目線を先に送り続ける努力

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スノーボーディングをしていて、最も重要なことに目線を先に送り続けるという要素があります。
自転車や車の運転と同じように、これから進むべきところに目線を送り続けることで、スムースなターンが実現。
例えば、高速道路を運転中に、下を見ていたり、横を見ていたりしていては、怖くて運転できるものではありません。
しかし、スノーボード上達の歴史において、多くの人が誤った目線を送り続けます。

はじめてスノーボードをした人

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スケーティングの時に目線が足下に。これではうまく進行方向に進めません。

写真

初心者

ターン中に目線が下がります。
これから滑る方向に目線が行っていないために、ターンしていて恐怖感が。
車の運転中、わき見をしながらと同じで、怖いのはあたり前。

 

初中級者

大回りターンでは、目線を徐々に先に送るのが基本。
およそ30度くらい先に目線を送り続けることが大切。
なのに、目線の送り方が極端過ぎて、スムースなターンができなかったりする。

(大回りしている時の目線は、時計の針で言うところの2~3時間先が良い。例えば、12時の位置にいる時、2時から3時あたりを見ていればOK。しかし、つま先側のターンに入ったとたんに6時間も先に目線を送ってしまって、ターンを早く切り上げてしまう例が多い。ボードはまだ3時方向に行きたがっているのに、目線はさらに3時間先の6時方向の谷側に行ってしまっているので、そこで目線と板の進むべき方向とのケンカが起こり、居心地の悪いターンにもなってしまう要因になる。大回りでは目線は自分がいる場所からほのかに先へ先へ送るようにしよう。)

(以上の写真、ボードは、もっと真横に近い3時方向に行きたがっているのに目線がさらに先の6時方向に行ってしまっている例)

 

フリースタイル初心者

キッカーでもハーフパイプでも、もちろんジブ、ボックスなどでも目線を先に送り続けるのは、大切。
なのにできない例を多く見て来ました。

イラスト1キッカー

イラスト2パイプ

イラスト3ボックス

 

コブやパウダー

コブやパウダーでも目線を下がる人は多くいます。
何度も言いますが、これから滑るところを見ていないと、よけいに怖い。
だけど、多くのスノーボーダーはこれができなかったりします。

 

目線を送り続ける努力とは?

各レベルにおいて、目線を先に送る例を説明して来ました。
わかっているけど、できない。

なぜなら、慣れていないから。
経験がないから。

でも、だからと言って誤った目線の送り方はすべきではない。
そこで、必要なのが、目線を送り続ける努力です。

まず、これから自分が克服すべきステージで、正しい目線の送り方を考えてみてください。
ここまで説明して来たので、何が大切か、何が必要かはわかっていることでしょう。
滑る前にしっかりと意識付けするのです。
さもないと、また同じ過ちを繰り返します。
頭が空っぽのまま、なんとなくやれば、いつものなんとなくの失敗ランが現れるだけです。

滑っていて、うまくいかないようなら一度止まって、再認識。
ドタバタと忙しい状況で滑っていても、またまた同じ過ちを繰り返すからです。

以上のような繰り返しの目線の正しい送り方を意識続けることが、目線を先に送り続ける努力です。

目線の正しい送り続ける意識の繰り返し=目線を先に送り続ける努力

実際、僕はレッスン中に、生徒さんに目線を正しい方向に送るようなアドバイスをします。
アドバイスの直前にはうまくできていても、まだすぐに戻ってしまうことがあるので、その時に、一度止まってもらって、またアドバイスします。
僕は、生徒さんのゴール(=正しい目線の送り方)に導くように、アドバイスを続けていきます。
できていれば褒めるし、できていなければ繰り返しアドバイス。

レッスン終了後には、だいぶ良くなって、以前よりも自由にスノーボーディングができる世界が広がるのです。

これは各々のレベルでできることなので、ぜひ実践してみてください。

 

飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴34シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWing誌では、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、シーズン中に一回は日本へ帰国しコーチングも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、今なお世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!

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