snowstyle誌ADdirector/辻村 慶広

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snowstyle誌ADdirector

辻村 慶広
Yoshihiro Tsujimura

このインタビューの歴史は、自分にとってインタビューしたい方の歴史でもある。ほとんどのインタビューは、自分が担当している。この人が、あの人が、どんな思いで行動しているのか。どんな考えてを持っているのか。そんな興味を持った人にアタックして、気づいてみれば、ここ最近、専門誌のエディター(編集)の方がいなかった。たまたま良い人がいるのにめぐり合っていない可能性も高いのだけど、なんとなくインタビューが想定内に収まりそうなこともあり、興味が沸かなかった、ということもあったと思う。
だけど、最近やたらと熱い人がいて。なんと言うのだろう、最初会った時には別段それほど強く引かれるものはなかったけど、その後のアプローチなどがひじょうに物怖じせずにアグレッシブ。なかなかガッツがあるなあ、と思ったのだ。
考えてみれば、このマガジンは今ある専門誌で最古参。最も伝統がある専門誌で、若い彼がどんな思いで雑誌作りをしているのか。そう、今回はそんな熱いsnowstyle誌エディターの辻村氏が登場!



Interview by Fusaki IIDA

憧れのプロ・スノーボーダーと接し、大好きなスノーボードの仕事に携わる専門誌作りに憧れる人、そういう職に就きたい方など少なくないと思います。辻村さんが、この仕事を選んで経緯、また就職までの道のりは?

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もともと私自身スノーボードが好きで、オンオフとわず身に着けるものはいつもスノーボード・ブランドのものばかり。こだわる理由はスノーボードがカッコいい遊びだと今でも思っているので、スノーボードを続けることは生涯貫きたいと思っています。スノーボードというバックグラウンドを今まで多くのムービーや雑誌、実際の雪山で感じてきました。だからこそ、私生活でスノーボード・ブランドのアイテムを身につけることは自分を表現していることにもなると思っています。

4年前に滑った時のもの。パークに夢中になっていたがパウダーにもどんどんはまり、ゲレンデの脇パウで楽しんだ思い出の1枚。

僕が雑誌というメディアに興味を持ったのは、4年間勤めたショップスタッフの時からです。自分一人ではたくさんのギアをすべて使うことは限界があったし、1シーズンでイベントに行ったりする場所や雪山へのアスセスも限られる中で、迫力あるライディング写真やゲレンデの情報が溢れているページを読む時間が、楽しくてどうしようもなかったです。それで気づいたら履歴書を送っていました。「もっとスノーボードについて知りたい」と思っていました。雑誌を作る環境がスノーボードの楽しさやカッコ良さを追求でき、自分の一番好きな遊びだからこそ正直にリアルなものが伝えられると思いました。面接では、その熱意が伝わり入社できました。

実際に仕事を始めてからは世界中から本当にたくさんのスノーボード情報が入ってきますが、毎月1冊の中でスノーボーダーがこの情報を知ったら楽しさの世界が広がると思うページを考えています。多くの時間を雪山で滑ったりスノーボードする人と話をするのについやすことで、本当の今の流行や「どんな人がどんなところでがんばっている」という情報が伝えられるように心がけています。勝手に雑誌が突き進むのではなく、ライダーの活躍やトリップなどを追っかけて読者に伝えたいですね。それが最高の「瞬間」を伝えることのできる1枚の写真を掲載することのできる雑誌の魅力で、「雪山に行きたいな」とか「カッコいいな」と思ってもらえたら嬉しいです。雑誌はずっと「残る」ものですから、その分、僕自身がもっともっと足を運んで「残すべき」スノーボードのページを見つけていきたいと思います。

スノーボード専門誌の中では、今あるものではスノースタイル誌が最も古くからあります。他誌と差別化させるために、何か考えていることはありますか? snowstyle誌のモットーのようなものは??

snowstyle誌は常に読者に近いフィールドにある雑誌であり続けていると思います。わかりやすく読みやすいページを試行錯誤し、世界のスノーボーダーの「NOW」を歴史と共につかめるスノースタイル誌。16年という長い年月のそれぞれの一冊一冊の中に詰まっているのです。だからこそ私の意見としては、スノーボードファンのために歴史を感じてもらったり、今後の期待や感動をつくっていければと思います。今のスノースタイルは雪山にパークを設け、webサイトを始め、携帯サイトも行う立体的なビジョンでの媒体になりました。いろいろな発信ができる媒体として、よりスノーボーダーと近い存在の雑誌とも言えると思います。一番古いスノーボード専門誌として、「歴史を知り、今のシーンに一番近いメディア」と言えるように努めて行きたいです。

今まで仕事していて、思い出に残っていることは?

業界の方一人ひとり考え方や今後のアプローチをお聞きすることが毎日の勉強になります。でもゲレンデの方とイベントの打ち合わせをしたことが一番の思い出です。内容は明日の天候。これがスノーボードの楽しみの一つ、コンディションによる緊張です。「当日が大雪ならどうすべきなのか、また晴天の場合はどうなのか。」というようなことを考えながら時間の掛かり具合や撮影の準備の仕方などを話すわけです。最終的には僕は雑誌の立場として、どういう方が参加したのか、そしてこのイベントが次回にどう繋がるのか、雑誌掲載の編集内容はどういうものが残すべきページなのか。そこまで考え、こなせるようになるには経験が必要でした。今後も型にはまらない「常にベターな新しいこと」にチャレンジしていきたいと思います。

仕事していて辛いと思うのはどんな時ですか?

辛いと思うことはありません。雑誌への期待や内容の良さが反響に直結していると思いますので、すべては僕の提案や雑誌の努力にあると思うからです。「どうして思い通りにならないのだろうか」というようなことは決して思いません。自分の雑誌のどこが良いのか、どこが悪いのかを自分自身で考えて知り、それを常に改善してベターをさがすのが雑誌の基本でしょうし、自分の雑誌の色やイメージを自分が知らないでは、なにも良くはならないですよね。それはどんなことでも同じだと思います。辛いと思う前に、「どうしてなのか」を真剣に考えることが大切だと思います。

最近、注目しているライダー、気になるライダーは?

トラビスケ・ネディとか、マイク・カサノバとかレールのテクニックがヤバいですよね。難易度の高い技ができることって一つの魅力だと思いますが、その難易度の高い技がクールで、しかも彼らはその技に彼らのカッコいいスタイルが出ていると思います。

あとはトラビス・ライスとエーロ・エッタラですかね。彼らのストンプにぶっ飛びっぷりはズバ抜けていると思います。コンペからバックカントリーまで、2人は現代の旬なオールラウンダーでしょう。

ライダーというよりもNOMIS、ACADEMYそれにM4やFRUM、PLANETEARTHといったチームにも注目しています。熱き世界中のスノーボーダーたちが憧れたり、彼らの出演ムービーを何回も繰り返し見てしまうような魅力が詰まっているいわば「ヒーロー」たちは常にチェックしたいです。「はやり」とかもここから生まれると思います。

日本人ではどうでしょうか?

別に日本人だけではないことかもしれませんが、シューティングやDVD制作が比較的作りやすくなった今日ではライダーたちが自分の滑りを表現できるものとして普及しているように感じます。もちろんそこからビデオスターが生まれることもあるとは思いますが、やはり大会やイベントでの「リザルト」を残すことはそのライダーが有名になることにつながりますよね。優勝をしたり、ベストトリックに輝けば、自然とフィルミングの声がかかったり、メディアやメーカーからのアプローチも出てくると思います。それがヒーローの始まりだと思います。話はずれてしまいましたが、私が気になるのは大信雄一。彼のライディングはクールだし、なにより挑戦心に溢れているまなざしに圧倒します。
それからみなさんも同じように思う方いると思いますが、國母和宏。STANDARD FILMS作品に出演を果たし、パイプを中心としたコンペで数々のリザルトを残した彼が、今後どこまでいろいろな意味で大きく世界で活躍するのかは注目ですね。エアーの高さや技のキレも一年間でもの凄い上達ですしね。

スノーボードの楽しさが一気に広がったマウントフッドで撮ったもの。いろいろと教えてもらった当時のコーチとの思い出は忘れられません。

元々どんなライダーに憧れていましたか?

ダニエル・フランク。彼を見てスノーボードに一気にハマりました。あのバカみたいな硬いボードを動かしているスタイル、キレのあるロデオ。単純にかっこいいと思いました。そして僕もダニエルモデルを乗ってみましたが何もできませんでした(苦笑)。英語の専門学校を出たのですが、卒業論文は「ダニエルとスノーボード」というテーマでした。カセットテープのケースにもダニエルのライディングショットを切り抜いて貼り付けてコラージュして友達に自慢したり。とにかく僕がスノーボードを今でも続けているのは彼の影響です。

ところで、ここ何年かの日本のスノーボード・シーンを見ていると、海外に比べて、新しいライダーが出て来ないような状況があると思うのですが、辻村さんはどう思いますか? もっと現場に行ける取材人が、才能あるライダーを引き上げて行けたら、いいと思うのですが。

これはひじょうに難しい話ですね。私が感じるままを話すと、海外に比べると日本人ライダーはお互いのプッシュが少ないように感じます。具体的には日本人ライダーは雑誌やスノーボードムービーをあまり見ないというか、行く先々でのライブのみ他のライダーを見て参考にしているようで、多くのライダーから影響を受けているとはあまり感じないというか・・・。海外の方が、ライダー同士もメディアも、一般でイベントや大会を見に来たスノーボーダーも、盛り上がることを自ら期待し、ライダーたちの熱いライディングを見ることを楽しんでいるように思えます。「自分を表現する」ために大会に出てみることやムービーを制作することは大好きな日本人ですが、そこで満足してしまうのはもったいないですよね。あと一歩、それはきっとお互いのプッシュで世界に日本のスノーボードが盛り上がっているとわかるくらいに「見る」ことの気持ちよさを味わうことでしょう。偉そうなことを言ってしまいましたが、私も世界中の雪山で活躍する日本人ライダー、クレイジーなことに果敢にチャレンジするビックなライダーを見つけるべく、ライダーを追っかけたいと思います。メディアやブランド、ショップがライダーたちを窮屈にせず、開放的にかっこよく頑張る姿をもっと見つめられるような環境を作りたいですね。もっともっと雪山に行きます!

最後になりましたが、今後の辻村さんの抱負、そして夢を教えてください。

抱負・・・、そうですね、スノーボードに出会った方、いろいろな方がいると思います。お子さんができ、滑りに行かなくなった方、仕事が忙しいくて時間のない方、ケガをしてもう滑りたくなくなった方、つまらなくなった、そんな方たちがスノースタイルを読んで「ああ、たまには雪山にスノーボードしに行こうかな。」という気分になっていただける雑誌になるように頑張りたいですね。専門誌なのでコア層が読んで楽しい本であり続けることは大切ですが、一般層の方がちょっとカッコ良さに憧れたり、知識をつけようと思ったり、趣味が深まるきっかけとして読んでいただいたり、スノーボードから離れている方がまた滑りに行きたくなっていただける本制作に努めたいです。

夢は実はカリフォルニアでスノーボード・ショップを出店すことなんです。かなり難しく、本当に夢見てる感じですが・・・。理由としましては、西へ行けばすぐ海でサーフィンができ、ストリートにはキッズから当たり前のようにスケートしていて、北はレイクタホまで上がればスノーボーディングができるし、日本から来てアメリカでは一番近いので最高の立地条件かと。アメリカの影響力って結構いろいろなところであるじゃないですか、ファッションとか、映画とか。私の夢であるショップがうまくいくのは相当な努力と苦労が必要ですが、日本人がスノーボードをプロショップで買いたくなるムーブメント、オシャレをするためにカッコいいバックグラウンドのあるスノーボードブランドのアパレルを着たくなる魅力を探しに行きたいです。そしてそのアメリカで起こるリアルな話をどんどん日本のスノーボーダーに伝えたいです。で、スノーボードショップをやりたい理由は、もともと始めたての頃(13年前)客としてスノーボードを買いに行ったときはプロショップへ買いに行っていて、店員さんがカッコよくて、大好きなスノーボードのことで話が尽きなくて。私がスノーボードにどんどんはまっていった大きな存在でした。それで友達が最近ネットでスノーボード用品買ってるの聞いて「プロショップで買うことってクールだぜ」っていつも言っちゃうんですよね。私は今の仕事でたくさんのメーカーさんやショップ、業界の先輩方に勉強させていただき、この夢に近づけるようにと考えています。みなさん、時間があるときにはぜひお近くのスノーボード・プロショップ行ってみてください。スノーボードが好きなあなたなら、お金では買えない素晴らしいできごとがたくさん詰まっている空間です。

snowstyleインフォメーション

スノーボード専門誌snowstyle誌は、毎月6日発売!

最新号snowstyle11月号には・・・
マックダウ・プロダクションズがsnowstyleのためだけに協力制作を手がけたマックダウ・ベストとも言えるFLASHBACK LE」が付録。
スノーボードの歴史(特にスリースタイルの歴史)をマックダウ・プロダクションズのボス、マイク・マッケンタイアがナレーション。ぜひ見ていただきたい入魂作品!

そして来る12月6日発売のsnowstyleの付録は、最もパーフェクトなキッカーを作るために集まった12名のライダーの物語「THE GAP SESSION」DVDが付録。究極のキッカーを作るライダーたちの奮闘の物語はメガヒットを飛ばした制作「ロボットフード」の中心人物の一人デイビット・ベネデックらが手がける。

出演の12名はマシュークレペル、クリストフ・ウエバー フレディ・カルバーマッテン、トラビス・パーカー、トラビス・ライス、ニコラス・ミューラー、ステファン・ギンプル、マーカス・ケラー マルコ・グリッチ、クリストフ・シュミット、ギギ・ラフ、そしてデイビット・ベネデック。こうご期待!

snowstyleでは、最新情報も詰まったスノーボードwebサイト「snowstyle.tv」を配信中。
http://www.snowstyle.tv/

携帯サイト携帯版「スノースタイル」も配信中。

今年のsnowstyle parkは群馬県の川場スキー場と岐阜県の鷲ヶ岳の2箇所がすでにオープンが決定!

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