ウィスラーで磨き上げた奇抜スタイル/中村一樹

 

昨年の春、ウィスラーの山に虜となった中村一樹が、この冬はシーズンを通してウィスラーで過ごした。
かつては、スノーボード=(イコール)パークだった一樹にとって、山の地形で遊びまくれるその感覚は、ひじょうに新鮮だったようだ。
しかしフリーランの魅力に取りつかれた一樹は、不運にも山から滑落して大きな怪我を負うこととなった。
そんな落ち込む一樹だったが、スポンサーからのある一言で元気をもらい、残りシーズン爆走することなる。
シーズンを通してつかんだもの。それが、奇抜スタイルだった。
クローズまでファイナルカウントダウンが迫ったブラッコムで、一樹といっしょにブラッコムに上がった。

-日本でプロとして活動していた一樹が、カナダのウィスラーに来てまるまるシーズンを過ごしたけど、どうだった?

一樹:いやあ、山が大きくて遊べるので驚きました。
まるで、昭和の子供が浅草の花屋敷からディズニーランドに行った時のようなショックと言ってもいいのかもしれません。
僕にとっては、180度違うスノーボーディングがありました。

-具体的にどんなところにショックを受けた?

一樹:スケートをやっていて、そこからスノーボードにハマり、プロにまでなれたけど、そこにあった僕のスノーボーディングというのはパーク。そしてその延長で、大会がありました。
ウィスラーに来て、篭って、山全体を遊べる楽しさを知り、フリーライディングを上手くなりたいと強く思いました。日本では、ナチュラルでできたバンクとか遊べるポイントも少ないので、こうしたスノーボードをしたことがなかったんです。


(ヒールサイドでスラッシュしやすいポコバンクでもあえて、トゥサイドでスプレーを噛ました一樹。)

-日本では、大会という活動の他に、あの『かずきのごはん』というユニークな動画シリーズもあったけど、動画のアップが減ってしまったように思うのだけど?

一樹:もう、この山にいたら、ともかくフリーランがやりたくて!周りを見たら、うまい奴ばっかり。だけど、自分はパークばっかりやっていたから、一から鍛え直すという覚悟で滑っていました。なかなか撮影する時間も取れなかったというところです。

-そんな中、頑張り過ぎて(!?)、斜度50度以上もあるスパンキーというシュートで滑落して大怪我をしてしまったんだよね。

一樹:あの日は、視界が悪くて。気づいたら、20メートル滑落して、胸骨をアゴで叩き割ってしまいました。ヒビでした・・・。
でもそれだけで済んで良かったです。もしかしたら命もヤバかったので。
その後も滑れなかったし、滑れるようになってもちょっとしたウェーブぐらいのところで先のコースが見えないと凄く怖くなってました。それでしばらくまともに滑れなくなってしまって、落ち込みましたね。

-今は元気とても元気そうだけど、どうやって克服したの?

一樹:僕のボードをサポートしてくれるUSPジャパンの細野大輔さんさんからは、「うまくいかないこともあると思うけど前を向いて頑張ろう!応援してます。」と言ってくれました。
本当、それで元気をいただきました!
それから、自分と向き合うこもできて、誰もやらなさそうなことや、ちょっと一つアクセントを加えるように心がけ “奇抜な存在”になろうと思いました。

-かずきのごはんの時から、他のプロとは違った印象を持っていたけど、さらに滑りも奇抜に!?
そもそも奇抜スタイルってどんな感じ?もうちょっとくわしく教えて。

一樹:インスタとかにも動画あげたりしてるんですけど、撮影してる時に誰もやってなさそうなことを意識してます。
例えばフラットのウッドレールにあえてバックリップを掛けたりとか、ウォールも擦るんじゃなくてトゥイークでテール当てたりとかです。
簡単なことですけど、なんかその場の雰囲気も盛り上がったりしてくれるんで考えるのが楽しいです。


-プロ・スノーボーダーとしての一樹しか知らないけど、そもそもスケーターということだけど、始めたのはいつ?

一樹:スケートボードは元々14歳の時から始めました。
ずっとスケートはストリート系が好きで、フラットトリック、レールやBOXなどやっていました。だからレールのサイドインとかも全く怖くなかったと思います。
その点はスノーボードとスケートの技術が役立っていたけど、あまり自分的にスノーボードとスケートは全く別物と区別してました。
でも2年前ぐらいかな?その考えをやめてスケートボードとスノーボードをリンクさせたいって思ってたんです。
それが今年人生で初めてバンクドスラロームに出て、スケートのボールの感覚とそっくりで「あ、こういうことか!」ってリンクしました。
今年は夏のグレイシアもあるのでスノーボードとスケートの両方を楽しみつつ、スタイルとかも研究していきたいです。

-スケートとスノーボードを融合する感覚を得たシーズンということだったけど、今後パークライドの方は、どんな方向性を?

一樹:あまり真っ直ぐ行かず、一本にどれだけヒットできたりとか、パークをラインで遊べるようにならたらいいと思ってます。
フリーライド・パークをしていきたいですね!


(フロント3は、通常、ヒールで抜けることが多いが、大いに飛び抜けるトゥサイドで蹴って、決めてみせた。ひじょうにスタイル溢れる形。)

-とても楽しみ!最後に来季に向けて、どんな一樹を見せてくれるのか教えてください。

一樹:今季はまだ全然コースやクリフの場所がイマイチわかってなく、チャレンジし切れないことが多いシーズンでした。
春になって雪が落ち着いた時に改めて「あっ、ここ飛べるやん。」って言うのが多かったので。来年はぜひチャレンジしたいと思ってます。プロ・スノーボーダーとして新しい中村一樹の進化したシーズンにしたいです。
どんな時も楽しめる、そしてそれを伝えれるように頑張ります!楽しみにしててください!!

中村一樹
kazuki nakamura

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ムラサキスポーツ
head snowboards
O’NEILL
マツモトワックス
ポキポキ堂
ONE SHRED CREW

年齢:30歳
スタンス:レギュラー

使用モデル
board:architect 148 / head
binding:NX three
boots:seven BOA

特技
スケートボード
YouTubeを長時間観る
ガヤ

中村一樹インスタ
https://www.instagram.com/kazuki_z3z/

中村一樹ユーチューブ
https://www.youtube.com/user/z3zzzz