ユキエちゃんが新たな世界! ビデオ・プロデューサーへ/上田ユキエ

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日本のスノーボード界で最も知名度がある女性ライダーと言っていいだろう。メディアでの露出度の高さに加えて、彼女は毎年何か新しいことにチャレンジしている。例えば、一昨年から昨年にかけてはバックカントリーに行く姿をよく見かけたし、また今年はビデオのプロデュースを行った。毎年、もの凄い行動力とバイタリティでスノーボード業界を盛り上げる上田ユキエ。そのルックスの良さから一見アイドル的要素が強いように思われるが、自分の気持ちに正直に生きる彼女の姿は、現代スノーボード界の先鋭的な存在である。今回もビデオ制作にまつわる話など、ストレートに語ってもらった。スノーボーダー上田ユキエの魅力に迫ってみよう。

フサキ(以下F):ユキエちゃん今年はビデオを作ったりして、あいからわず業界風雲児だけど、シーズン前の今はどんな活動をしているの?
ユキエ(以下Y):トレーニングがてら、冬滑る山を登ったりMTBで走り回ったりしています。昨日もヨウちゃん(三宅陽子プロ)と登山して「あそこ滑りたくなーい!」って盛り上がってました。

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F:夏場の山に上がることは、冬にバックカントリーのポイントを調査しているの? その他、何か体力強化とかの他にメリットとかあるのかな?
Y:もちろん、冬滑る山に登ることは地形のチェックになるので普通に登るより興味があるし、勉強になります。でも、雪が積もっている状態と全然違うので、「あのくらいの木は全部埋まっちゃうのかなあ」なんて考えたりしてます。そして、楽しく体力づくり、という面もあります。
何よりも、自然の中で感じることが一番で、室内でトレーニングしているよりなんだか野生の感みたいなのが研ぎ澄まされる気がします。そんな感じです。

F:なるほど。ところで、ビデオの方だけど完成してみて感想は?
Y:完成してみて、改めて感じたことや反省点などがいくつもありました。映像、音楽、編集のクオリティーの面、そして自分の考えるコンセプトを実際の映像で伝えることの難しさ、言葉だけでは伝えることのできない編集へのもどかしさなど多くのことを感じました。
しかし、今回の反省点や伝えたかったこと、妥協してしまった点などをきちんと考え、また次につなげていきたいと考えています。
今回女の子のビデオをみんながそれぞれ撮っていた映像を集めて何か形にしたいって思いました。日本人の女の子ライダーもみんな凄くスノーボードを楽しんでるし、そういうフィールドをもっともっと見てほしいっていう気持ちからです。スノーボードをガンガンやっている女の子たちに向けてというだけではなく、やったことのない人や興味はあるけどきっかけがない人にも「あれ、スノーボードってこんな普通の女の子たちができちゃうんだ。」って興味を持ってもらえたらなって思います。特別なものじゃなくて、みんなが楽しめる遊びってことを知ってほしいです。そして、私たちの大好きなスノーボードを楽しむ人が増えてくれたら嬉しいです。

F:素晴らしい考えだよね。やはり、どんどんと新しい子が入って来てくれないと業界活性にもならないし。そもそもこうしてビデオを作る発想は、どこから来たの?
Y:日本人の女の子ライダーが見せられる場所は今のところ限られていて、もちろんそこで出してもらってすごく有り難い立場なんだけど。もっと幅が欲しいなと思って。みんなもきっとそう思っていて。特にこれからの女の子たちは凄く求めていてそれをぶつける場所がなくて。だからそれを打ち破って自分達で作っちゃえばいいじゃんって。新しい女の子の見せ場のひとつとなったらいいなって。
今までになかったからこの先ずっとないわけじゃないだろうし、やってみなきゃわからないことだらけだから。
実際ビデオ制作も、やってみなきゃわからないことだらけで、いろんなこと勉強しました。自分が編集するわけじゃないし、ライダーそれぞれが思うこと、伝えたいこと、見せたいことを伝えて形にしていくのはすごく難しくて。私を含めみんなに(もっとこうしたかった)という思いはあると思います。最初だから仕方ない、というより、初めてやるからこそ妥協したくないことやしっかり見せたい部分はありました。だから思うようにできなかった悔しさもあります。
だけど、最初がなければ2番目も3番目もないから。みんながやりたいって言ってくれてこのリル第一作目が作れたことは凄く大事なことだったと思います。私たちの新しい試みに協力してくれたすべての人に感謝しています。

F:ユキエちゃんが特にこのビデオで伝えたいことは?
Y:スノーボードをガンガンやっている女の子たちには、いろんな滑りを見て女の子でもこんなにいろいろ楽しめるんだよってことを伝えたい。それからまだやったことのない人、やってみたいけど踏み出せない人、それから特に興味を持っていない女の子たちにも、スノーボードって何も特別なスポーツじゃなくてみんなと変わらない普通の女の子達がこうやって楽しんじゃってるものなんだよって事を伝えられたらいいなと思います。そして、私達の大好きな、こんなに夢中になっているスノーボードを楽しむ女の子が一人でも多くなって盛り上がっていったらいいなと。
女の子だからこそ気軽に入り込んでもらって、でもみんなの深い情熱や思いを伝えられたら・・・それが一番の願いです。

F:それにしてもユキエちゃんって姉御肌だよね? 最近は若いライダーの子たちをよく見てる? 確かユキエちゃん末っ子だったような気がするけど、そういう部分って元々あったの?
Y:ないですね(笑)。たぶんどこにいっても年下扱いなんで。今でもそうですけど。まとめてるようで、まとめられてる?ぐらいでいいのかも。

F:サブリナ(注:ユキエ・プロデュースのボード)でもライダーを集めたりしているけど、まだ無名な若いライダーの子たちを見る時、どんなことが判断基準になっているの?
Y:気持ち。心意気。フィーリング。本当にそこが一番グッとくるかな。やっぱ人間だし、ただうまいへたというだけじゃない、何か惹きつけるものを持ってる人って魅力を感じます。例えば、楽しそうに滑るのもその1つ。一見クールに見える人でも情熱持ってる人ってたくさんいると思う。

F:僕はこの世界に入って20年近くなるんだけど、ユキエちゃんのように長い間、活躍する女性ライダーって見たことがないよ。このエネルギーってどこから来るんだろ?
Y:うーん、本当に自分はまだまだって思ってるし、もっとできるはずとかできるようになりたいって気持ちがあるのと、スノーボードという新しいフィールドでお手本がなくて、だから自分で何でも挑戦してもしかしたら作り上げていけるかもっていう興味と今の立場からも、助けられていると思う。だから、本当にありがたい。

F:そもそもユキエちゃんがプロを目指したきっかけって何だったの?
Y:ただ、今の自分がどこまで通用するのかプロの世界で試してみたかった。スノーボードも、ハーフパイプという競技も大好きだったから。20歳過ぎて、こんなに夢中になれるものってなかったから。きっと、目指してる自分も自分自身で好きだったんだろうな。

F:尊敬するライダー、もしくは好きなライダーは?
Y:いないんです。特に。たくさんいるんだけど、「この人一人!」っていうのはないです。人それぞれ、いろんないいところを持っていると思うから。

F:今期の活動予定と豊富を?
Y:今年も、もっといろんな経験をしたい。まだまだやりたいこと、やってみたいことがたくさんある。でも、焦ってないかな。だって、今だからきっとできるんだろうしそう思えたと思うから。もっと前にやり始めていた人がいたとしても、それはそれ。尊敬する部分もあるし。私は私のペースで前に進んでいけたらって思ってます。

F:全然、関係ない話だけど、結婚とかは考えてないの?
Y:ハハハ。どうなんでしょう。家族が大好きですごく大事なので、私自身の家族も作りたいですねー。いつか?

F:最後に夢を!
Y:自分の人生、一度の人生、楽しく生きていきたい。それが一番。誰の為でもなく、私が幸せになることで、誰かを幸せに出来たら嬉しい。そして、私の周りの人たちが、幸せでいたら私にも伝わってくるし。生きてるって感じながら年をとりたい。

YUKIE UEDA profile
出身地:東京都
プロ歴:7年
スタンス幅:47センチ
スタンス角度:前21度 後ろ-6度
ボード:SABRINA btm
ウエア:NFA
ブーツ:DC SHOE CO USA
バインディング:FLUX
ゴーグル:VELVET
グローブ:DROP
ショップ:ミナミ
時計:TIMEX
カジュアル:HURLEY
チューンナップ:DISPORT

好きな雪山 今たくさんありすぎて!ホームはウィスラーかな。
好きな動物 ふくろう(実際会ったら怖いけど)
好きな音楽 いろいろ。
好きな言葉 ナンバーワンよりオンリーワン
好きな男性タイプ 楽しいのがいい。

●ビデオ「Li’l」のインフォメーション
レディーススノーボーダーのカリスマ上田ユキエがビデオ『Li’l』をリリースするにあたってこうコメントする。「女の子の視点から見た女の子出演のビデオって今までなかったですよね。だからこのビデオを通して街で遊んでいる女の子にもスノーボードシーンを見て素直に、カッコよくって、楽しいってことを感じてもらいたいんです。そして、既にスノーボードを楽しんでいる女の子には、技術面もそうだけど、女の子でもいろんなアイテムやフィールドで遊べるんだということも。また、出演ライダーのライフスタイル等も紹介して、私たちが全ての女の子達と変らない『普通の女の子達』なんだということも伝えていきたいんです」
いわゆる街で遊んでいる女の子達にはスノーボードがいかに楽しいかということ、スノーボーダーの女の子達には、スノーボードの可能性ということを伝える、まじめでFUNなビデオだ。もちろん憧れのカリスマレディースライダー達のライディングも必見!

STARRING:上田ユキエ、三宅陽子、興梠真美、中山絹代、佐藤涼子、江本名美、中淳子、大木絵里、岩元郁代、鬼頭春奈、関口真友子、他

価格:VHS、DVD共に2800円

販売元: Maneuverline Inc.
03-5245-3113
http://www.maneuverline.co.jp

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