同世代への希望の星を目指す/国広 直也

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INTERVIEW: DEREK HEIDT

4年前にスノーボードの経験がないまま海外に飛び出し、今年見事に日本でプロ資格を取った国広直也。そんな直也にカナダのプロ・ライダー仲間であるデレック・ハイトにインタビューしてもらった。彼のスノーボード原点、上達哲学、夢etc、そんなエネルギーを感じれる必見インタビューだ。

??いつどこでスノーボードを始めたの?
国広(以下K):4年前にウィスラーで始めた、一度もやったことがないのに、いきなりウインテック(注:海外で英語を学びながらスノーボードを勉強するプログラム)に入ったんだ。

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??直也はボーダー・クロスでプロになったらしいけど、ボーダー・クロスの魅力って何?
K:コーチから「スノーボードでは、何事にも基本となるのはフリーランだ」って叩き込まれた。ボーダー・クロスで良い成績を収めたのは、その延長線だと思う。速さやテクニックだけじゃなく、駆け引きもあって、誰が勝つのかわからない。だから、
おもしろいよ。

??4年でここまで来れたって言う、直也の上達の哲学みたいなものって何?
K:転ぶのを怖れないってこと。転ばないと限界値もわからないし、何も見えないから。

??直也はニュージーランドやカナダでスノーボードをやっているけど、日本と比べて何が違う。
K:日本ではどうも「リゾートとして作られたゲレンデ」を滑るって感じがするんだ。でも、海外は「自然の山」を感じる。だから、ギャップやクリフが当たり前のようにあったりとか。とにかく飽きないし凄く練習になる。でも、あなどれないよ。常に危険と隣合わせだからね。僕が上達できたのも、この甘やかされない環境で練習してきたからかもしれない。

??ウインテックの生徒として海外で滑り、そして特別強化生を経て、現在は海外スタッフとして働いているけど、その仕事ってどんな内容なの?
K:外国人コーチとの橋渡し役や、生徒へのテクニカル・アドバイスが中心。時にはケガ人の世話をしたり、業務上の雑用もやったりと、いろいろ。忙しくてなかなか自分の時間を作れないのが辛い・・・(笑)。

??これから、どのように滑っていきたい。そして、どんなライダーになっていきたい。
K:スタイルとしては、もっとフリースタイルを磨いていきたい。僕自身スノーボードを始めたのが決して早くなかった。当時10代の若手がどんどん出てきていた頃でね。でも、その時思ったんだ。始めたのが遅いことを言い訳にしたくないし、逆に今からビッグになって自分と同世代の人たちに希望を与えるような人物になりたいって。だから、僕自身も、これから守りに入らずにどんどんヤバイ事にチャレンジしていくつもり。ちょっと漠然的な言い方になるけど、大人になってからスノーボードを始めた人に夢を与えるライダーになりたいんだ。

??直也の憧れるスタイルのライダーって誰?
K:テリエ。どんな格好をしていても「あっ、テリエだ」ってわかるところが最高にいい。例えば髪を染めるとか、1つのブランドの服で全身固めるとか、そういう形で「個性」って言葉を使う人がいるけど、本当の個性って、そんな2時間もあればでき
ることじゃない。金ですぐ買えたりするモノじゃないでしょ。そういう外見的な事ではなく、滑り、中身、人生で「国広直也はちょっと違うよね」って言われるようになりたい。ちょっとカッコいい言い方しちゃったけど、言ったからには頑張る!

??最後にスペシャル・サンクスをどうぞ。
K:ウインテックを始めとしたスポンサーの方々。家族。関さん。最後にマネージャーの育美さん。

(インタビュー後記)
「守りに入らずヤバイ事をやっていく」
一見、はにかみ屋で口下手な直也だが、じっくり考えながら話す彼の言葉には、彼の真の強さを感じた。チャレンジ精神が旺盛な26歳は、これからのスノーボード・シーンで核弾頭になりうる、そんな予感がするインタビューだった。

生年月日:1974年11月18日
出身地:兵庫県姫路市
身長:185cm
スポンサー:BURTON ATX, HELLY HANSEN, GW-SPORTS, OAKLEY South Pacific,
KUU, Dreamy SB Shop, Black Lips, WINTECH

●このインタビューは、SNOWing2001年9月号に掲載されました。

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