スノーボードのウェアに必要な耐水圧と透湿性は?

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スノーボードのウェア、できるだけカッコいいのほしい!
みんなからカッコいい、カワイイと言われる自慢のウェア着てみたいよね。
だけど、気になるのは、そのクオリティ。見た目OKでも果たして、そのウェアはこれからスノーボードを続けていくのに、良いものなのだろう?
特に初心者スノーボーダーさんには気になることだと思います。

そこでスノーボードのウェアで最も大切なクオリティ要素、耐水圧と透湿性をわかりやすくご説明しましょう!

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ウェア選びの大きな基準!耐水圧と透湿性とは?

スノーボードのウェアを選ぶ時の1つの大きな基準数値と言えば、耐水圧(Water Proof)透湿性(Brithability)です。
これの意味は、以下のようになります。

耐水圧:どれだけ濡れずに済むか。外からの雪や雨をジャケット内に浸み込ませずに快適に過ごせるか、という数値。
透湿性:出た汗や水蒸気を外に逃がしてくれるか、という数値。中が蒸れると気持ち悪いので、快適性を表す数値とも言えます。
※どちらの数値も高いほど優秀デス!

簡単に言うと、

外からの水をカット(=耐水圧)
内からの蒸れを出す(=透湿性)

ですね。

よく、ウエアを買うと、以下のような耐水圧の数値が出ています。
10,000mmであったり、15,000mmであったり、中には、45,000mmなんて驚異的な数値も!

だけど、この数値って、ピンと来ないですよね。
それでは、この説明では、どうでしょう?

耐水圧10000mmというのは、ウェア生地の上に1cm四方の柱を立てる。柱の中に水を入れて10メートル(10,000mm)までの高さに入れた水の水圧に耐えられる!ということ。

これを想像するに、なんとなく凄い数値ですね。これほどまでの水の圧力が加わっても水が入らないのですら。
ホント、スノーボードのウェアというのは、もの凄い水に耐えられる生地を使っているのです。

でも、まだイメージつかないですよね。1万ミリというのも、相当、大丈夫な感じですが。
そこで、この目安をご紹介しましょう。

 

耐水圧の目安

20,000mm: 嵐
10,000mm: 大雨
2,000mm: 中雨
300mm: 小雨

ちなみに傘の耐水圧というのは、250mm程度だそうです。
ということは、ジャンジャンに雨が降った日にスノーボードのジャケットを着ていても、濡れないよ、ということになりますね。

そう、考えると、スノーボードのウェアの耐水圧という数値は、みなさんが思っているよりも低い数値でも大丈夫ではないでしょうか!?
思っていたよりも、低い数値でもOKなんだ!って。

ウェアの快適を演出す透湿性はどの数値がほしい?

次に考えたいのは、ウェアの快適を演出す透湿性。
果たして、その程度の数値が必要なのか?

一般的には、最低でも5,000gはほしいと言われています。10,000gあれば嬉しい、20,000あったら最高!という専門家もいます。
しかし、自分の実体験としては、透湿性は5,000gあれば、OKではないか!と思うのです。

もちろん、汗っかきの方、さらにハーフパイプなどで何度もハイクアップを繰り返す方などは、ちょっと上の数値を狙った方がいいけど。
僕は透湿性5,000gのウェアで不快な気分になったことはありません。

 

実体験で最低限必要と思った数値!耐水圧10,000mm、透湿性5,000g

自分が長年スノーボードをして来て、実際にウェアで必要な耐水圧は、10,000mm、透湿性は5,000gです。

じゃあ、それ以上の数値って何だろう?と考えると、もうそれはこだわりの領域のような気がします。
誰だって良いものをほしがるものですよね。パソコンにしてもカメラにしても、画素数とか容量とか、早さとか、良いスペックを求めるものだし、良いモノを使うことは気持ちいいことだと思うのです。
自分の普段着ているウェアが、ヒマラヤ山脈やバックカントリーとか行けちゃうような凄いものだったら嬉しいという気持ちだってあるでしょう。

 

有名素材のゴアテックスって何?

みなさん、よく聞いたことがある、ゴアテックス(Gore-Tex)。知らないという方のために説明しましょう。

ゴアテックスとは、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が製造販売する防水透湿性素材の商標名。スノーボードのウェアはもちろん、登山用のウェアなど高品質のウェアで使われる生地として知られています。現在、スノー・ウェアでは最もトレンドな最高品質と言ってもいいでしょう。

実を言うと、ゴアテックス以外にも良い生地を使ったウェアはあると言われているのですが、ゴアテックス自体がブランド化されて多くの高級ウェアに使用されています。
まあわかりやすく言うと、間違いないウェアと言っていいでしょう。

 

ただ、こういう高級素材で作られたウェアというのは値段が張るので、そのへんを求めるのはこだわりの領域かなあ、とも思いますが。

ウチの息子が、やたらに高いサッカーのスパイクを履きたがるのと似ているかもしれません。別にスパイクがいいからって、サッカーがうまくなるわけでもないけど、良いスパイクは軽いし気分を上げてくれる。息子にとっては、スパイクの紐を締めるたびに一種の高揚感のようなものがあるのでしょう。
だから、数値の高い優れたウェアというのは、カッコ良いウエアを着たいということと同じような、買う側のこだわりの領域と言えるのではないでしょうか。

ひるがえって言い方を変えれば、「スノーボードのウェアになかなかお金をかけれない。」という初心者の方は、耐水圧が10,000mmあって、透湿性が5,000gあれば、全然OKですよ、ということです。
最近は、そういった数値が低いウェアでもカッコ良いデザインのものがたくさんあるので、ありがたいですね。
むしろこの数値は低いというよりも、全然普通だとも言えます。実際、自分はスノーボードを30年間やっているけど、こういう数値のウェアばかり着て来たけど、ほぼ問題ナシでした。

でも、いくら高いウェアを買っても、グローブと袖のところに隙間があって、雪が入って来てしまったり、濡れやすいグローブをしていたり、または快適なニット帽を使ってなくて、頭が寒くなったり、そういう基本的な着こなしを怠ると、高いウェアを着ている意味がなくなりますよね。

また、ウェアというのは、古くなると濡れやすくなってしまいます
だから、マメに防水スプレーをかけたり、または雨の日にはポンチョをしてウェアの生地が傷まなくするなどした工夫があるといいです。ホント、一度、ズブ濡れになったウェアというのは、その後の防水性が弱くなるので。(=経験談)

さらに細かく言えば、ウェアには防水加工のテープを施したものがあるので、そういうものの方が濡れにくくなります。それは雪道で4WD車にこだわるよりも、良いタイヤにこだわった方が2輪駆動でも強いよ、ということに似ているかもしれません。

そのテープ加工はたいてい良いウェアにはついているものです。ようはジャケットのボディや袖の縫い目のところから水を入り難くするための防水テープというものなのですが、数値にまどわされず、そういうウェアとしての大事な作りをしてあるか、そういうところもチェックした方がいいかな、と思います。

ともかく、僕が言いたかったのは、みなさんあまり数値にこだわることはないですよ!ということです。
多くの人は、レストハウスを2時間以上も行けないバックカントリーに行くことはなく、だいたい30分以内あれば温かい場所があるスキー場にいるのだから、それほど良い数値のウェアはいらないと思うのです。

 

まとめ

ウェアを買う時の機能面での数値、それはあまり気にしなくていいと思います。
濡れにくい良いグローブを持つ、パウダースカートがある、肌を見せないようにするなど、基本的な正しい着こなしができるように考えること。
雨の日はウェア生地が傷みやすいので、ポンチョを着るといいでしょう。ちょっとダサいけど、大切なウェアを長持ちさせるための小技。
マメに防水スプレーすることで、ウェアのクオリティーをキープし続けることができます。耐水圧と透湿性の数値は参考程度に、大切なことは日々のウェアのメンテナンス。
古くなったウェアは生地が劣化して、防水性は弱まる。メチャクチャ転ぶ人や、ヘビーにスノーボードに行く人は、高いウェアよりも安くても毎年ウェアを買い替える方が賢明かも!?

 


飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴30シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWing誌では、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、シーズン中に一回は日本へ帰国しコーチングも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、今なお世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!

 

 

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