Heart Filmsエディター/林 伸浩

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2シーズン目にして、熱いハート魂で一気に日本のスノーボード・シーンを動かし、さらには世界に飛び出して行ったHeart Films。昨年は多くのスノーボード・ショップでも「一番売れた!」また「最高のクオリティだった」という評判が高かった。そんなHeart Filmsで影の仕事をしている方が、今回ご紹介する林 伸浩エディターだ。あまり知られていないHeart Filmsの裏のヒーローに目を向けてみた。

Interview by Fusaki Iida

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Heart Filmsのエディターになったきっかけを教えてください。

単純にカナダでスノーボードがしたくてウイスラーへと来て、その年のシーズンにハウスメイトたちと「みんなでビデオを作ろう!」ってことになって作品を制作したのがきっかけかな!?
そしてハウスメイトでもあった忠に「エディターとして参加しない?」と声をかけてもらったんです。
最初は何度か断り続けました。だって、正直ビックネームの多いHeart Filmsの編集は荷が重いと感じたのもあるし、オレにできるのか?と不安も大きかったから。
最終的には忠と何度か話し合い、エディターとして動くようになりましたね。

忠が、ノブさんにエディターとして強く依頼した理由は、何だと思いますか?

カナダにいること?そして身近な存在であることかな?
海外での展開を強く意識しているHeartクルーは日本で動くことはなかなか難しいですよね。
確かにエディターはどこの場所にいたとしても編集できますが、ライダーとの距離を埋めることってなかなか難しいことだと思います。
そこで、カナダに移住意欲のある自分に話がきたのでしょうね。そうすれば、カナダにいながらにしてライダーとも時間を持てるし、お互いのコミュニケーションもとりやすいし。

エディター。ビデオ作品の編集する仕事ですが、なかなか一般の読者の方にはわかり難いかと思います。そこで、わかりやすく仕事の内容を教えてもらえませんか?

Heartメンバーと山の上で記念撮影。一番左ノブさん、右は忠。

エディターという響きを聞いてピンとくる人ってほとんどいないか、と思います。
ビデオ作品を編集、制作するのはもちろんですが、ホームページ上での動画アップや画像チャックなどもします。
そしてフィルマーやライダーと話し合いをすることも大切な仕事の一つですね。

エディターは基本的にパソコンと向き合っている時間がほとんどで、フィルマーやライダーとのコンタクトには限られた時間でしかない。その時間内で「今日はどうだった?」とか映像を見ながら「これヤバい ね~!」とか「こんなロケーションどう?」などコミューニケーションをとることも大切だと考えてます。

常にライダーといっしょに撮影するフィルマーと違って、影の仕事人、という感じもしますね?

まさに”影”ってイメージですよね。
実際に撮影現場へ行くことはほとんどなく、ライダーの滑りをみることは画像の中が多い。でもそれが良いとも考えてます。
撮影に携わるとその時の感情が大きく出てしまい、画像的には決して良いカットではないけど・・・、なんてこともなりかねないから。
ビデオを制作するにはある程度の一般目線も視野に入れておかないとおもしろみに欠ける作品になりかねないのもあると考えてますし。

確かに撮影者は画に思い入れが強く、カットはできないものですよね。その点は編集者は、残酷に(?)視聴者の思いを探知して、不必要な画をカットする指揮官のようでもあります。
ところで、Heart Filmsは2年目にして、かなり飛躍した年のように見えました。クオリティはもちろんですが、昨年は、売り上げ的にも、一気に上昇た年のように思います。実際、ノブさんから見て、どう思いましたか?

そう思っていただけことは光栄なことですね。
日々進化!それがHEARTメンバーそれぞれのキーワードにもなっているし、エディターとして2年目から加入した自分としても、HEART作品に貢献できているのかな~!?なんて思います。

Heart Filmsというとやはり忠の存在は欠かせません。ノブさんにとって布施忠とはどんな存在ですか?

良き仲間です。確かに今はHeartメンバーとして同じフィールドにいるのかもしれませんが、「良き仲間」であることには変わりはありませんね。いつまでも言いたいこと言える仲であるし、時にはくだらないことでケンカしたりバカなことしたり。
そんな関係があったからこそ今の自分があるのも確かですしね。

ノブさんを見ていると、忠とは凄く自然に接しているように見えます。日本のスノーボード界にとっては圧倒的な実力を持つ布施忠は、人によってはあまりもオーラを感じて、萎縮してしまいがちですが、ノブさんはそんなこと感じないのですか?

初めて会った時は確かに感じましたよ。その当時から超有名人でしたから。
「オォ~!この人が布施 忠かぁ~。」って(笑)。
でも根本的なところはみんないっしょですよ。それは「スノーボーダーであること」
出会った頃、いっしょに滑るチャンスがあって一日中いっしょに滑ったらそんなこと関係なくなりましたね。「有名人である前に同じようにスノーボードが大好きなんだな~。」って感じたんですよね。
それ以降お互い自然に近い形になっていったと思います。

忠の雑誌インタビューでは、「日本にもうまいライダーはいるし、ただフューチャーされていないだけ。世界に進出できるライダーはいる」 というようなことを聞きます。しかし、第三者の立場として、またHeart内での布施 忠の力が際立って高いように見えてしまうのですが、ノブさんから見てその点、どう思いますか?

トランスワールド誌で忠はベストパート賞を受賞!

ん~。。ひじょうに難しい質問ですね~。
確かに感じる部分はありますよ。
今回、忠がトランスワールド誌でベストパート賞を受賞したことはとても嬉しいことだし、編集を携わり、そしてそれが評価されたことは自分自身にも大きな自身へと繋がりましたね。
ただ、スキルもそうかもしれませんが、それよりも「経験の違い」が大きいと思います。

Heartクルーは基本スノーモービルを使って撮影することがほとんど。
そのスノーモービルを乗りこなすだけでも多くの時間を費やさなければならない。多くの人たちはスノーモービルって簡単に乗りこなせると、思っているかもしれません。しかし、それは大きな間違いです。1つのアイテムを撮影するのにも大きな時間と体力が必要なんです。そして山(=地形)をみる力も必要ですし。その経験が忠にはある。
それはスノーボードだけができれば良いカットが撮れるといった常識を大きく変えるものでもあると思いますよ。

なるほど、ひじょうに興味深いご意見ですね。単にスノーボードがうまいへただけではない、という言葉が印象的です。
ところで、Heart Filmsには日本を代表するライダーが多いと思います。しかし、日本には國母和宏とか中井孝治など、Heartに出ていないまだ凄いライダーがいます。そのようなライダーといっしょに、例えばRed Eye’s Filmと共同でリリースするなどしたら、夢の日本発信ビデオができると思いますが、そんなこと考えたことないですか?

具体的に考えたことはないけど、そんな作品があってもいいですね~。
日本人にもこんなヤバいライダーがいるんだ!ってことを世界中の多くの人たちにも知ってほしいし、日本トップレベル軍団のビデオ作品を多くの人たちに見てもらえたら、それもまた光栄なことですし。

そんな夢の企画も何年に一度でもいいので、実現してほしいものです。
さて、Heart Filmsの来季登場する新ライダーを紹介してください。

ドン(DONN HORE)、フータ(安立 風太)、サチ(田中 幸)の3人です。
まずはフータ。vol2作品ではフレンズとして出演していましたが、今年から正式なメンバーとして加入。キャラ的にはキャノンボール(弾丸)部隊ってとこかな?舐めるような板さばきには驚かされますよ!

そしてドン。今ではHeartのムードメーカー的存在へとなりつつあります。日本人そして日本語が中心の撮影状況の中で彼の努力はすばらしいものですね。
そして紳士的でナイスガイ!って感じですかね。

続いてサチ。彼女の存在は昨年の春あたりから知りました。彼女はスノーボードに対してかなりの努力家だと思います。
同じアイテムをメイクするまで何度も何度もハイクしトライする姿は圧巻です。そんなところが加入へと至りましたね。

来季のHeart Films、どんな内容になるか、ちょっと教えてください。

華麗にメソッドを決めるノブさん。ノブさん自身ライダー級のレベルという噂も。

まだ具体的には決まっていないのが正直なところです。
ただ、素晴らしい作品にはなることは確実です!イヤ、必ずしてみせます!
それだけ撮影にライダー、フィルマーともに多くの時間と努力をしていますし、それに応えすばらしい作品を制作していくことがエディターとしての役割の一つと考えてます。

さらに進化するHeart Filmsを楽しみにしています。さて、今後のHeart Filmsはどんな形となっていくと思いますか?

毎年何かしら新しい形で作品を見せていけたらな~。と思います。
毎年、毎年同じような感じで作品を製作しても視聴者の方々も飽きてくるでしょうし、「今年はこんな感じできたか!」とか「来年はどんな感じでくるんだろう?」なんて思い、期待してくれたら嬉しいですしね。
いつでもマンネリせず、進化していくことは忘れないでいきたいです。

最後にHeart Filmsを応援してくれてるみなさんへメーセージを。

Heart Filmsを応援してくれてるみなさん.ありがとうございます。
今年で3作品目となるHeart Filmsですが、まだまだ手探りな状態も多く四苦八苦な毎日を過ごしています。
ただ、この経験こそが成長するための一歩だと思います。

一つの枠に固まらず「いろいろな形で表現していけたらな~。」と考え、みなさんがワクワク、ドキドキするような作品を提供できるよう、そして世界のフィールドへとさらに進化するよう、クルー一同がんばっていきます!
今後とも応援よろしくお願いします。

そしてみなさんもスノーボードを楽しんでね!!

 

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