スノーボード HOW TO スイッチ(逆向きスタンス)滑り方

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これをやれば、おそらくどなたでもスイッチ(逆向きスタンス)ライディングがうまく滑れるようになります!

世界初!スノーボードのスイッチ・ライディングのプログレッション(上達方法)を考案しました。
実際に世界中からスノーボーダーが集まるカナダのウィスラーで、多くの生徒さんに実施してもらって効果抜群!
「スイッチが苦手だなあ。」という方は、ぜひお試しください。

Photo: T-Man, Jimmy, Okamai

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スイッチ・ライディングとは?

横向きに滑るスノーボードは、左足が前に来るレギュラースタンスと、右足が前に来るグーフィー・スタンスがあります。
大抵、利き足が後足になるケースが多いのですが、そのスタンスの決め方は、それぞれの事情で様々。
確実に自分のスタンスがどちらかわかる方もいれば、どちらに滑ってもほぼ似たような感覚の方もいます。
でも、多くの場合、自分のスタンスがレギュラー・スタンス(左足が前)かグーフィー・スタンス(右足が前)か決まっているもの。
本来の自分の滑るスタンスとは逆向きなって滑ることをスイッチ・ライディングと言います。

こうして逆向きに滑ることは、かつては「フェイキーで滑る」とか、「フェイキー・ライディング」と呼んでいました。また、本来のスタンスから逆向きにした動作のことを「スイッチ」とか「スイッチにする。」と言ってましたが、最近は、「スイッチで滑る」「スイッチ・ライディング」という名称が主流になって来ています。

※以上の写真は、レギュラースタンス例。グーフィー・スタンスの場合には逆になります。

スイッチで滑れると良いことは?

多くのスノーボード板の形状は、逆向きに滑るスイッチ・ライディングがやりやすいようになっています。そういった意味では、スノーボーダーは最初からスイッチでも滑れる運命になっているのかもしれません。
では、スイッチで滑れると良いことって何でしょうか?

まずテクニック面では、バランス能力が上がります。
スノーボードは究極のバランス・スポーツですが、スイッチが滑れるようなスノーボーダーは、確実にスノーボードに必要なバランス能力が高まります。
実際に多くの生徒さんは、スイッチの練習の後、ノーマルのライディングも向上しているケースが多く見受けられます。

次に技のバリエーションが増え、その技を活かしたフリーランができるようになります。
例えば、180度ジャンプしたり、板をスラッシュ(雪煙を上げるようなこと)をした後、ボードが逆向きになることがありますが、そんな時でも、そのままスイッチで滑ることができます。

本来、自分のスタンスでないスイッチで滑れることで、スノーボーダーとしての能力の高さから、仲間は「クール!」と思ってくれるに違いありません。

スノーボードは、大自然の雪山を自由に滑れることもできるものですが、こうしたバックカントリーのようなところを滑るケースでは、時にトラバースと言って、斜面を横切るような滑ることもあります。
そんな時、エッジング・グリップ力が高いトゥサイド(つま先)で、スイッチで滑ることもできれば、便利。

その他、ゲレンデの混雑状況で、端で滑りたいケースでは、スイッチで滑れることで、自由に左右の端で滑ることでもできるしょう。

スノーボーダーは、横向きで滑る特徴があるため、筋肉の使い方の左右差が出てしまいますが、スイッチで滑ることができることで、より対称的に筋力も使えるようになるでしょう。

スイッチで滑ることは、スノーボード・ライディングの自由度が増し、さらに筋力の付き方の不均等さも解消することにつながります。

ノーマルとスイッチの割合を10対0から8対2を目指す

普段自分のスタンスで滑るノーマルなライディングから、少しでもスイッチの割合が増えるようにトライしましょう!

フリースタイラーで選手を目指すような方は、ノーマルとスイッチ・ライディングの割合は、5対5近くを目指すべですが、一般のスノーボーダーの方は、8(ノーマル)対2(スイッチ)で良いと思います。

一日の自分のスノーボーディングの中、その滑りの割合時間で20%ほどスイッチで滑ることができれば、大したもの。滑走中に180のスピンもバリバリできるだろうし、緩斜面のイージーなスロープでは、スイッチでカービングターンなんかも楽しめるでしょう。

ノーマルとスイッチの割合を10対0のところから8対2を目指しましょう。
そのための一歩が、このハウツー、HOW TO スイッチ・ライディングになります。

STEP 1 基本姿勢の確認

普段のスノーボーディングでも基本姿勢は大切ですが、スイッチ・ライディングにおいても基本姿勢はとても大切です。まずは、基本姿勢を確認しましょう。これは家の中で鏡の前でもできますよ。

スタンスに逆らわずニュートラルに構えてみましょう。
身体の捩りはほとんどなく、進行方向に目線を向けるため、首だけが捻じれているような格好です。このような姿勢で立つと、より運動効率が良くなり、結果、足首、ヒザが曲げやすくなります。加重が行いやすく、またエッジングも行いやすくります。
僕の場合、現在多くのスノーボーダーが好む後足のビンディング角度が外側になるダックスタンスなので、以下のような姿勢になりますが、ビンディング角度が内側になるようなスタンスでは、より上半身が前に向くような格好になります。

ポイントは、自分のスタンスに逆らわずに立つようにすること。

https://dmksnowboard.com/beginner/how-to-set-up-a-snowboard

スイッチがうまくできない失敗姿勢

スイッチ・ライディングがうまくできないという方は、多くのケースで姿勢に問題があります。
特に、つま先側のターンでトラブルが起きるケースが多いです。
そんな方の特徴的な失敗姿勢は、目線が下がること。腰折れとなり身体が内側に倒れてしまうこと。
ターンを仕上げたいとばかりにこうした内傾姿勢になるのですが、身体を起こしていることがターン安定につながります。
大事なことなので、繰り返し伝えていきますが、目線は必ず進行方向へ送り続けること。顔を上げて、目線でターンを作るような感覚で滑りましょう!

STEP 2 360ターンでスイッチでのターン後半体験

スイッチ・ライディングで最初に行ってほしいことは、360度回るターンです。

360度回るターンでは、トゥサイドからアプローチしてフロントサイドターン側から回る方法と、ヒールサイドからアプローチしてバックサイド回る方法の2つがあります。

最初の360ターンのオススメは、フロントサイド360ターンです。
フロントサイド360ターンは、板の先が谷側を向いたところ(=フォールライン)から90度回ったところまでは通常のターンと同じで、ターンを仕上げる残り180度回す部分では、スイッチでのバックサイドターン(ヒールサイド側ターン)となります。
つまりフロントサイド360ターンで、スイッチでのバックサイドターン(ヒールサイドターン)を自然に習得する効果があります。
以上のフロントサイド360ターンができたら、次はちょっと難しいバックサイド360ターンにトライしましょう。

うまくいかない人は、目線が下がってバランスを崩している可能性があるので、顔を上げて目線を下げないようにしましょう。
テールが谷側に向いた段階で、身体が後ろ側に行きがち(=後傾)になるので、意識的に前足(注:本来は後足だった方。逆になったので前足と表現している。)に乗るといいでしょう。

フロントサイド360ターン

バックサイド360ターン

STEP 3 ティーポットではじめてのスイッチ・ライディング

360のターンができるようになったら、早速、初心者コースでスイッチ・ライディングをしてみましょう!
最もてっとり早くスイッチ・ライディングができる方法は、まるでティーポッドのような格好になって滑ることです。


ティーポッド姿勢の効果とは?

ティーポッド姿勢の効果は、大きく分けて2つあります。

1.前の手で先行動作。ターンをリードしやすくなる。

2.後ろの曲げた腕を固定させることで、身体の開き過ぎを防ぎ基本姿勢を保つのに役立つ。

まるでお湯の注ぎ口のような格好をした前の手は、次のターンを導くように、先へ先へリードするようにしましょう。そうすると、スムースにターンができるようになります。

先行させる手は、ボードの方向よりもおよそ45度先へ送るようにしましょう。こうして先行動作を早めることで、よりターンを早めに切り上げることができます。
慣れて来たら、その先行角度を減らし、30度ほどで行うようにして、よりスピード感があるダイナミックなスイッチターンに仕上げましょう!
また、つま先側は目線が低くなりがちなので、手と同様に目線もしっかりと進行方向に送るようにしましょう。

背中越しとなるヒールサイド(バックサイド側)は、視界が狭くなりがち。でも、手を先行させることで、進む方向に上半身が開き見やすくなります。
また、後ろの曲げた腕は、必要以上に身体を開くのを防ぎ、スタンスに忠実な基本姿勢を保つのに役立つでしょう!

STEP 3 ぺダリングを意識すればスイッチ・ライディングのクオリティーが上がる

足首を動かすペダリングという意識は、スノーボーディングする時にとても大切になって来ます。
特に慣れないスイッチでは、ペダリングが大きなサポートとなることでしょう。

ペダリングとは、まるで自転車のペダルを漕いだり、車の運転でアクセルを操作する時のように足首を動かすことです。

うまいスノーボーダーは、上半身がとてもクワイエット。安定して動きませんが、その分、このペダリングがよく働いています。
スイッチの初期段階で、ボードを操作するために特に大切なのは前足のペダリング。

まるで車の前輪が方向を決めるように、後輪はただフォローする感覚。だからこそ、前足首のペダリングが鍵となります。

その意識と動きを理解するために、実際にフラットなところでペダリング動作を行ってみましょう!

ヒールサイドへのペダリング

ヒールサイドターンをイメージして、つま先をしっかりと引き上げましょう。
つま先側のエッジが雪面から離れていきます。

トゥサイドへのペダリング

トゥサイドは、スネを雪面に押し込むようなイメージ。そうすると、足首がしっかりと曲がります。
結果、カカト側のエッジが雪面から離れます。

以上のような模擬練習を平なところで行ってみてください。
また、この練習は家の中で行っても有効です。
繰り返し行い、正しいペダリング動作を身体に叩き込みましょう!

実際に滑っている時、手でペダリングの動作を再現!

人間は、慣れていないことは、頭で理解してもうまくアクションにつなげないものです。
ペダリング動作をより、有効的に使うためには、その足首の動き(=ペダリング動作)を自分の前の手で表現してみましょう。自分の手をペダリングのように動かすことで、自分の足もスムースにペダリング動作してくれることでしょう。

ヒールサイドでは、前の手を上に。自然につま先が引きあがりやすくなって、うまくペダリング動画につながるでしょう。

トゥサイドでは、前の手を下げます。同時につま先をトゥエッジの方に倒す。
特にトゥサイドでは、このエッジの切り替えしが遅くなりがちなので、勇気を出して早めにパタッと切り返すようにしましょう。この手の動きが足の動きにリンクして役立つことでしょう。

さらに大きく、そしてショートターンにもチャレンジしよう!

スイッチ・ライディングに慣れて来たら、さらに大きく回って、カービングターンを目指しましょう!
先の手も同時に行うペダリング動作を徐々に減らすようにして、よりスピードを出して、ゲレンデを大きく使って深回りを目指します。深く回ることで、よりボードに乗れるようになるでしょう。

そして、同時により小さく回るショートターンにもトライ!
こうして、自由自在にスイッチが滑れるようになり、ノーマルでもスイッチでも同じような感覚で滑れるように目指します。
これができれば、きっとスノーボーディングの世界が広がることでしょう。

【裏ワザ姿勢】利き足の加重を減らすことでより上手なスイッチ・ライディングが可能に!

すべての方に当てはまらないですが、通常、スノーボードのスタンスは利き足が後足になります。片足で立った時、より安定感がある方が効き足で、僕の場合、右足になります。

利き足はよりパワーを伝えやすい足とも言えますが、スイッチになった時には、この利き足の感覚が邪魔になることがあります。そうしたことを解消する方法は、利き足の加重をあえて減らし、逆の方の足により体重を掛けてみること。つまり利き足とそうでない足のバランスをイコールに近づけるために、あえて後足に乗るという作戦です。

これで、よりスイッチの滑りが力強くなることを感じれることでしょう!すでにスイッチができる方は、こうした体重移動でより上手に滑れるようにようになると思います。これは、スイッチ上達の裏技的な姿勢とも言えます。

【裏ワザ・スタンス角度】後足スタンス角度を前足以上に振ればスイッチも簡単に!

多くのスノーボーダーの方は、前足の方が後足よりもスタンス・アングルを振るもの。例えば、前足21度、後足がマイナス12度というふうに。つまりスタンス設定(アングル)自体が、前方向に滑りやすいようになっています。
だけど、よりスイッチを強化したいなら、あえて後ろ足のスタンス角度を前足以上に振るという作戦があります。2016年、ナショナルチーム選手を含めたプロ・ライダーのスタンスを取材したところ(以下、リンク)、驚くべきことに後足の角度の方がより振ってあることがわかりました。

https://dmksnowboard.com/special/2016-pro-riders-stiker-fasion

例えば、前足12度、後足マイナス15度というふうに。

そうすることで、ノーマル・スタンスのライディングに影響がないのか?疑問を持つ方もいると思いますが、実際に試したところほとんど違和感ナシ。スイッチが強化されるオススメのスタンス設定です。
ぜひ、試してみてください。

(後足のビンディング角度を前足以上に外側に向けることで、スイッチが滑りやすくなる!)

まとめ

1 基本姿勢の確認
2 360でターンをしてみる
3 ペダリングを意識
4 さらに深周りを目指し、ショートにもチャレンジ!
5 裏技でスイッチライディングを磨こう!

スノーボード・ビンディングのセンタリング調整方法について
https://dmksnowboard.com/howto/binding-centering

飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴35シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWingでは、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、レッスンも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!
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