スイスのパイプ王者が見せたありそうでなかったエアーtoステール

これまでありそうでなかった強烈なスタイル!

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Saturday on the mountain

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スイスのパイプ王者、ヤン・シェーラーが見せたエアーtoフェイキーのステール締め。

そもそもフロントサイドの壁でそのままスピンせずに、フェイキーで戻る技は、長年のスノーボードの歴史において、定番トリック。
日本では現在ナショナルチームのコーチを行っている村上大輔氏が、選手時代に誰よりも高くこの技を決めていた。

大抵の場合、単にヒール側を前の手でグラブするメランコリー・グラブで終わるが、ヤンの場合には後ろの手。
つまりステールフィッシュのグラブである。
しかも、身体を捻って、空中の最高点においてはボードの高さよりも、頭の方が低くなるという形だ。
これはあり得ない!

日本では、エビ反りするメソットエアーに、さらに身体を捻るスタイルにさせることで、トゥイーク・エアーと呼ばれるが、実際に海外では、捻ったかどうかのスタイルに関わらず、メソッドエアーということが多い。
そして、トゥイークとは、そもそも身体を捻る行為の言葉なので、今回ヤンが決めたエアーtoフェイキーでのステールフィッシュは、エアーtoトゥイークと言っていいかもしれない。

ちなみに、ハーフパイプ上のトリックにおいて、ステールフィッシュ(直訳:腐った魚)は、フロントサイド側で成り立つ技の名称であり、バックサイド側で行うと、同じグラブ技でも、よりフレッシュに見えることから、フレッシュフィッシュと呼ばれる。

だから、今回のヤンのスタイルは、フロントサイド側にやったにも関わらず、ピチピチなフィッシュにように見えるので、エアーtoフレッシュフィッシュと呼んでもいいのかもしれない。

まっ、どちらにしても難しい名称のことは、ともかく。この技が唯一無二のスタイルということ。

だが、残念ながら現在のパイプ大会は、かつてのようにストレート技をルーティーンに組み込まないといけないというルールはなく、選手たちは高回転連発でポイントを稼ぎに行くので、大会でこのような技を見ることがないだろう。

ある意味、これはスノーボードの持つスタイル向上には、反動的なムーブメントであり、残念である。
だが、こうした記事を取り上げることで、これからもスノーボーダーたちは、大会の結果を残せる技にこだわらず、クールなスタイルなトリックを追求し続けてくれるだろう。