原点回帰 in ニュージーランド/水上真里

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海外で多くの時間を費やして活動をして来た水上真里。そのかいあって、日本人では数少ない世界に認知されたプロである。常にポジティブにチャレンジを続ける真里はこれからもどんどん新しい境地を築いて行くの違いないが、そんな中、自身の海外原点となったニュージーランドに再び戻った。そこで不運にもクライストチャーチで行われた大会で骨折というアクシデントに見舞われたが、そんなネガティブさを微塵も感じさせない明るくて強いインタビューとなった。

フサキ(以下F):骨折したということだけど、大丈夫?
真里(以下M):クライストチャーチの大聖堂の前のレールの大会で右手の真ん中の骨を折ってしまって全治3、4週間です。
元々、ニュージーランドではLI’Lとトランスの撮影で来ていました。MT HUTT近くのローカルの山でフリーライディングをしていたんです。ローカルの山で滑っているとローカルの友達もできて楽しかった! おもしろい地形の場所に連れて行ってくれたりするし。女の子4人で来ているから、ニュージーランド特産のおいしいミートパイとか食べまくったり。

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F:それで撮影の方は大丈夫だったの?
M:シーズン中はパーク中心の映像や写真が多かったので、パウダーランやナチュラルを残そうと思っていました。それが目的できたからあまりレールやボックスには入らないようにしようと決めていたけど、クライストチャーチの大聖堂の前で滑れるなんて、絵的にも良いし思い出に残ると思って。久しぶりなのにアドレナリンも出るし、勢いでスイッチで入ってノーズスライドしていたら板がダウンボックスから外れて右手を変な方向についてしまったんです。メッチャ痛かったけど我慢してその後3本入ったけどメイクしても振動で痛いから途中でリタイヤしました。私は軽症だと思ってたけどいっしょにいた友達に絶対レントゲンを撮ったほうが良いよ!って言われて撮ってみたら手のひらの中指の骨がきれいに折れてたからユキエちゃん(上田)に強すぎるって笑われた。
結局、残せたのは大聖堂の大会だけだけど、治ったらナチュラルの写真を残して日本に帰ろうと思っています。

F:真里ちゃんは一人で海外にもどんどん出て行ってしまうけど、海外でやって行くコツみたいなものってある?
M:私の初めての一人旅行は20歳の時にニュージーランドです。その時の彼氏に「自分がどこまでできるか試してこい」って言ってくれて。誰も知らないし、右も左もわからない。情報を仕入れえて宿を見つけて泊まる。新しい場所はいろんな発見があるし、何があるかわからない。私はそれが楽しくてハマっていったなあ。やはり、その楽しさに巡り合いたくて、また旅に出るのだと思います。
今、実はその時に泊まっていた場所にます。あの時と同じように今でもスノーボードがうまくなりたいって言う気持ちは同じ。今思うと、一人で何でもできる気持ちでいたけど各地のいろんな人たちが私を守ってくれて、いたんだと思います。

F:真里ちゃんは、スノーボードのあらゆるスタイルに対応しているけど、最近特に意識しているカテゴリーまたはスタイルってある?
M:今までずっとケガでヒザに負担のあることはしていなかったけど、ヒザの調子も良くなってきたのでフリーラィディングがしたいな。裏山のフカフカのパウダーを滑ったり、クリフを飛んだり、臨機応変に自分のイメージのまま大きな山を滑ってみたい。しかしながら右手の骨折で滑れるのは1ヵ月後だけど・・・。その時は思いっきり楽しみたい!

F:もしナチュラルに行ったら、どんな技を決めてみたい?
M:雪庇などでスイッチオープン180とか。ナチュラルでスピンをしてメイクしているフッテージを残したいです。後は、ストレートでもでっかく飛びたい。

F:レールとかボックスとかでやるジブ系もうまいけど、どうやって上達して行ったの?
M:プロになる前まではパイパーで、それからキッカーにハマっていったけど、ヒザのケガが多くて。それであまり着地の負担がないレールをやろうって思ってからです。でも、最近はヒザの調子が良くなったので飛びたいです!
(写真左、この夏ブラッコムのCボックスで270 in 270 outを繰り返していた。常にチャレンジする姿勢が毎年新しい水上真里の新スタイルを生み出す)

F:真里ちゃんと見ていると、女の子にはなかなか出せない一発の集中力があるように見えるけど、何か集中するためにやっていることある?
M:周りに配慮できる余裕を持ちながら、周りを気にしない集中力がほしいとは考えています。いつもいつも完璧にできないかもだけど、やらなきゃいけないところでは、気を引き締めてやるようにしています。

F:その気の引き締め方というか、何か凄いエネルギーを出すよね?
M:そうなんでしょうかねぇ・・・、そういってもらえると嬉しいです。自分では良くわかりませんが。

F: 最近、インナーマッスルのことをよく話すけど、くわしく教えて?
M:私もケガをしてから体のことを凄く気にするようになったんです。体が硬かったから、ストレッチを始めました。それからアメリカでジムに通っていたらヨガの教室をやっていて、ヨガが私の体に必要だと思い始めたんです。体の左右の対称が違っていたんです。それはスノーボーダーでなくても日常生活からのゆがみもあると思うから、みんなにオススメです。筋肉は何百種類もあってその人によって使っているところが違うんだって。
それで、スノーボーダーに必要なのはインナーマッスルだと思います。バランス感覚が良くなるし、姿勢も良くなるから軸も作りやすいし。
PILATESはそういう筋肉を鍛えたり、普段の生活では動かしきれない必要な筋肉を動かします。筋トレをすると息を止めがちだけど、きちんと呼吸しながら体を動かすのが大切です。息を吐くときに伸ばすのがポイント。

F:PILATESとは何?
M:体の軸となるコアの部分を鍛える体操です。
ヨガはポーズをとって静止することが多いのですが、PILATESは良く動きます。ただ、足を動かすのではなく、正しい呼吸をしながらきれいな円を描くように動かしたりします。そして結構ハードですが柔軟性が出ます。なので、ケガをしてしまった人にオススメです。鍛えなきゃいけないからといって重い錘をつけて呼吸を止めて動かしていてもスポーツするための良い筋肉はつかないので、呼吸をしながらが動かす有酸素運動がお勧めです。インナーマッスルを鍛えるイメージとしては地球の地軸が足の裏を通って、体の中をまっすぐな軸がそのまま頭のてっぺんまで通っていて釣られているような感じです。おへその上の丹田を上に持ち上げるような感じです。

F:ところで今年のLi’lの撮影はどうですか?
M:今年はメンバーでいっしょに動くことが多く仲間意識もあっていいですね。ライフスタイルのシーンも個人だけが多かった昨年に比べ、今年はみんなとワイワイしてるシーンが多いから素顔が見れるんじゃないかなあ。リル・メンバーに新しい女の子たちも加わって、さらにライディングシーンもパワーアップしました。

F:ところで、今の女の子のスノーボード・シーンについてどう考えている?
M:タラ・ダギラスが男の子と同じレベルの滑りをしてから、女の子のレベルはかなり上がっていっていると思います。数年前は女の子の筋肉じゃあ無理だといわれていたような技も今やっている女の子はほとんどだし、これからもっと進化して行くでしょう。

F: この冬の活動予定は?
M:先のことはわからないけど、私をハッピーな気持ちにさせてくれる友達とアメリカやカナダを回ると思う。新しいことに挑戦したいな!

●水上真里プロフィール
スタンス幅: 50cm
スタンス角度: 前15、後-9
SPONSORS: RICE 28, VELVET EYE WEAR, , FLUX, EXIT, TIMEX, NIKITA, SBN, Li’l, Shot in the dark, 浪人
(以下、SBN水上真里サイトでさらにくわしいプロフィールがチェックできるぞ!
http://snowboardnet.jp/artist/mari

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