な体験」「贅沢な時間」という意識が強い。

さらに、昔はスキーが冬のメインレジャーだったが、現在は旅行やアウトドア、ゲーム、動画など娯楽が多様化している。そのため、1日券8,000円の費用が相対的に「高く感じる」のだ。

週末になると都会から若者が消え、スキーがディズニーランドのライバルと言われていた頃が懐かしい…、誰か私をスノボに連れてって!

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